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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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296 ヒューリック、驚愕する

 レヴィンに予備の魔石を渡した後、全兵士から服を回収するように伝えた。それと通信機は常に携帯しておくようにと。


 渡した魔石の大きさを見て驚いてたぞ。ダンジョンの魔石は、1番小さいのでもこの世界じゃそうそうお目にかかれない大きさだからな。



「連れて行くお供はどこにいる?」

「ああ、少々お待ち下され。ジル!こっちへ来るのだ!」


 ヒューリックの声を聞いたジルという兵士が此方へ走って来た。


「ジルと申します!」


 あれ?なんかどこかで見た記憶がある顔だ。


「ムムム・・・、どこかで俺と会ったことがないか?」

「ああ、会ったというか、偵察をしている時に殺されかけたことならあります」


 偵察??・・・ああ!聖帝の使者をぶった斬った時か!

 そうだそうだ、確か俺のビームライフルの攻撃を避けた男だ。


「思い出したぞ!俺の攻撃を避けた手練れのことを!なるほど・・・、あの時の偵察兵だったのか。当時は敵同士だったからな、許せ!」

「もう気にしておりませぬ」

「しかしあの攻撃を避けたのは本当に凄いことだぞ?そのような手練れが味方になったのは頼もしい限りだ!これからはミスフィート軍の一員として宜しく頼む!」

「有難き幸せ!」


 運命とは本当にわからないもんだ。昨日の敵は今日の友ってか。


「ではこれより尾張の首都ルーサイアに帰還するので、俺に帯同してくれ」

「「ハッ!」」



 帰る準備が整ったので、皆と合流して駅に向かった。






 ************************************************************




 ―――――ヒューリック視点―――――




 ジルと共に小烏丸殿に帯同し、尾張の首都へ向かうことになった。


 しかし皆、荷物が少ないように思えるのだが・・・。


 長距離を何日も歩くならば、1万人分の食料や野営道具が必要だ。しかし誰もそのような荷物を運んでいるようには見えない。


 首都はすぐ近くなのだろうか?それならば援軍がすぐに来たのも納得だ。



 そして20分ほど歩いた所で、兵士が騒がしくなって来た。

 なんだろう?と前方を伺っていると、よく分からない建物らしき物が見えてきた。


 ん?


「なんだ?この鉄の建造物は」

「はて??家にしては小さいような気がします。でも横に長いですね」


 ジルとそんな会話をしていると、その建造物に兵士がどんどん入って行くのが見えた。

 正直まったく意味が分からない。


「ヒューリックとジルを特等席に連れて行ってやろう」

「特等席、ですか??」


 小烏丸殿に連れて行かれた場所は建物の端っこで、椅子にドワーフが二人座っていた。


「伊勢からのお客さんが二人いるから、今日はココに座るんでヨロシク!」

「ほう!伊勢からの来客か。ならば安全運転しなきゃじゃの」

「逆に、飛ばすのも面白いんじゃないか?」

「いやいや、普通でいいぞ!兵士がギッシリ詰まってるんだから、くれぐれも無茶はしないでくれ!」

「ワハハハハッ!わかっておるよ。安全運転じゃ」



 小烏丸殿とドワーフの二人が、よくわからない会話をしているな。


 数分後、ドワーフが何か紐を引っ張った。



 ポッポーーーーー!



「なんだ!?」

「大きな音がしました!」



 ガタンゴトン ガタンゴトン



「なッ!?この建物、動いてないか!?」

「ヒューリック様!アレ!!前を見て下さい!」


 前を見てみると、景色が動いてるのがわかった。


「これは乗り物だったのか!!」

「ば、馬車よりも速いような気が・・・」


 そしてどんどん速度が上がって行くのがわかった。


 ・・・ん?


「おかしい。なぜ風が当たらないのだ?もうすでに馬車の速度を超えているように思えるのだが・・・」

「そういえば全然風が来ませんね」


 その疑問に小烏丸殿が答えてくれた。


「実は機関車の前面には透明な壁があるんだよ。ガラスといって、尾張の名産品だ。風や虫が飛び込んで来ないのに景色が見られるという、とても画期的な代物なんだ。そしてこの機関車は今、馬車の5倍以上の速度で走っている」


「透明な壁だと!?し、しかも馬車の5倍以上の速度・・・」

「キカンシャ?という名の乗り物なのですか。凄まじいですね・・・」

「前に行って、透明な壁が本当にあるのか確かめてみていいぞ。ああ、揺れるから足元に気を付けてな」


 ジルと二人で恐る恐る前へ歩いて行く。

 そしてドワーフの横に立ち、前方へ手を伸ばしてみると、手が何かにぶつかった。


「お、おぉ・・・!!本当に透明な壁がある!!」

「透明な壁・・・」


 まさかこの様な物が存在するとは・・・。

 一体尾張の国はどうなっているのだ!?まるで別の世界に来たかのようだ。


 自分の椅子に戻って唖然としながら景色を眺めていると、後ろから誰かが来る気配がした。


「毎度ご乗車ありがとう御座います!お飲み物、お菓子などは如何ですか?」


 なんだ!?

 見るとドワーフの女子(おなご)が何かを運んでいた。


「ハハッ!毎度というか、緊急用の軍用機関車だけどな!えーと、オレンジジュースとポテチを三人前頼む」

「オレンジジュースとポテチを三人前ですね?少々お待ち下さい!」


 椅子の前にあった小さな机に、飲み物とお菓子?が置かれた。


「ご利用ありがとう御座いました~!」


 そう言って、ドワーフの女子(おなご)がいなくなった。


「一般人が乗る機関車の場合は、商品を受け取る時にお金を払うんだけど、これは軍用機関車なんで無料だ!美味いから食ってみ?」


「え~と、この黄色っぽいペラペラした物ですか?」

「それは芋を薄く切って油で揚げたモノだ。マジで美味いぞ?」

「なるほど・・・」


 言われた通り、ペラペラした物を口に入れてみる。


 パリッ


 ほ~~!!なんとも不思議な食感だ!

 塩の味がする。


 パリッ


 パリッ


 パリッ


 食感が面白くて食うのが止まらない。


「これは美味い!!」

「止まらなくなりますね!!」

「ハハッ!だろう?」



 そして喉が渇いたので飲み物を飲んでみたのだが、これもまた美味かった!

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