表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

747/899

747 論功行賞Ⅰ(7回目)

 

 ―――――とうとう論功行賞の日が来た。



 本来ならもっと早く行っていなければならなかったんだけど、聖帝との大決戦から始まり、領地を増やしながらの残党狩りで各地に武将達が散っている状態では、一ヶ所に集まることすら出来なかったのだ。


 まあ少し前に丹波を平定したことで重臣達が流星城に集まっている状態ではあったんだけど、今度は夜伽に忙しくなってしまったので変な感じで延期となり、しかしキリが無いので、城主達の夜伽が終わった所でやろうという話になった。


 というわけで、セーラの夜伽が終わって彼女の回復を待ち、そのタイミングでようやく流星城に武将達が集められた。


 集められたというか、俺が転移で迎えに行ったんですけどね!


 武将達は玉座の間に集結したが、今回は聖帝軍との長き戦いを経ての論功行賞なわけだから、蓄積された功績で昇格する人の数は過去に無いほど大勢いるぞ。


 当然、足軽以下の身分の者も昇格する人が沢山いるので、紙が貼りだされるのは午後からだというのに、城門前に人がごった返してる状態である。


 ああ、論功行賞は兵士全員にとって最重要といえる日なので、仕事も訓練も全部お休みの完全な休日にしてある。


 だからといって、家でジッとしているなんてのは無理だろな。


 誰しもが出世したいのだ。

 本番で失敗して出世の見込みが限りなくゼロでも、それでも期待してしまうのだ。




「これより論功行賞を始める!」



 その一言で、騒がしかった玉座の間が静まり返った。



「本当に長き(いくさ)ではあったが、とうとう我らは聖帝軍を撃破し、この京の都だけでなく、大和・摂津・河内・和泉・丹波の国を領地とすることに成功した!そして美濃の国もだ!」


「「うおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 武将達が雄叫びをあげた。



「とはいえ海を越えた四国の地にも聖帝の領地があり、そこも攻め落とさねば完全決着とはいかないのだが、本土から聖帝軍を駆逐したことで一時の平穏を得られたと言えるだろう」



 とりあえず敵対する近隣国はいなくなったわけだからな。

 この一時の平和を手にするのがどれほど大変だったことか・・・。



「急いで船を造って四国へ攻め込むというのも考えたが、先ずは広大になり過ぎた領地をしっかり統治し、民衆達が飢えることが無いようにしなければならない!」


「「うおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 武将も兵士達も、正直全員が疲れているのだ。

 統治に力を入れるという方針発表は、皆が待ち望んでいた言葉だと思う。



「聖帝軍との大決戦は、避けては通れぬ命懸けの大勝負だった。死して英霊となった者達も、生き残った者達も、本当によく最後まで戦い抜いてくれた!なのでまずは皆の奮闘を称えて、(いくさ)に参加した兵士全員に金貨10枚を授ける!」


「「うおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 尾張を平定した時は全員に金貨50枚だったかな?

 あの時は兵士の数も少なかったので、かなり大盤振る舞いしたのだ。


 ただ今のミスフィート軍って兵士の数がとんでもないことになってるので、全員に金貨10枚ってのはクソヤバイ出費なのですよ・・・。


 あの時より減ってるけど、これでも超大盤振る舞いなのだ!

 俺がゴーレム代金で泣いてたのは、この日の大放出あってのことだったのだ。



「当然今回も活躍が目覚ましかった者達には更なる特別な恩賞を与えるぞ!ただ間を置き過ぎたので、昇格する者達の数がかなり多いとだけ言っておこう。なので少し長くなることを覚悟してくれ。そしてより一層の活躍を期待する!」


「「ハッ!!」」



「戦功一位は勿論、あの聖帝を撃破する寸前まで追い詰めた小烏丸だ!最北の地・北海道という遥か彼方まで飛ばされなければ、聖帝を倒していたのは確実だろう。何しろ私はあの闘いを目の前で見ていたのだからな!」


 あ、俺が戦功一位なのか!

 しかし惜しかったよな~。聖帝を殺せなかったのは本当に悔やまれる。


「あの日の激闘を話し出すと日が暮れてしまいそうなので、論功行賞が終わってから皆で語り合おうではないか!では先へ進むぞ。小烏丸にはこれからも軍師でいて欲しいので昇格は無しだ。でも恩賞は破格だぞ!」


 え?俺も恩賞貰えるの?まったく聞いてないんですけど。



「その恩賞は・・・なんと私だ!!近々盛大な結婚式を挙げるからな!」



「「う、うおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 ・・・あ、そういうことでしたか。



「隊長!それを言ったらアタシだって恩賞なんだけど!」

「私も恩賞よ!」

「ワタクシだって恩賞ですわ!」



 ワーーー ワーーー ワーーー ワーーー



 ―――――城内が一気に騒がしくなった。



「とにかく、その辺にいっぱい立っている女性達が恩賞だ!大切にするんだぞ!」



「なんかテキトーね!!」

「ちゃんと全員紹介して欲しかったですわーーーーー!」

「全部で何人いるのかしら?」

「あれから更に増え続けていると聞きました」

「その話は今はしない方がいい」

「今日中に論功行賞が終わらなくなる」



 っていうか男性陣から殺気が飛んで来てるから、もう許して下さい!!



「あ、それとこの流星城も小烏丸のモノだからな!すでに武将がいっぱい住んでいるが気にするな!」


「なんだかあまり恩賞を貰った感じがしませんが、ありがたき幸せ!」



「「わーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!!」」



 厳粛なムードから、一瞬にして緊張感がゼロになったじゃないですか!

 まあでも、こんな和やかな論功行賞もアリっちゃアリなのかな?

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ