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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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750 論功行賞Ⅳ(7回目)

 武将達が勢揃いするのってそうあることではないので、強引に侍大将に任命することで皆の興味を引き、実際に強さを見せることで『このバカみたいに強い男は俺の親父だ!』と紹介しておいた。


 そもそも軍にいなかったのだから、当然実績はゼロだ。

 しかし『俺の親父』ってだけで、秘められた有能さに説得力があるのだよ!


 ただの知り合い程度ならどれほど強かろうが信用されないだろうけど、ミスフィート軍の軍師として数々の実績を残してきた俺の親父なのだからな。


 あとは道路公団以外にも内政で実力を見せれば、すぐにでも皆に認められるんじゃないかな?



 ・・・さて、残すはアレ(・・)だけだ。



「おそらくもう皆聞いていると思うが、つい最近三河との取引が成立し、堺ダンジョンを三河に貸し出すことで此方はアリアダンジョンを借りられることになった」



 こんな面白そうな話が噂にならないわけがなく、全員知っているようでウンウン頷いている。



「アリアダンジョンは、そこに座ってる『ゴブ夫』と同じ姿の凶悪なゴブリンが出現するダンジョンなんだが、魔石を集めることでガチャが回せるという話も聞いているだろう?」



 全員がウンウン頷いた。



「それで身分上位者から数名ずつ、『アリアダンジョンでガチャを回そうツアー』を開催中なんだけど、ご存じの通り、目玉商品はミスフィート軍の女性達が着ている美しい服だ!それ以外にも魔道具や家具なんかも手に入れることが可能だ」



 全員の目が輝き出した。



「今まではアリアダンジョンに行く手段が限られていたので、俺くらいしか行くことが出来なかったんだけど、なぜか俺には『女性服しか出ない』という謎の呪いが掛かっていて何度やってもダメだったんだ。しかし本当は男性服も出るんだよ!」



「「な、なんだってーーーーーーーーーー!?」」



「例えばそう、親父が着ている『大バカ殿様の衣装』だ!」



 親父の金ピカの衣装を見た男性陣が、棒のような目になった。



「スマン。あの衣装はちょっと敷居が高すぎるが、ルシオが着ている格好良い服なんかもガチャの景品だ!俺は呪いが掛かっているのでゲットすることは出来ないが、男性陣はこれを機会に自力で格好良い服を手に入れてくれ!」



「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」



 男だって良い服が着たいのだ。皆の気持ちはすごく分かるぞ!



「ハイ静粛に!!実は最近、三河大名の清光さんと勝負をして大勝利し、俺はとんでもない服を手に入れてしまったのだ。今『女性服しか出ない』呪いが掛かっていると言ったばかりだが、この服はちょっと特殊でな。まあ、こうして武将全員が集められる機会もなかなか無いので、折角なので披露しようと思う!」



 その言葉を聞き、親父が目を大きく開いた。



(お前、正気か!?)

(アリアダンジョンのメンバーが変わる度に変身してみせるのが面倒になった。全員揃っている状況で見せれば一回で済む!)

(なるほど。一撃で楽になる道を選んだか・・・)



 さあ、いくぜ!!



「ガチャの大当たりというモノを教えてやる。赤者(せきしゃ)!」



 ブンッ! ブンッ! ブオンッ!



 ポーズを決めた瞬間、赤い流星の衣装から宇宙刑事シャアリバーンの衣装にチェンジしたのが分かった。



「宇宙刑事」



 シュピン! シュピン! ピュオーン!



「シャアリバーン!」



 そして玉座の間に集められた武将全員の脳内に変身ムービーが流れ、俺だけ盛大にスベったような状態で放置されることとなる。


 当然『ぼやきキャンセル』はナシだ。


 ムービーを完走させることで、『最後まで見たかったからもう一度変身してくれ』と言われないようにしておくのだ。


 自分では見ることが出来ないが、心ゆくまで俺の格好良い変身シーンを堪能してくれたまえ!




「「なんだこりゃああああああああああああああああああああ!?」」



 どうやら全員現実世界に戻って来たようだ。



「意味不明だけど、死ぬほど格好良かった!!」

「謎の敵と戦ってたよな!?」

「なんか歌が流れてたよ?」

「あーーーーーっ!見て見て!小烏丸があの衣装を着てる!!」

「まるで意味が分からん!!」

「ガチャってすげーな!」



 突然の謎現象に、玉座の間は大騒ぎだ。



 ・・・でもまだ半分だぜ?



「これが『宇宙刑事シャアリバーン』の衣装だ。マジで凄かっただろ?しかーし!実はそこにいる大バカ殿様も宇宙刑事の衣装を手に入れた強運の持ち主なのだ!」



 それを聞き、親父が『やられた!』って顔になった。



「お前、最初から俺も巻き込むつもりだったな!?」

「見せちまえばもう怖いものなど無い!やるしかねーんだよ!」

「まあ言いたいことは分かる。しゃーねえ、やるか!!」



 親父と場所をチェンジした。



常着(じょうちゃく)!」



 シュッ シュッ シュパッ!



 その瞬間、大バカ殿様の姿が宇宙刑事ギャラバーンになった。



「宇宙刑事」



 シュッ シュッ ジャキン!



「ギャラバーン!!」



 そしてやはり自分の名前を叫んだタイミングでナレーションが流れ始め、そのままムービーが始まった。


 しかし親父も俺と同じことを考えたのだろう。『ぼやきキャンセル』が無かったので、最後までムービーを見ることが出来た!



「「うおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 今度は全員がそういうモノなんだと認識していたので、普通に大歓声に包まれた。

 元ネタを知らない人達からしたら、おそらく普通に格好良く感じるハズだしな!



「俺からは以上だ」



 ニヤニヤしているミスフィートさんと場所を交代した。



「今回の論功行賞はこれで終了とする!皆の者、長い時間ご苦労であった!明日も休日とするので、今夜は思う存分飲んで騒いでくれ!」



「「ヒャッホオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」




 こうして第7回論功行賞は終了した。

 出世したみんな、本当におめでとう!!

 


評価やブックマーク、そして誤字報告をしてくれた方々、

本当にありがとうございます!これからも応援宜しくお願いします。

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