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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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762 仲間達の前で精一杯見栄を張る

 

「せいっ!」


 バキッ! グシャ


 ただ殴り続けるのに飽きていたギャラバーンが、最後の1体となった骨を感謝の正拳突きで粉砕した。


「おいシャアリバーン、いい加減飽きたぞ!」

「俺もだ。しかし体術のレベルを上げんことには、宇宙刑事合宿を始めることすら出来ないだろ」

「あ?これって宇宙刑事合宿じゃなかったかのか?」

「ファンの子達に『宇宙刑事合宿って結局何階層まで行ったのですか?』と聞かれた時に、『ダンジョン最弱の骨を一日中殴り続けた』と答えたらどう思われる?」

「間違いなくクソ雑魚刑事だと思われるな・・・」

「そういうことだ。まだ宇宙刑事合宿は始まってなどいない!これはただのウォーミングアップだ」

「それでいくか。ところで今何時だ?」


 腕時計を確認しようとしたら、メタリックな左腕が見えただけだった。


「なんてこった!変身を解かなきゃ時計見れないし!」

「あ、そうか。でも腹の減り具合からいって15時くらいか?」

「たぶんそれくらいだと思う」



 そんな会話をしていると、奥の方からワーワー話し声が聞こえていた。



「ああっ!宇宙刑事がいる!!」

「あんな所で何してるのかしら?」

「小烏丸さーーーーーん!そろそろガチャの時間ですよ~」



 どうやら、ルシオやピピン隊が狩りを終えて帰って来たらしい。



「お疲れさん!えーと、俺達はアレだ。最近上質の鉄が不足しているのが気になってたんで、仕事として骨剣を集めていたのだ」

「その通り!まだ足りんから明日も骨剣集めだな。ずっと骨を狩り続けるのも飽きるから深層を攻めたい気持ちもあるのだが、まあしょうがあるまい」


 クソ雑魚刑事だと思われてはならないので、全力で誤魔化した。


「なるほど骨剣集めっスか!ずっと骨は飽きますけど、剣は欲しいですよね!」

「私もその剣が大量に欲しくて昨日頑張りましたよ!」

「このダンジョンでしか手に入れることが出来ませんし、小烏丸さん達が終わったら私も集めようかな?」

「アリだな!あと毛皮もいっぱい欲しいぞ!」



 そんな会話をしながら部屋へ戻ろうとすると、骨が3体湧いていた。


 マズいぞ!パンチキックで戦うとクソ雑魚刑事だということがバレてしまう。

 しかし明日も骨剣集めとか誤魔化したばかりだから俺達がやらねば・・・。



「レーザーソード!」

「レーザーソード!」



 親父もまったく同じことを考えたようで、完全に声がリンクした。



「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!」」



 ドガッ! グシャッ! ドガシャーン!



 必殺技を使うとエネルギー切れで動けなくなると一瞬で判断し、レーザーソードを光らせただけの状態で3体の骨を粉砕した。



「「宇宙刑事つええええええーーーーーーーーーー!!」」



 ファンの子達から大歓声が上がった。

 宇宙刑事の格好良い姿だけを見せることに成功し、親父とハイタッチを交わす。



「本当は必殺技を見せたかったのだが、アレを使うと30分動けなくなるのだよ」

「ウム。アレを披露するのは時間に余裕のある時だな」


「必殺技なんてあるのですか!?」

「うわ、それ見たかったーーーーーーーーーー!」

「でも30分動けないってのもキツイですよね~」


 ゴシャッッ!


 ファンの子達と会話をしながら最後の1体も粉砕し、部屋へと入った。



「サイダーはまだ戻っていないようだ」

「いつも通りのギリギリ帰還だろ。適当そうな性格なのに勤勉だよな」


 今日の特訓は終了ということで、宇宙刑事の変身を解いた。


「よーーーーーし、今日もガチャるよーーーーー!」

「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 ピピン隊はもうガチャの虜だな。


 ウェディングドレスだったピピン以外の4人が新しい服を着ているので、ピピンも普通の服が欲しいって朝から張り切ってたもんな~。


 しかし5人とも初日に女性服を引き当てるとか、こいつら運良すぎじゃね?

 鳩時計もゲットしてたし、そりゃガチャにハマるか。



「あ、ちょっと待った!ガチャ部屋に入れないかもしれん」

「え?何で!?」

「バイク狙いで清光さんが朝からガチャ部屋に籠ってるんだ。俺の読みでは99%の確率でガチャ部屋がアイテムまみれになってるから、家具とか魔道具で埋め尽くされている大海原を無理矢理泳いでいくことになる」

「家具の中を泳ぐとか、意味わからないんですけど!!」

「いや、小烏丸が言っていることは本当だ。俺も家具の海を泳いだことがある」

「何なのよそれ!」


 そういやピピン達も今日は買い物した方がお得だよな。


「そして清光さんは魔石欲しさに商売を始めるハズだ。魔石10個で好きな商品が買える『清光商店』がオープンするのだ!」

「魔石10個あったらガチャが回せるよ?なんか損じゃない?」

「考えてみ?ガチャは何が出てくるかわからないだろ。例えば可愛いソファーが欲しくても、ガチャで引き当てるのってほとんど無理なんだよ」

「あ、そうか!」

「しかし清光商店に行けばきっと欲しい家具が手に入るハズだ。ガチャで手に入れてしまった緑色のテーブルをしぶしぶ使うより、可愛い猫が描いてあるテーブルを買った方が絶対いいだろ?」

「たしかに!!」

「ガチャを回したかったけど、買い物に使うのもありだね~」

「清光商店がオープンするのって今だけなんだよ。今日稼いだ魔石を全部使ってしまってもたぶん後悔しないぞ。服とかも売ってるかもしれんし」

「好きな服を選んで買えるのか!」

「やった!ドレスを揃えられるかも!」

「自分の服も手に入るかもしれんのか。なるほど、今日は買い物だな!」



 やっと全員が清光商店の素晴らしさを理解したようだ。



「よし、じゃあそろそろガチャ部屋に向かおう!」


「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 ぞろぞろと大広場に移動し、2階層へ降りる階段のある部屋に入った。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」




 ―――――案の定、ガチャ部屋の入り口はアイテムで埋め尽くされていた。



 

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