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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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736 夜伽の女王

 その日、一つの噂話が凄まじい勢いで流星城を駆け巡っていた。


 しかしアリアダンジョンでいつものルーティンをこなしていた俺やお嬢達は、流星城がそんなことになっているなど知る由もなかった。


 というわけで嫁軍団がガチャで魔石を使い切るまで見届けた後は、いつもの様に夜伽の準備をしてミケネコ城に向かった。


 もちろんチョロ嫁なので、夜はぐっすり眠れたぞ!


 そして今日からは、ダンジョンメンバーにミリーが参加する。

 ユリも夜伽は終わったんだけど、大事な時期なので参加は二日後だな。


 ようやく時空魔法がLv8になったことを虎徹さんに伝えると、今回は俺の転移を使ってみることになり、全員手を繋いでアリアダンジョンに飛んだ。



「よし!ちゃんと全員いるし大成功だ!」

「大丈夫だとは思ってたけど普通にアリアダンジョンまで飛べたな。じゃあ明日からはわざわざオレが流星城まで迎えに行く必要ねえだろ?」

「そうですね。今までありがとうございました!」

「つっても労役中だからオレの魔石集めはまだまだ続くけどな!」



 すぐにお嬢が新入りのミリーにダンジョンの注意事項の説明を始めたので、ツアーと無関係の虎徹さんは一人で魔石集めに向かった。



「うわ~、緊張するーーーーー!」

「落ち着いて戦えば大丈夫ですわ。あ、でも昨日倒してしまいましたので、ゴブリンを夜伽の女王にお披露目するのは明日ですわね~」


 ん?


「・・・何だその夜伽の女王って?」

「もちろんミリーの二つ名に決まってますわ!」

「はい?」



 ―――――部屋に変な空気が流れた。



「ちょっと待って!そんな二つ名いらないんですけど!!」

「もう手遅れみたいよ?流星城では今その噂でもちきりなんだから!」

「うぇええええ!?何でそんな噂が流れてるの!?意味わかんないよ!!」

「ド変態で性豪と名高い小烏丸を二夜連続で返り討ちにしたんでしょ?あのリタとリナが二人掛かりでも倒せなかったのに、すごい快挙じゃない♪」



 あ、これってもしかして俺のせい?

 ミリーに負けたって、ミスフィートさんに言っちゃったような気がする・・・。



「私とフローラの二人掛かりでも負けたのに、ミリーは本当に凄いわね!」

「夜伽の女王万歳!」


「「ばんざーーーーーーーーーーーーーーーい!!」」


「待ってってば!なんでわたしが勝ったことになってるの?二日とも朝まで蹂躙され続けたのに!」

「さあ?そこまでは聞いてないわね」

「あの変態大王を倒す性技なんて、いつの間に身に付けたのよ!?」

「夜伽の女王万歳!」


「「ばんざーーーーーーーーーーーーーーーい!!」」


「だから知らないってば!!」



 こうしてミリーはワケも分からず『夜伽の女王』と呼ばれながらも、皆と一緒に通路に突入していった。


 なんか可哀相だから、城に戻ったらチェリンやカトレアにも惨敗したって噂を流して中和してあげよう・・・。



 さて、今日はミスフィートさん達に『赤い流星専用ザキュ』の操縦を教える予定だから、流星城に戻るとするか~。






 ************************************************************






 ミスフィートさんを呼びに行くと、ゴーレムの試乗をするために声を掛けておいたメンバーが玉座の間に集まっていた。



「こがっちやニャルルのゴーレムならわかるけど、あの民間ゴーレムだったら別に乗らなくてもいいんだけど?」

「動きがもっさりしてるしな。まあでもゴマちゃんらを招集したのは民間ゴーレムに乗せる為じゃなく、ゴーレム教室でエルフ達が作ってるゴーレムを見せたいと思ったからなんだ」

「それって軍用ゴーレムなのか?」

「実は俺も最初の何日か出席しただけで今どうなってるか知らないんだよ。でも教えてるのがパメラだから、軍用ゴーレム並みのスゲーやつ作ってそうじゃね?」

「確かに面白そうだな!」



 そんな会話をしながら、ゾロゾロと学校に向かった。




「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」」




 学校のグラウンドで俺達が目撃したのは、バッチバチに戦闘をしているゴーレムの大群だった。



 ドゴオオオオオオオオオオオオン!


 ドガガガガガガガガッ!


 ゴシン!


 ガシュン!ダダダダダダダダダダダダダ!



「いやいやいやいやいやいやいやいや!!」

「うわマジ?これってさ・・・」

「ゴーレム大戦にゃか!!」

「わああああああああああ~~~~~~~~~~!」

「おい小烏丸!学校が凄いことになっているではないか!」

「ちょっと!メチャクチャ面白いことになってるんですけど!!」

「す、凄まじいですね・・・。これがゴーレムの真の姿ですか」

「何これ!?凄すぎる!」

「格好いい!!」



 エルフ達がほのぼのとゴーレム教室で勉強している姿を想像してたのに、もうすでにゴーレムを完成させて全開バリバリで戦闘してるなんて予想外もいいとこだ!


 思えばダンジョンに掛かり切りで、こっちを放置し過ぎたかも。

 ゴーレム教室が始まってから結構経ってるもんな。


 俺が出席してた頃は、『ゴーレムちゃんが死んじゃった』って泣いてたんだぞ?

 それがまさか自分のゴーレムを完成させて戦っているとはな・・・。


 生徒達が優秀なのもあるだろうけど、パメラ先生ヤバすぎだろ!



「あ、小烏丸じゃない!しばらく来なかったけど忙しかったの?」



 パメラが俺達の方に向かって歩いて来た。

 先生なので、自分は戦闘に参加しないで見守っていたのかも。



「正直クッソ忙しかった。しかし少し見ない間にこんなことになってたんだな!」

「ゴーレム教室はもうほとんど終わったようなもんよ?今はね、実際に戦闘してみて、壊れたら自分で修理する授業をしてたの」

「そこまで来たらもう終わったようなもんだな!エルフ達をよくぞここまで育ててくれた。本当に感謝するぞ!」

「優秀な生徒達ばかりだったおかげね~」

「あ、そうだ。ミケネコ城からパメラ専用ゴーレムを持って来たぞ!」

「え?本当に!?」



 アイテムボックスから、銀色に輝く巨大ゴーレムを出した。

 普通のゴーレムが4メートルなのに対し、パメラ専用機は6メートル近くある。



「わああああ!ゴーレムちゃん久しぶり!」

「あとこれも渡しておこう」

「あっ!もしかして私のマジックバッグが完成したの!?」

「今使ってるヤツだと、このデカいゴーレムを入れたらほぼ満タンになっちゃうだろ?これならかなり容量が大きいから何体でも収容できるぞ~」

「ありがとう!!」

「もちろんゴマちゃんとニャルルとシャイナの分もあるぞ!」


「「やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 マジックバッグを受け取った四人は、その場で所有者登録を完了させた。

 仲間達の笑顔を見ているとこっちも嬉しくなる。


 でも本当はミスフィート軍の古参組の方が優先順位が上だったので、できるだけ秘密にするよう言っといた。


 俺と苦楽を共にした旅のメンバーなのでちょっと贔屓してしまったけど、皆の分も急いで作るから勘弁して下さい!

 

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