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43 反撃の狼煙

 あれから一ヶ月ほど経った。


 全員の服の付与も終わり、ガチャ産の服も粗方強化し終わった。

 本当は、ミスフィートさんが持っている毘沙門天も最大強化したいのだが、最強となると完成まで一ヶ月コースなので今はとても無理だ。

 やるのは尾張を統一して、この国が平和になってからだな。



 訓練場に来てみたが、みんなは普段通り刀の訓練中だ。

 けどみんな本当に頑張った。誰もが刀をちゃんと使いこなしている。


 お?ミスフィートさんがこっちに気付いたぞ。


「みんな良い動きですね。十分に刀を扱えている」

「うむ!そろそろ軍が動く時が来た。手始めにこの街を開放するぞ」

「確かに頃合いかもしれません。この街にジャバルグはいるのですか?」

「いや、いない。この街を統治してるのはゴンズという男だ。統治とは名ばかりで、弱き者を奴隷のように働かせているだけだがな」

「ならば、当面の目標はゴンズの撃破ですね」

「ジャバルグの兵隊を、一人残らず殺して行くだけの簡単な仕事だ」

「奴らの中に、生かしておく必要のある人はいますか?」

「いや、皆殺しでいい。もし街の人を人質に取られても、人質は無視して奴らを完全に駆逐する!」


 なにっ!?それほどまでの覚悟なのか。


「・・・いいんですか?」

「こちらは絶対に弱みを見せてはいけないんだ。人質に狼狽えてるようじゃ我らは敗北するだろう。街の人達を救うのは、この街を開放してからだ!」

「わかりました。奴らを滅ぼすことだけを優先して戦いましょう」

「もう絶対に奴らの好きにはさせない!」


 とうとう反乱軍が動く時が来たか。

 戦の準備だけはしっかりしておかないとな。






 ************************************************************






 よし、完成だ。


 小さな水筒を全員分作った。

 戦闘の邪魔にならない大きさで、これには聖水を入れておく。

 少しでも生存率を上げる為に必要と判断した。


 早速全ての水筒に聖水を入れていく。

 云わばポーションみたいなもんだな。


 そうそう。たまに見慣れない人がいたりもするんだけど、実はココ以外にもアジトは数ヶ所あって、軍の人数は全部で50人ほどいるらしい。

 全盛期は300人ほどいたらしいので、かなり追い詰められた状況と言える。


 来た当初よりも人数が増えてしまったので、刀も量産した。

 このアジトのメンバーには脇差しも持たせて、今は全員が二本差しだ。

 脇差しは刀の予備としての使い方だけじゃなく、室内の戦闘で役立つ。

 メンバーにはそのことをしっかりと伝えて、脇差しによる特訓もさせている。


 実は切腹にも使う。なんてのはさすがに説明していないけど。




 ―――ここに来てから2ヶ月ほど経ち、ようやく街を開放する為に動く時が来た。




「小烏丸の参加により、我々の武力は格段に上がった。今こそジャバルグを倒す時が来たのだ!」


「「オーーーーーー!!」」


「まずは手始めに、このルーサイアの街を奴らの魔の手から解放する!第一目標はゴンズの撃破だ。だがゴンズだけを倒した所で、別の統治者に代わるだけだから意味が無い。なので、ジャバルグ軍の兵隊は全て皆殺しにする!見つけ次第、片っ端から的にかけろ!」


 その通りだ。あんな腐れ外道共なんか、一人たりとも生かしておく必要は無い。害悪にしかならんからな。


「今回の作戦では、1班5人編成で動く事とする。1対1で戦う必要など無いからな!敵1人に5人全員で襲い掛かれ!それを殲滅するまで繰り返すんだ」


 奴らは徒党を組んで動いてるから、こっちも班ごとに動いた方がいいだろう。

 その為に集団戦術の訓練もしている。


「私と小烏丸はそれぞれ単独で動く。目立った戦功を挙げた者には恩賞を与えるから、思う存分暴れるがいい!」


「「オーーーーーー!!!」」


 素晴らしい演説だ。軍の士気はMAXと言えよう。

 流石は大名になろうって御人だ。この人について行けば間違い無い!という確信が持てる。俺も皆に負けぬよう頑張らねーとな。



「ではルーサイア解放作戦の始まりだ!出陣!!」



 こうして反撃の狼煙は上げられた。




「ミスフィートさん」

「ん?」

「これを持っていて下さい」


 彼女に通信機の1番子機を渡す。


「何だこれは?」

「通信機です。俺は訓練場に移動しますので、1分ほど経ったらこのボタンを1回押して、道具に話し掛けて下さい」

「通信機?よくわからんが、この道具に話し掛ければいいんだな?」

「お願いします」



 訓練場に移動した。



 プルルルル



『小烏丸、これでいいのか?』


 よし、ちゃんと繋がった。


「バッチリです。ちゃんと俺の声は聞こえますか?」


『おお!?この中から小烏丸の声が聞こえるぞ?』


「この通信機は、遠く離れた相手とでも会話が出来る魔道具なんだ。今日みたいに、それぞれがバラバラに動く時などは、間違いなく役に立つでしょう?」


『素晴らしいな!』


「じゃあそっちに戻ります」


『わかった』




「とまあ、こういう使い方をする魔道具なんです」

「凄いな、コレは!」

「会話が終わったら、ボタンをもう一度押せば通信が終わります。押してみて下さい」

「押したぞ」

「会話が終わったらボタンを押すってのを覚えといて下さい。ボタンを押したらそれで通信の終了ですからね。んじゃ次は俺から話し掛けますので、通信機から変な音が聞こえたら、またボタンを押して下さい」

「わかった!」


 少し離れてから1番のボタンを押す。


 プルルルル


「お?音が鳴った!んで、ボタンを押す、と」


「こういう手順となります。結構簡単でしょう?」


「使い方は覚えた!」


「んじゃ会話を終えますので、ボタンを押して終了して下さい」


「ポチッと」



「こんな感じです。通信機は普段から、服のポケットに入れて持ち歩いて下さい」

「ポケット?・・・ああ、これか!」

「通信機は落とさないように、ちゃんとボタンを留めて下さいね」

「わかった!」


「よし、じゃあ俺達もボチボチ行きますか!」

「だな!」



 こうして街の解放作戦が始まった。俺達の強さを奴らに思い知らせてやる!

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