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45 領主の館に突入

 街を探索中、ミスフィート軍でも個性的な印象のある5人組を見つけた。



「よっ!ピピンのチームか。調子はどうだ?」


「あ、小烏丸さん!」

「絶好調ですよー!ウチの隊だけで13人撃破しました!」

「隊長がどこにいるのか知ってます?」


「13人か!素晴らしい活躍じゃないか。ミスフィートさんは領主の館近くに潜伏中だ。敵の数が多いらしいから、まだゴンズの所には近づくなという伝言だ。なので街の敵を粗方排除した後に一斉突入するぞ!」


「「了解です!」」



 そうしてジャバルグ軍を掃討しながら、仲間に情報を伝えて回った。






 ************************************************************






 よし、もう大半の敵は倒した。そろそろ領主の館に向かうか。


 軍のみんなは良くやっている。こっちの被害は今の所ゼロだ。

 我が軍はただでさえ数が少ないから、一人も欠けるワケにゃいかん。


 俺が鍛えた刀と服を着ているし、聖水も持っているんだ。

 みんな上手くやってくれると信じよう。




 領主の館付近に近付くと、門の前に2人の見張りが見えた。


 ただ数が多いと言ってた割には、見張り以外に敵の姿が見えない。

 きっとミスフィートさんが地道に削っていったのだろう。



 館の様子を窺いながら仲間が集まるのを待った。




 ・・・・・




「全員揃いました!」

「よし、じゃあそろそろ館に突入するぞ!」


「ミスフィートさん、俺はチェリン隊、カトレア隊と一緒に裏から侵入します」

「わかった。私が本隊で正面玄関に突入後、速やかに動いてくれ」

「了解!」



 裏口にも見張りが2人いるので、物陰から様子を窺う。


「本隊が突入したら、俺があの2人を瞬殺する。その後は目についた敵全てを倒しながら本隊に合流するぞ。本隊に気を取られてる奴らの背後から、問答無用で殺して行く。出来るだけ静かに暗殺するよう心掛けてくれ」


「「了解」」



 表口から戦闘の音が聞こえて来た。


 見張り2人が『何事か!?』と館の方を向いたので、ダッシュで駆け寄り首を掻っ切った。



「よし、突入だ!」

「みんな、気合入れていくわよ!」

「「おー!!」」



 裏口から中に侵入し、目に入った敵を全て倒しながら正面玄関を目指す。

 狙いは、戦闘に気を取られている敵の背後だ。


 挟み撃ちほど恐ろしいモノは無い。裏口班の俺達も、階段から背後を取られるようなヘマをしないよう、後ろにも気をつけねえとな・・・。


 モヒカンを倒しながら廊下を進んで行くと、デカい声が聞こえて来た。



「何をバタバタやってやがる!」

「反乱軍だ!奴らが攻めて来た!」

「ああん?そんなモノ捻り潰せ!」

「奴らつえーんだよ!全員変な細っこい武器を持ってやがる」

「細っこい武器だあ?」



 さすがに慌てているな。

 襲撃された経験なんて、過去に一度も無いんじゃね?


「あのデカいのがゴンズなのか?」

「いいえ、アイツはゴンズの側近ね。名前は知らない」


 なるほど。領主クラスになると、側近がいてもおかしくないか。


 側近に近寄ろうとした時、2階へ上がる階段を見つけた。

 階段を無視して奴らと戦闘になったら、挟まれる可能性あるよな。


「しょうがない。俺は階段を見張っとくんで、アイツらは任せた」


「わかった。ココは私達に任せな!じゃあみんな、気合入れて行くよ!」

「「ハイッ!」」


 階段を見張りながら、彼女達の戦いを見守る。


「シッ!」


「ゴハッ!」

「おい!後ろだ!後ろにも敵がいるぞ!」

「なにィ!?後ろだと?」

「裏口から侵入しやがっ、ガハッ!」


「せいっ!」

「ハーーーッ!」



 みんな凄いな!と言っても、元々歴戦の強者だったんだ。

 アイツらを相手に、重い剣を振り回して、今まで生き抜いて来たのだから。


 そして刀の扱いに慣れた今、全ての兵が更に手強い戦士となった。

 もう軍のメンバーには、俺でも簡単に勝てる相手はいないだろう。


 ドドドドッ


「下だ!戦闘音がする!」

「お前、ゴンズ様に報告しろ!」

「ハッ!」


 敵が階段を降りて来やがったか。でもココを通すワケにはいかん。



「よう」


「あ?何だお前は」

「こんな奴いたかあ?」

「敵か!?」



「私は赤い流星。御覧の通り軍人だ」



「コイツ何を言って、グアッ!」

「おい!クソッ、敵だ!殺せー!」

「オラア!!」


 スキンヘッドが、階段を降りながら斧を振り下す。


 そんな不安定な攻撃が当たるかよ。


「ぎゃああああッ!お、俺の腕があああ!」


 斧を躱し、すれ違いざまに両腕を斬り落とした。

 そのまま階段を駆け上がり、一緒にいた2人をぶった斬る。


「ガヒュッ、お、おい!見逃してくれよォ!俺の武器をやる!いや、食料も、女もやろう!な?」


 命乞いか。


「で、そうやって命乞いをする人を、お前は何人殺してきた?」

「へ?い、いや!俺は寛大だからな。そんなに、いや、誰も殺しちゃあいない!」

「そうか、でも俺は心が狭いからな。何人でも殺すよ」

「な、何だっ、いや待て!話せばわか」


 刀を一閃し、問答無用で首を斬り落とした。

 こっちにゃ、お前らと話し合うことなんて何一つねえんだよ。



 タタタタタタッ


 お!?ミスフィートさんが来た。


「小烏丸!下の敵は全て倒したぞ!」

「ミスフィートさん、階段を降りて来た敵の1人が、報告をする為か引き返して行ったので、ゴンズはたぶん2階にいます!」

「よしッ、みんな2階にいるゴンズを探し出せ!一気に決着をつけるぞ!」


「「了解!」」



 とうとうゴンズとのご対面だ。街の解放まであと一息!

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