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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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299 骨剣の使い心地と刀のススメ


 ガシュッ!


 ヒューリックの袈裟斬りで、鉄の鎧が両断される。

 続けてジルも鎧を両断した。



「凄まじい斬れ味だ!!」

「本当に凄いですよこの剣!」

「性能はあの刀と同格だからな。違うのは重さくらいだ」



 普段は訓練場に鉄の鎧なんて置いてないけど、実戦でちゃんと使えるかが知りたかったので、マジックバッグから戦場で回収した鉄の鎧を出しておいたのだ。


 普段良い剣を使ってたヒューリックが言うのだから、強化ナシのオリハルコンの剣よりも感じが良いのかもしれない。



「いつも使っている剣と感覚的な違いはないか?」


「我、いや、私が愛用している剣はロングソードですが、武器屋などで売っているショートソードはこの剣とほぼ一緒ですな。私も昔ショートソードを使っていた時期がありましたが、当時使っていた剣よりもこの剣の方が断然扱いやすいですぞ!」

「私はずっとショートソードを使ってますが、この剣の方がバランス良く感じています。正直自分のと交換したいくらいです。これならば伊勢の兵達も間違いなく使いこなせますよ!」


 やっぱりそうか。俺も昔ミスフィートさんに貰った剣で戦っていたけど、骨剣を手に入れた時、その使いやすさに感動したのを思い出した。


 ダンジョンで1番の雑魚敵が持っていたことは言わないでおこう。


「さっきの部屋に剣が山積みになっていただろ?あれ全部に、その二つの剣と同じ付与魔法が込められているんだ。そんで伊勢にいる兵士達に全部貸し出すつもりなのだが、2500本くらいしか無いんで、強い者を選別して渡す感じになる」

「おおおおおっ!!この剣があれば間違いなく大活躍しますぞ!」

「2500かぁ・・・、残りの兵士も強化したいですよね」

「残りの兵達の武器も強化は考えているぞ。その剣ほどではないけど、それぞれが所持している剣に斬撃強化(中)と衝撃耐性+を付与するつもりだ」

「なんと!?それならば間違いなく強くなりますぞ!」

「しかし聖帝軍との戦に間に合わないのでは・・・」


 どうだろう?服1万着と剣7500本。締め切りは、とりあえず二ヶ月後。

 かなりキツイのは間違いないけど、イケるようなイケないような?


 ん~、まあ最悪、付与のランクを落とせば何とかなるだろ。


「本当は全兵士に刀を持たせたかったんだけどな~。残念ながら聖帝との戦いまでに慣れさせる時間が無い」

「細いだけで、さほど変わらないのでは?」

「いや、刀は通常の剣と違って、叩きつけるような使い方では本来の力を発揮出来ないんだ」


 ヒューリックに刀を渡す。


「試しに、さっきみたいに鎧を斬ってみてくれ」

「ふむ。やってみます」



 ヒューリックが何度か刀を素振りした後、鎧に刀を振り下ろした。



 ガンッ



「ぬ!?先程のようにスパッと行きませぬな?」

「剣の重さが足りないせいでは?」


「ちょっと貸してみ」



 シャッ!



「おおっ!鎧が綺麗に切断されておる!」

「当たった音も静かでしたよ!」

「刀はな、叩きつけるんじゃなくて引きながら斬るんだ。滑らせるように斬ることで、その斬れ味は凄まじい威力を発揮する」


 今度は良く見えるように、ゆっくり斬ってみせた。


「なるほど!これは確かに慣れるまでが難しそうだ」

「でも重量がある分、こっちの剣の方が強そうに思えますが」

「当たればな。両手持ちの大剣よりもショートソードの方が速く振れるってのはわかるだろ?すなわち、剣よりも刀の方が先に相手に届く。それもこの様な威力でな」

「ああ、そうか!!」


 二人とも俺の説明に納得したようだ。


「もう一つ重要なのが疲労の蓄積だ。ショートソードといってもそれなりに重いだろ?丸一日戦えば疲労で腕が棒のようになる。しかし刀はショートソードの半分以下の重量、丸一日戦っても全然元気だ」

「確かに!!しかも尾張の兵は鎧すら必要としていなかった。長期戦になればどちらが有利なのかは明白。やはり我らには最初から勝ち目など無かったのだな・・・」

「だからこそ、戦争開始早々に降参したヒューリックの決断力は実に見事だった!あの段階でそんな決断ができる大名など他にはいないだろう。ジルも良い上司を持ったな!」

「今にして思えば、あのまま最後まで戦っていた場合、私はきっと死んでましたね」


 うん。アホな大名ならば、かなりの確率で死んでると思う。

 無能な上司ほど質の悪いモノはないからなあ。


「それでな、二人とも刀の訓練をしてみるつもりはないか?伊勢にいる兵達は、城に帰ったり防衛戦の準備だったりで訓練する時間なんて無いけど、ヒューリックとジルは訓練する時間がたっぷりあるからな。ずっとこの城にいるわけじゃないけど、使い方さえ教わってしまえば自分で鍛錬も出来るだろ?」

「刀の訓練ですか・・・、確かに気にはなる。しかし間に合いますかね?この体には、長剣での戦い方が染みついておりますが」

「私は是非やってみたいです」


 ミスフィートさんなんかは、一ヶ月程でかなりの使い手になっていた。

 ヒューリックも大名だったんだから伊勢で最強のハズ。たぶん大丈夫だろう。

 それに伊勢の人間で、兵達に直接指導できる人材を育てたいんだよね。


「尾張の武将達も剣での戦い方しか知らなかったけど、刀の訓練を始めてまだそれほど経たないうちにジャバルグ兵と斬り合いが出来るようになったんだ。たぶん何とかなると思うぞ?」

「なるほど・・・、では挑戦してみますか!」



 思い立ったが吉日ってことで、二人には鎧を脱いでもらい、刀の訓練を開始した。

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