605 絶対に負けられぬ闘い
物資集積市場のオープン初日は大成功に終わった。
しかしいつまでも軍の精鋭達に販売員をやらせているわけにもいかんので、今日働いたうちの数人に金の管理や指導を任せて、一般兵に仕事を覚えさせる予定だ。
ゆくゆくは民間人を雇用するつもりでいるけど、今はまだ早い。
あそこは物資集積拠点でもあるので。しばらくは信頼出来るミスフィート軍だけで市場を回す必要があるだろうな。
いいタイミングでボヤッキー達が帰って来たけど、彼らにはまずダンジョン21階層まで到達してもらわねばならない。
どういう経緯で市場が誕生したのか。それをしっかり理解しなければ、市場を任せることなんて出来ないからな。
ただ彼らは大仕事を終えて帰って来たばなりなので、1週間の休暇を与えた。
使える人材だからこそ、まずは身体を回復させなければならん。
そしてダンジョンから戻って自室に戻ろうとすると、玉座の間から女性の話し声が聞こえてきた。
「えええええええ!二人一緒に夜伽したの!?小烏丸は大丈夫なのかしら?」
「大丈夫も何も、朝まで蹂躙された・・・」
「わたしの旦那様はとんでもない性豪!しかもド変態だった!!」
「うん。あんなに恥ずかしい目に合うとは予想外」
「ド変態だって!?いや、アタシん時はそうでもなかったけど?普通じゃない?」
「アレが普通!?夜伽ってそういうもの?」
「リタ凄いことされてたけど?」
「凄いことって何よ!?詳しく!!」
「えーとね・・・」
・・・・・・なんか、変態とか言われてるんですけど!!
いやいやいやいや!そんな変態なことしたかあ!?
レムやセレスティーナが喜んでくれたことしかやってないぞ!!
・・・いや待てよ?
一ヶ月という長い期間だったから、レムを飽きさせない為に新たなる技をいくつも会得するほど二人で頑張って、最後の方はちょっと普通じゃないこともしてたか。
そしてセレスティーナとはいきなり野外戦だったからなあ・・・。
環境に慣れてきてからはセレスティーナと協力して魅せる技を何種類も会得し、ギャラリー達の大声援に応えるように、次々と技を披露していったんだっけ。
・・・もしかして、俺らは世間で変態と呼ばれるようなことをしていたのか?
「ド変態じゃない!!えええええッ!?アタシにはしてくれなかったんだけど!」
「横で見てる人がいなかったから?」
「カーラは順番が早かったから。その後小烏丸がどんどん進化したんじゃ?」
「そうか!あれから何人も嫁を抱いて成長したんだ!!くっそーーーーー!早い方が絶対に得だと思ってたけど、小烏丸の成長まで考えてなかった!!」
・・・ヤバい。話を聞いただけのカーラまで俺のことをド変態だと言っている。
「でも今日はわたし達が勝つ!!」
「昨日の仕返しに、小烏丸も恥ずかしい目に合わせる!!」
「ね、ねえ!見学しに行ってもいい!?」
「それはダメ。もし負けたら恥ずかしい」
「カメラある?倒したら小烏丸の写真を撮ってくるから、それなら見せてもいい」
「それだーーーーーーーーーー!よっしゃ、カメラ持って来る!!」
「Vサインだっけ?敗北した小烏丸の横でアレをやって撮ろう」
「いいね!」
おい待てや!!
負けたら恥ずかしい写真を撮られるとか、ちょっと洒落になってねえぞ!!
・・・いや違う!弱気になってどうする?勝てばいいんだよ勝てば。
逆に返り討ちにして、リタ&リナの恥ずかしい写真を撮ってやる!
フハハハハハハハハハハ!カーラに二人の無様な写真を見られるといい!!
ってか、今日もリタ&リナと再戦なのかよ!
一人ずつしっぽりと夜伽するんじゃなく、二人一緒に登場して二日制にするとか、ちょっとずるくないですか?
こりゃあ御仕置きが必要ですな。
黒歴史確実な写真を撮ってやるから覚悟しやがれ!!
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「ん?もう朝か・・・」
絶対に負けるわけにいかない闘いだったのもあり、昨日より少し手強くなっていた双子だったが、技の限りを尽くして朝まで蹂躙した。
さてと、無様な写真を撮るんだったな・・・。
しかしあまりエグい写真を撮って、夫婦の絆に亀裂が入ってもマズイい。
身体は隠す方向で、それでいて無様な写真を撮るのがベストだろう。
・・・そういやこの二人、Vサインで写真を撮るとか言ってたよな?
ならば撮ってやろうじゃないか!アヘ顔で両手でVサインしている姿をな!!
少し苦戦したが、敗北により意識が朦朧とした従順嫁となっていたのもあり、二人並べてVサインさせることに成功してそれを激写。
二人とも毛布で身体を隠したけど、この写真を見れば敗北したのは明白だろう。
後はこの写真をカーラに届ければミッションクリアだ!
バタン
リタの部屋を出て、同じ王室ゾーン内にあるカーラの部屋の前へと移動。
トントントン
『来たッ!!』
ガチャッ
カーラが中からドアが開くと、廊下に立っていたのが俺だったので、驚きで目を丸くした。
「お届け物です!リタさんとリナさんからです!」
カーラに大きな封筒を手渡した。
左上に赤い流星の似顔絵切手まで貼ってある完璧な封筒だ。
「・・・敗北したようね」
「一体何のことでしょう?あっ、自分は次の仕事がありますので失礼します!」
バタン
ドアを閉めてから、立ち去らずに聞き耳を立てる。
『あーーーーーーーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!』
完全勝利だ。




