44 快進撃
ルーサイアの解放作戦が始まった。
ミスフィートさんに通信機を渡したので、少し出遅れてしまったな。
ならばと、みんなが街で動きやすいように、俺は櫓を狙うことにした。
ギィーーーッ
普通に正面からドアを開けて櫓の中に入る。
「ああん?何だお前は?」
「ウチにこんな奴いたか?」
「気に入らねえなあ」
近寄って来たモヒカンを、問答無用でぶった斬った。
「なっ!」
「コイツは敵だ!殺せー!」
・・・4人か。また上にも何人かいそうだな。でもまあ問題無かろう。俺一人で全ての櫓を落としてやる。
「グアッ」「ふざけ、ガはッ!」「い、痛え、お、俺の右腕アガッ!」
チンッ
たわいもない。所詮は兵隊か。
階段を上へ登り、目に入った全ての敵を斬り捨てた。
一つ目、終わりっと。
どんどん行くぜ!
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―――――とある5人組視点―――――
「オイオイ!こんな所に若い女が5人もいるゾお?」
「フヒヒヒヒヒッ!左の女は俺様が頂くぜ!」
「かっ!そんな小便臭ぇガキのどこがいいんだ?俺は右を貰うぞ」
「じゃあ、行くよ!」
「「オーーー!」」
5人が横に広がり、敵の周囲から一斉に襲い掛かる。
「ハッ!」
「遅いッ!」
「ウィランの仇!」
「なっ!」「コイツらまさかッ」「ギャアッ!」
ほとんど反撃の隙を与えず、3人の敵を倒すことに成功する。
「ふー、楽勝だったね!」
「この刀、本当に凄いわ。鉄の鎧すら簡単に斬り裂く」
「いや、鎧以外の所に攻撃しなさいよ!」
「あはっ!」
「この調子でどんどん行くわよ!」
凄まじい斬れ味の刀と魔改造された服で、彼女達の快進撃は続く。
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―――――ミスフィート視点―――――
「ハッ!」
チンッ
倒した3人の敵を見るが、確認するまでも無く息絶えている。
「本当に凄まじいな、この刀は」
今までの剣なら一太刀で倒せない敵もいて、倒れた敵にトドメを刺していた。
だが、小烏丸に貰ったこの刀はまるで格が違う。
小烏丸に、『この刀なら鎧ごと叩き斬っても楽勝ですよ』と言われていたので、試しに鉄の鎧を斬ってみたが、あの硬そうな鎧をも難なく斬り裂いた。
実力に武器が見合っていないと言われたが、今ならそれがとても実感出来る。
優れた武器を持つだけで、こうも戦いが楽になるとは思いもしなかった。
「小烏丸に感謝だ。私はもう誰にも負けない!」
敵の死体を一瞥し、次の敵を探しに歩き始めた。
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―――――小烏丸視点―――――
「よし、四つ目だ」
街の四方に置かれた櫓を全て落とした。
これでもう、櫓の上から仲間を発見される恐れは無くなった。
よし、ミスフィートさんに報告しよう。
通信機の1番のボタンを押す。
『小烏丸か?どうした?』
「街の四方の櫓を全て落としました。なので派手に暴れていいですよ」
『こんな短い時間で4つもか!?見事だ!』
「今から俺も街中の掃討に参加します。ではまた後程」
『了解した。健闘を祈る』
再度通信機のボタンを押して報告を終える。
俺は現在櫓の見張り台に居るのだが、街を見渡すとモヒカンが2人歩いてるのが見えた。
「2人組ねえ・・・。ビームライフルで狙撃してやっか」
腰にぶら下がってるビームライフルを手に取り、安全装置を解除。
モヒカンの頭に照準を合わせてトリガーを引く。
ビュオン
見事にヘッドショットが成功し、モヒカンが倒れた。
それを見たもう一人のモヒカンが驚き、周辺をキョロキョロ確認している。
続けてそいつの頭に照準を合わせ、ビームを発射。
見事にモヒカンの頭を貫き、地面に倒れた。
「命中補正のお陰だろうけど、俺の腕もなかなかだな」
それにしても奴らって、モヒカンとハゲしかいないのはなぜなんだ?
まあ敵だってのがわかりやすいのはいいけど、奴らの中で流行なんだろかねえ?
他に敵の姿が確認出来なかったので、櫓を出て街に繰り出すことにした。
街を歩いてると普通の住民とすれ違ったりするのだが、みんな痩せていて目に生気というモノが無い。奴隷のように日々こき使われているらしいから、希望というモノが存在しないんだろうな。
街を解放した後、少しは未来に希望を持ってくれるといいんだが・・・。
「なんだキサマは!」
「怪しい奴め!ひっ捕らえろ」
ホント腐った街だ。
街の見回りがコイツらの仕事なんだろうけど、無駄に勤勉すぎるだろ。
まあ、それだけ反乱軍の存在を脅威に感じているということか。
「ぐあっ!」「ゴフッ」
チンッ
一体この街に何人の兵隊がいるんだよ?俺だけでも結構倒したと思うんだが。
立派な建物なんかも中にいるのは敵だと予想出来るので、ドアを蹴破って中を確認し、敵を確認次第討伐して回った。
プルルルル
お?ミスフィートさんか。どうしたんだろ?
「どうかしましたか?」
『領主の館の近くにいるんだが、ちょっと敵の数が多い。仲間に出会ったら、まだ領主の館には近づくなと伝えてくれ』
「了解しました。ある程度兵隊を潰し終えたら、仲間を集めてそっちへ向かいます」
『わかった。急ぐ必要は無いからな』
なるほど、領主ん所の警備は厳重か。最後は派手な戦いになりそうだ。




