70 支援魔法
「これは凄いぞ!」
ルルに支援魔法を試してもらったんだが、この支援魔法ってヤツは実に面白い。
ゲームなんかで、バフをかけまくってからボスと戦ったりするやん?まさにそれと同じことが出来るのだ。
・攻撃力上昇、魔法攻撃力上昇、防御力上昇、魔法防御力上昇
・精神力上昇、身体能力上昇、各種耐性上昇、命中率上昇
その種類は実に多彩だ。
まず普通に身体能力上昇の支援魔法をかけてもらったんだが、指輪ナシでも力が漲ってくるのが体感出来た。
次に指輪を嵌めてもらってから試すと、魔力増幅の効果だけでも明らかに効果が違うのがわかった。
これだけでも凄いのに、更に支援魔法強化の指輪まで着けたら、ハイパー無双モード突入だろ!
「ルル、支援魔法って凄すぎね?」
「この指輪が凄いのですよ!こんな簡単に威力が跳ね上がるなんて・・・」
「更に支援魔法強化の指輪も作る予定だから、もっと凄いことになるぞ」
「はわわわわわ」
ルルの強化は確定だ。これはもう間違いなく最優先だろ。
俺はひょっとすると、とんでもない拾いモノをしてしまったのかもしれん。
「よし、他にも作りたい指輪が出来たんで、実験はこれくらいにしておこう。今着けてる指輪はルルがそのまま使ってくれ」
「え?良いのですか!?」
「強力になった魔法に慣れる必要があるだろ?そしてルルが強くなれば、それはミスフィート軍の強化に直結する。ルルの強化はみんなの為でもあるんだ」
「なるほど、わかりました!有難く使わせて頂きます!」
「ただちょっと指輪が多すぎるな。ハハッ」
風属性強化、土属性強化、光属性強化、魔力増幅、MP消費軽減
ルルはすでに、5本の指に指輪を嵌めている。しかもまだ増えるのだ。
ちゃんと指を見せてもらい、サイズの確認をした。
「支援強化の指輪とかも作るんで、完成したらまたよろしく!」
「はい!じゃあボクは訓練場に行きますね」
「がんばれよ~!」
ってことで、俺は指輪を作りに作業部屋へ戻ろう。
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新たに指輪を10個作った。
支援魔法強化++、付与魔法強化++、魔力増幅++が2個、MP消費軽減++が2個
光属性魔法強化++、風属性魔法強化++、土属性魔法強化++、火属性魔法強化++
まずルルに渡した指輪と同じ種類の物をルルサイズで作ってから、自分の為に、付与魔法強化、魔力増幅、MP消費軽減、火属性魔法強化の指輪を作った。
そして、パッと閃いて作ったのが、魔法範囲拡大の指輪。
どうやらコイツも難易度が高いようで、短時間じゃ+は付けられなかった。
あ、これも入れたら指輪は全部で11個か。
最初に付与魔法強化の指輪を作って、それを指に嵌めてから他のも作ったんだけど・・・、うん。指輪ブースト半端ねえわ!そりゃルルも驚くわ!
これにより、魔法を付与する時間を大幅に短縮することが出来るようになった。
指輪ブースト効果で、待望の自動修復(強)が付与出来るようになった可能性すらある。まあ時間がかかりすぎるから、今はまだ試せないけどさ・・・。
魔法範囲拡大の指輪は少し小さめだ。指輪の着け過ぎでルルの指がもう親指と小指しか残ってないから、コレは小指用だ。
親指2本と小指1本以外全部指輪ってのは、さすがにちょっと可哀相なんだけどさ、指輪をいっぱい嵌めた成金みたいな指になっても、強くなる為ならば本望だろ!
ちなみに指輪には、謎模様以外にも『火』とか『支援』とか彫ってあるので、どの効果が付与されているのか一目でわかるようにしてあるぞ。
さて、訓練所でまたルルと実験だ。
「ルル、いるか?」
「はーい!」
ルルがすぐに走ってやって来た。
「指輪が完成したんで渡すよ。ココで軽く実験しよう」
「了解です!」
ルルに支援魔法強化++の指輪と、魔法範囲拡大の指輪を渡す。
「こっちの小さい方は小指用で、魔法範囲拡大の指輪だ」
「範囲拡大ですか!?」
「ちと魔法の難易度が高かったので、効果はそれほど無いかもしれん」
「でも凄いですよ!小烏丸さんは指輪だけ作ってても、一生食べていけますね」
「ハハッ!確かにな。まあそんなつもりは一切無いけど」
最初に渡した指輪を全てルルサイズのと交換し、更に2個追加で指に嵌めて行く。
ルルの両手は、もう指輪まみれだ。
「いやー、指輪まみれになってしまったな」
「あはっ!でもどれも必要ですからねー。あとそんなに重たくないので、戦いに影響はしないと思います」
「なら良いんだけど。よし!じゃあ支援魔法の実験だ。えーと・・・、お?あそこにいるのはルーシーだな。彼女に手伝ってもらおう。おーい、ルーシー!」
「ん?今呼ばれた気がするっス」
「ちょっと魔法を試すので手伝ってくれ」
「魔法っスか?」
「ルル、わかりやすいので行こう。身体能力上昇でどうだ?」
「そうですね。ルーシーさん、支援魔法をかけますので魔法を受け入れて下さい。支援魔法は相手が受け入れてくれないと、魔法がかからないのです」
「ん?よくわからないけどわかったっス!」
「身体能力上昇!」
ルルが支援魔法を唱える。
ルーシーが魔力で包まれたのがわかった。
「おお!?なんか力が湧いて来たッスよ!?」
「その状態で、訓練の続きをやってみてくれ」
「わかったっス!」
ルーシーが刀を縦横無尽に振り回す。
「やばいっス!!これが支援魔法っスか!!」
素晴らしく動きが良いのが、見ただけでわかる。
「本当に凄いな・・・、支援魔法って味方全体にかけたりも出来るの?」
「出来ますよ。範囲が広がれば効果も薄まりますけど」
「消費MPは大丈夫なのか?」
「大体これくらいのMPを使おうって、自分で決めて使う感じです」
「なるほど、それなら状況に応じて対応出来るな」
便利なもんだな~。じゃあ次はココにいる全員にかけてもらおうか。




