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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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609 集団で寝るのがこんなに困難だとは・・・

 50名を超える規模とか言ってたけど、21階層に飛ぶ前に点呼を取ったら全部で80名いました!


 ダンジョンマップを見ながら最短ルートを進むだけとはいえ、ここまで大人数になると予想以上に時間が掛かるかもしれないな・・・。


 さすがにこの人数だと点呼を取るのも大変なので、10名ずつにチーム分けし、21階層に転移した直後にチームリーダー主導で点呼を取り直した。


 そして全員揃っていることを確認し、俺とミスフィートさんを先頭にダンジョンの攻略が開始された。



「ハッ!」


 ジャキン


 アリアダンジョンでヤバイ魔物と戦いまくった経験があるミスフィートさんは、どんな魔物が出ようが怯むことなく突っ込んで行くけど、100階層を超えるダンジョンの23階層にしてはなかなか強敵揃いだ。


 バトルジャンキーの気があるカーラやお嬢なんかは、本当に楽しくてしょうがないらしく、デカい魔物を倒しては大はしゃぎしている。


「いや、怖くねえのかよ!」

「親父、ミスフィート軍の女性は皆ちょっと頭がおかしいんだ」

「小烏丸だけには言われたくないわね!」

「人と斬り合うより全然気楽でしてよ?」

「あ~、それはあるな!」


 ダンジョンの魔物なら、いくら倒しても心が痛まないで済む。

 だが(いくさ)となると、人を殺す覚悟、そして殺される覚悟が必要となる。

 強い弱いの問題じゃなく、心が楽ってのは大きいよな。


 親父もあんなことを言ってるけど、どう見ても魔物を怖がってる感じではなく、強そうな魔物を相手に己を試すような戦い方をしていた。


 皆にレベルさえ追いつけば、ミスフィート軍でもトップクラスの実力だろな。

 立ち合い稽古で惨敗しないよう、俺も精進しないと・・・。



 そんなこんなで25階層まで到着し、疲れたなーと思いながら時計を見ると、針は10時を指していた。朝なわけないから22時か。


 このままもう少し頑張れば、ダンジョンに一泊するだけで31階層まで到達出来るかもしれんけど、ソフィア達が言ってた鎧ゾーンが難関らしいから、やはり二泊する予定で進むべきだろう。



「ダンジョンが明るいせいでさっぱり時間が分からないだろうけど、実はもう夜の10時だ。魔物と一緒に寝るのは嫌だと思うからこの安全ゾーンで寝ることにしよう」


「エーーーーーーーッ!もうそんな時間だったの!?」

「確かに少々疲れましたわね~」

「何も睡眠時間を削ってまで急ぐ必要はない。遅くなったが夕食にして、このフロアで一泊するぞ!ハンバーガーを渡すから各班から二人ずつ来てくれ!」


 代表者2名にハンバーガーを10個ずつ渡していく。

 ちょっと足りないかもしれんけど、1人2個食えばそれなりに腹も膨れるだろう。


「しかし狭いな。ちょっと連れて来る人数が多過ぎたかも・・・」

「魔物が出現する場所でなど危なくて眠れないしな。仕方あるまい」

「80人並んで寝るのか~。カメラ持ってくればよかった!」

「人の体温で暑そうですわね・・・」

「すでに暑いぞ!」


 ここまで密集状態で寝ることになるなんて、全く想定していなかった。

 そうだよな・・・、安全ゾーンに80人集まればこうなるか。



 夕食が終わり、洗面台を出してわちゃわちゃ状態で歯を磨いてから、何体か魔物を倒してトイレゾーンを確保。そうこうしている間に、安全ゾーンにシルバーウルフの毛皮を敷き詰めておいた。



「みんなトイレには気を付けるのよ!最中に魔物が湧いたら恥ずかしい最期になってしまうわ!」

「魔物を倒した直後にすればいいんだよね?」

「うん。見張りを付ければいいんだけど、人前でするのも嫌だしね~」



 それな・・・。


 ダンジョンなので出した物は勝手に地面に吸いこまれて消えるんだけど、位置によってはリポップした魔物が襲い掛かって来るのだ。


 結構重要なことだから攻略前にトイレのタイミングは説明してあるんだけど、寝ぼけている深夜のトイレは気を付けねばなるまいよ。



 そしてようやく落ち着いた所で、全員が毛皮の上で横になった。



「暑い!!」

「80人が密集すると暑いわね~」

「毛布が配られなかった理由がわかった!」


 そんな声を聞きながら、俺も必死に寝ようと頑張っていた。



「・・・・・・・・・・・・・・・」



 なぜかこんな日に限って、チャミィとメメが俺にくっついて寝てるのですが!


 幼女二人がココにいるってことは、ララとメルティー様も一緒にいるわけで、子供達の保護者であるパメラとルルとマリアナまでもがセットで付いてきた。


 ほっこりハーレム状態ではあるんだけどさ、とにかく暑い!!

 子供って体温が高いのよ・・・。


 そして、ようやくウトウトし始めた時だった。



「こがにゃん、おしっこ・・・」



 ・・・な、なんだってーーーーー!?



 放っておくわけにもいかず、そっと起き上がってメメを抱っこしながら通路に入って行って魔物を倒した。


 メメのお花摘みが終わって、元いた場所に戻ろうとすると、78人が(うな)されている姿を見てげんなりする。人を踏まないように戻らねばならないのだ・・・。



 とまあ、夜中にそんな苦労をしながらも一応何とか寝ることは出来たが、たぶん3時間くらいしか眠れなかったと思う。



 敢えて言おう。80名は多すぎだったと!

 

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