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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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42 軍の状況を知る


「軍にいた男たちは皆死んだ。私たちを守る為に犠牲となったのだ。本当に勇敢な仲間達だった」



 やはりそういう事情だったのか。

 女達を守る為に死んでいったのだな・・・。



「そういうことでしたか・・・。軍のみんなを守って死んだんだ。きっと本望だったと思いますよ」

「何人もの犠牲者を出しながら、ただ安らかに眠ってくれと祈る事しか出来なかった。あれほど自分の無力さを痛感した事はない!」


「・・・ミスフィートさん。俺が来たからには、もう誰も死なせやしない!今日から皆を猛特訓して、最強の軍に育ててみせる!」

「うむ。期待しているぞ!あの刀を使いこなせるようになれば、もうジャバルグなんかに負ける気がしない!あの武器は間違いなく戦況を一変するだろう。後は、次に奴らとぶつかるまでに、どこまで皆の練度を上げる事が出来るかだ」

「ですね。今日は昨日の続きとして体捌きを教え、その後はミスフィートさんに抜刀術を伝授します。そして貴女がマスターしたのを見計らって、防具の強化に入るつもりです」

「防具までもか!それは非常に助かる。早く刀を使えるようにならなければな!」



 そういうワケで、今日から徹底的に戦士達を鍛えることとなった。






 ************************************************************






 あれから1週間。

 軍全体への刀の指導以外に、ミスフィートさんに集中的に抜刀術を叩き込んだ。



「ハッ!」



 うむ、見事な斬撃だ。丸太が綺麗に真っ二つになっている。



「お見事!短い期間で、よくぞココまで使えるようになりましたね」


「ふー、最近刀がすごく手に馴染むんだ。そろそろ実戦でも上手く戦えると思う」

「もう大丈夫でしょう。あとは鍛錬あるのみです」

「やはり、得物が軽いから長く戦えるのが素晴らしいな!」


 重い剣じゃ、それだけで疲労するからなあ。

 とくにこの軍は女性ばかりだから、剣での戦いは大変だったハズだ。


「そろそろ軍の指導をミスフィートさんに任せます。俺は防具、いや、服の強化に入ろうと思います。防御力さえあるならば、何も鎧である必要は無いですからね」

「なるほど・・・、確かに鎧を着ているだけでも疲れるからな」

「みんなの私服に片っ端から付与魔法をかけて行きますんで、回収を頼んでもいいですか?」

「わかった。服を回収次第、小烏丸の部屋に持って行けばいいか?」

「場所はどこでも構いませんが、確かに自分の部屋の方が集中出来るかも」

「じゃあそうしよう」



 ・・・・・



 部屋で黙々と付与魔法をかけていく。


 本当なら軍のみんなには、こんな質素な服じゃなく可愛い服を着せてあげたい。


 でもさすがに全員分の服のストックなんてないから、手持ちの服は褒美として考えている。なので今はとりあえず性能だけで我慢してもらおう。


 ただ素材が最低ランクなので、付与出来る数は三つまで。なぜ鉄の武器より一つ多いのかは謎だが、付与する魔法は斬撃耐性、衝撃耐性、魔法耐性に決定した。


 +++までやると時間がかかってしょうがないから、全て++で統一する。

 きっとそれでも鉄の鎧より防御力があるハズだ。


 時間が余ったら、褒美となるガチャ産の服を魔改造するつもり。

 ミスリルやオリハルコンもまだあるので、いずれは刀も打つことになる。


 曼珠沙華や風神雷神といった俺のお下がりは、武功をあげた人への褒美とする。

 もちろん褒美は俺が渡すのではなく、総大将のミスフィートさんからの褒美だ。

 彼女は尾張を掌握したら大名になるのだから、それからは配下に恩賞を与えるのも重要な仕事となるだろう。

 その時に俺のポジションがどうなっているかはわからんけど、彼女の片腕くらいの地位にはなっていたいモノだ。


 ふと思いついたことがあって、訓練場に向かった。




「みんな頑張ってるなー」


「お?小烏丸じゃないか。息抜きにでも来たのか?」

「いや、ココに聖水を設置しようと思いまして」

「聖水??」


 出来るだけ入口に近い位置で、邪魔にならない場所に聖水の箱を置いた。


「聖水はすごいですよ~。なんと怪我が一瞬で治るのです!」

「え?」

「さらに言うと、一口飲むだけで疲れなんかも吹き飛ぶし、たぶん病気も治る」

「な、なんだ、その万能薬は!?」


 柄杓で聖水を掬う。


「ミスフィートさん、日頃の疲れが溜まってるでしょう?これを飲んでみて下さい」


 彼女に柄杓を渡した。


「これを飲むだけで疲れが取れるのか?」

「飲めばわかりますよ」


 ミスフィートさんが訝しみながら聖水を飲んだ。



「・・・・・・な、なんだこれは!!本当に体の重さが消えたぞ!?」

「すごいでしょ?今日の訓練が終わったら、みんなにも飲ませてやって欲しい」

「いや、しかし、これは途轍もなく貴重なモノじゃないのか!?」


「もの凄く貴重ですね。でもみんなの身体を完全回復する必要性を感じました。聖水はもちろん有限だけど、ココにある分が無くなってもまだ余裕はあるから大丈夫。ただし気軽に飲むのは今日だけです。箱は訓練場に置いたままにしときますが、基本は怪我人や病気の回復に使うことにしましょう」


「なるほど、確かに私達は疲れている・・・。わかった。訓練が終わったら皆に飲ませよう。そして次からは、怪我や病気以外で使用しないように注意しておく」


「大怪我した場合は、聖水を飲んだ後に、患部にも聖水を直接ぶっかけると更に効果が上がります。本当はこの箱に飛び込めば一瞬なんですが、貴重な聖水なので派手な使い方はしない方向で行きましょう」

「当然だ!しかし聖水か・・・、こんな凄い水があるなんて想像もしなかったぞ」


「じゃあ俺は仕事に戻るんで、後のことはよろしく頼みます!」

「任せておけ!」



 聖水が減ったら後で追加しに来よう。これで軍の死傷者を激減出来るハズだ。

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