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275 誘惑

 みんな新しい武器の練習がしたいってことなので、ボロクソになった鎧の残骸だけ回収して、残りは一ヶ所に集めとくように言っといた。


 そして着替えを渡すために、カーラだけを連れて俺の部屋に戻って来た。




「カーラはどんな服を着てみたい?」


「そうね~、折角だし可愛い服がいいかな?」



 今着ている忍装束は、どちらかというとセクシー系だもんな。

 ただ女の子全員に恩賞で服を渡した後なので、選択肢は前ほど多くない。それでも女性服収集家の俺のマジックバッグには、まだ20着ほど服が入っているけどな!


 白いワンピース・アイドル衣装(白+青)・村娘っぽい着物の3点を取り出す。



「可愛いのはこんな感じかな。この中から好きなのを選んでくれ」


「へーーーー!可愛いってのにも色々あるんだね!!」



 マジックバッグにゴスロリもあったけど、軍にはゴスロリを来てる女の子が結構多いから今回はあえて出さなかった。

 カーラもたぶん他の娘とかぶらないのを選ぶと思うんだ。



「着物とかも面白そうだけど、着るのが面倒臭そうなのよね」

「まあな。確かにマリアナなんかは毎朝苦労してるかもしれん」

「このアイドル衣装ってのにしようかな?同じ名前の服を誰かが着てた気もするけど、この色じゃなかったよね?」

「フィオリーナとキャンディーがアイドル系衣装だな。フィオリーナのはピンク色でキャンディーのは緑色だから色はかぶってないと思う」



 カーラがアイドル衣装を手に取った。そしてその場で服を脱ぎ出した。



「うおーーーい!ここで着るんかい!!」


「だって、この城にアタシの部屋なんて無いじゃない?」

「まあ確かにな~。いやいや、空き部屋ならいっぱいあるぞ」



 と言ってるのに、カーラは構わず忍装束を脱いだ。

 どうして尾張っ娘は、こうも無防備というか明け透けというか・・・。



「この服ってどうやって着るの?わかんないから小烏丸が着せて!」



 そう言うと、カーラは下着も全部脱いでしまった。



「いやいやいやいや!下着を脱ぐ必要ないやん!!」

「え~~っ!?じゃあ小烏丸が着せて!!」



 カーラがニヤニヤしている。こ奴、わざと下着も脱いだな!?

 そりゃまあ、眼福ではあるけど?



「しゃーねえな~!」

「にひひひっ!」



 脱ぎたてで、まだ体温の残る下着をつけていく。


 そして下着をつけ終わり、アイドル衣装に手を伸ばすと待ったがかかった。



「服は早いよ!まだ胸を寄せて上げてないじゃない!」

「エ~~~!?さすがにもうそれくらい自分で出来るだろ?」

「小烏丸がやって!!」

「ぐぬぬぬ・・・」



 今日のカーラはどうも甘えん坊モードだなあ。

 まあ本人の要望だし、どうしてもと言うならやるけどさ。


 寄せて上げるには胸を直接触る必要がある。



「あんっ」

「おいこら、変な声出すな!」

「だって~~~、触り方がイヤらしいんだもの」

「いや、普通だろ!?やれと言われたからやってるのに」



 それからカーラの色っぽい声に苦しめられながらも、なんとか服を着せることが出来た。正直めっちゃ疲れたぞ!




「おお~~~っ!すごく可愛いじゃない!」

「だろ?」

「でもスカートが短くてスースーするなあ・・・。ほら」


 カーラがスカートをめくって、パンツを見せびらかして来た。


「えーい、やめい!」


「・・・ねえ、小烏丸」

「ん?」

「どうしてこんなに誘惑してるのに襲い掛かって来ないのよ?」


「・・・・・・え?」


「アタシって魅力無いかなあ?」

「そんなことはないぞ。俺だって色々我慢してるんだ」

「我慢なんてしなくていいのにさ」

「そうはいかん。ミスフィートさんを悲しませるような真似は出来ん」



 俺だって本当は、女の子とイチャイチャしたいんだよ!

 でも本能に従って行動なんかしてたら、ミスフィートさんだけじゃなく周囲の皆に示しがつかんしな。



「隊長の問題だったの!?え?隊長とお付き合いしてるとか??」

「いや、別に付き合ってるとかそういうんじゃないんだけどさ。あぁ、この際だから理由を説明しておこう」



 俺の心の内を曝け出すのは恥ずかしいが、理由を説明せにゃ納得しないだろうしなあ・・・。



「えーとな、俺は昔ミスフィートさんに命を救われたことがあるんだ。それで強くなったら軍に入れてもらう約束をして旅に出た。その時俺は誓ったんだ。軍に入ってミスフィートさんを絶対に大名にしてみせると!そして俺は強くなって戻って来て約束を果たしたわけだが、彼女との距離が縮まって来るとさ、尚更絶対に悲しませることはできないと思うようになってな・・・」


「・・・・・・えーと、すなわち、隊長のことが好きなの?」


「まあ、好きっちゃ好きなんだろうけども、どちらかというと憧れなんだろな。その憧れた人を悲しませる真似なんか絶対にできないだろ」



(なるほど。これはやっかいね・・・。アタシに振り向いてもらうには、まず小烏丸と隊長をくっ付ける必要があるのかもしれない。っていうか隊長って絶対小烏丸のことが好きだと思うんだ。ということは、狙うは側室か・・・。他の男になんか興味無いんだもの。しょうがないよね?)



 二人の思惑が交差する。この先どうなるのかは神のみぞ知る。

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