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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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746 小烏丸、衝撃の750万に震える

 旅の仲間達に買ってあげたゴーレムは大体平均で150万ギランだった。


 なので俺は、『それくらいならまあいいか』とドワーフ達にゴーレムを奢ってやると言ったのだ。


 しかし運が良かったのか悪かったのか、セイローガの街で一番の人気店で最新型ゴーレムが売りに出されていたのが災いし、450万ギラン支払う用意をしていた俺に告げられた金額は脅威の750万ギラン。


 心拍数が激増し、震える指先を悟られないように忙しなく動かしつつ、心で血の涙を流しながら750万という大金を支払った。


 おそらく適正金額だと思うので、値切るような恥ずかしい真似はしない。

 だって俺は近頃信濃でも有名になりつつある、尾張軍師の赤い流星なのだから。


 ゴーレムがやたらと高額な理由は分かっている。


 まず、土の質がゴーレムの強度に多大な影響を及ぼすので、ゴーレム大国の甲斐・信濃で良質の土を得るには結構な金が掛かるハズだ。


 そして、同じゴーレム職人でも、俺の仲間達と違ってスキル能力値を上昇する指輪を持っておらず、デカい魔石が手に入らないから魔石の融合に魂を込めて一から作り上げるゴーレムは、1機作り終えるまで数ヶ月単位で時間が掛かるのだ。


 機体のデザインからしっかり構想を練って精神を研ぎ澄ませて構築し、塗装やコックピットの内装まで丁寧に仕上げたゴーレムを、安売りなんて出来るわけがない。


 しかも最初の複座型ゴーレムよりも、動きに明らかな違いがあった。

 何か特別な方法で反応速度を向上させることに成功したのだ!


 俺達と同様、ワンランク上のゴーレムを目指すその志の高さに賞賛の拍手を送りたいほどである。



 ・・・でも、やっぱりちょっと高すぎやしませんかね!?






 ************************************************************






 ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!



「うほおおおおお!あの鉄骨を軽々と運ぶとは!!」

「えーと、確か『ゴーレム』って名前でしたよね?凄すぎませんか!?」

「ただなあ、死ぬほど高いらしいぞ。ドラン殿があのゴーレム一つで250万ギランするとか言っておった。三つで750万ギランだ!」

「はあ!?そんな高いの、手が出ませんってば!」

「ドワンゴ様といえど、その出費はかなり痛かったでしょうね・・・」

「しかしその価値は十分あるな!」



 違うぞ。痛かったのは俺の懐だ!尊敬するドワンゴ様が実は目をキラキラさせながらゴーレムを買ってもらっていたってのは、俺の口からは言わんけど。


 ちなみに騒いでるのは、ドワンゴさんと一緒に築城しているドワーフ達だ。

 古参の部下達だけじゃなく、最近兵になったばかりの若いのも結構いる。


 正直あと10機くらいゴーレムがあれば、築城以外の作業も効率よく進めることが出来るんだけどな~。


 ・・・あ、待てよ?


 数日後の論功行賞でドワンゴさんが家老に昇格し、美濃一国を任せられるようになれば、国を統治する為にかなりの大金が頂けるハズ。その代わりクロネコ城は返還することになるだろうけど。


 初期費用は大切に使いたい所でもあるが、その金でゴーレムを買えば効率よく美濃を開拓することが出来るから、結果的に得するのは間違いない。


 っていうか、もうすでにあの三人もその事を考えてるだろな。


 目を輝かせながらゴーレムを操縦してる所なのだから、これがどれほど効果的か実感している最中だろう。


 昇格すると決まったわけじゃないから他の人の前で口には出さないだろうけど、今夜にでも三人でゴーレムの事を真剣に話し合うと予想する。



 ・・・そういや美濃のダンジョンってどうなってんだろ?



 ドワンゴさんのゴーレムの前方に移動し両手をブンブン振った。



 ガシャン



「何事じゃ?」


「美濃にもダンジョンがあるハズなんですが、噂とか聞いてますか?」


「ああ!ダンジョンならとっくに制圧したぞ。というか、ここから歩いて2時間ほどの距離じゃな」


「マジか!!ならすぐにでもダンジョンに兵士を派遣して、魔石集めを始めた方がいいですよ。この先ゴーレムが増えると魔石の価値が跳ね上がります。ゴーレムを作るのに魔石が必要ですし、動かすのにも燃料となる魔石を大量に消費しますので」


「なんと!ダンジョンとはそんなに重要じゃったのか!」


「魔石だけじゃなく、魔物の肉もかなり入手出来ますよ!ただダンジョンの中は真っ暗なんで、額部分に装備して前方を照らすタイプの照明をとりあえず10個くらいサクッと作っておきます。探索に使って下さい」


「それは助かる!小烏殿、感謝しますぞ!」



 というわけで、ドワーフがゴーレムで無双している姿を横目に、額に装着して使う『ヘッドライト』を作りまくった。


 京の都ダンジョンは明るいからいいんだけど、それ以外のダンジョンはどこも真っ暗なのよね。


 ゴーレムの時代になったら『ヘッドライト』の需要も爆上がりするだろな~。


 普通の照明を作るのにやってるように、ヘッドライトの製作をドワーフ達に頼んで、あとは俺か和泉が付与すれば完成って流れにもっていくか。



 そうこうしている間に夕方になっていたので、ドワンゴさんにヘッドライトを渡し、論功行賞の前日に迎えに来るので準備しとくよう告げてから、お嬢達を迎えにアリアダンジョンまで転移した。

 

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