274 それぞれの選択
どうやら欲しい物が決まったようで、カーラと目が合った。
「ねえ小烏丸!アタシ槍にしようと思うんだけどさ、これに破壊強化(強)を付けて欲しいんだ!」
ほお~、カーラは槍か。忍装束には短剣なんかが似合うと思ったのだが、こっちの世界の人は忍者なんて知らんしな。
「やっぱり槍にも破壊強化があった方が良いのかな?」
「アタシらには刀があるからね。欲しいのはただの武器じゃなくて、破壊が出来る武器だ!」
やっぱりそうだよな~。槍をメイン武器にするならば、破壊強化はついてない方が、相手の装備を綺麗なまま手に入れることが出来るから良いと思ったんだけど、尾張は刀の国なんだよね。
「俺も付与する時に槍で悩んでさ、実は破壊強化付きの槍も用意してあるぞ」
カーラに破壊強化(強)付きの槍を渡した。
「なんだそっちもあったんだ!?ちょっと試してみる!」
槍を受け取ったカーラが、鎧の方へ歩いて行く。
ドンッッ!
「うひゃーーーーー!破壊強化が付いてるだけで、こんな惨事になるのか!」
「破壊強化の有無を同じ武器で試すのは参考になりますね」
「やっぱ全てのゴブリン槍に破壊強化付けた方が良い?」
「破壊出来ない槍なんて誰も欲しがらないんじゃないの?」
「私もそう思います」
「オッケイ。じゃあゴブリン槍は破壊強化付きで決定だな」
俺の考えよりも、みんなの意見の方が正しい場合があるからな。
ここはカーラとカトレアの意見に従うべきだろう。
「ふむ・・・。私は弓にします」
「ここで弓を選択するとは、合理的なカトレアっぽいな」
「戦闘は刀がありますし、ここは強力な弓を手にするのが一番だと判断しました」
「ワタクシと一緒ですわね!」
「お嬢も同じ組み合わせだったな。俺もその組み合わせが最適だと思うぞ。城攻めをする時なんかには、破壊武器を持ってる人達に任せればいいからな」
破壊したい物が城や防壁だけとは限らんので、破壊武器もそれはそれで大いに使い道があるとは思うけどね。でも強烈な遠距離攻撃を持ってるってのは、間違いなく強みになる。
後はリタとリナだな。
なんとなくあの二人は、短剣とか爪とかが似合いそうな気がする。
「小烏丸、私はこれに決めた」
リタが俺の所に持って来たのは、予想外なことに棍棒だった。
「へーーーー!!そいつはマジで予想外だ!でもなんで棍棒に?」
「大剣も斧も槍も試したけど、棍棒が一番力が入るから」
「なるほど!確かにただ殴るだけならば、棍棒を振り下ろすのが簡単だもんな。武器の向きとかも関係ねえし」
「んむ」
暴走族がバットを愛用しているのは、そういう理由もあるのか・・・。
さて、残るはリナだけ。
その当人は大鎌を振り回している。
ほう、アレを選ぶのかな?無茶苦茶使いにくいハズだけど。
「小烏丸、この大鎌」
「それにするんか?」
「すごく使いにくい。駄目、却下」
ズコッ
「やっぱり弓にする」
「そ、そうか・・・」
「リタが破壊武器選んだから破壊はもう十分」
リタとリナは基本的に二人セットだからな。
破壊攻撃と遠距離攻撃を手に入れた方が、間違いなくバランスがいい。
カーラ :クリムゾンゴブリンの槍
カトレア:ルナティックゴブリンの弓
リタ :ブラックゴブリンの棍棒
リナ :ルナティックゴブリンの弓
チェリン:インフェルノゴブリンの大剣
お嬢 :ルナティックゴブリンの弓
1番人気はやはり弓だったな。
でもみんな良い選択をしたんじゃないだろうか。
まずは足軽大将以上の全員に、強化したヴォイド弓を渡した。
そして、まだ武器を手にしてない侍大将以上の四人に、それぞれが選択したゴブリン武器を渡す。
みんなニマニマと手にした武器を眺めている。
「カーラ」
「ん?なあに?」
「部将のカーラには、更にミスリルの脇差と服の強化が与えられるぞ」
「そうそう!!それもすごく楽しみにしてたのよ!」
「本来はミスフィートさんからの授与になるんだけど、急に決まったことなので俺からですまんな。更なる活躍を期待する!」
カーラにミスリルの脇差を渡した。
「ありがたき幸せ!ひゃっふーーー!!」
予備の武器が鉄の脇差って状態よりも、絶対こっちの方が安心できるハズだ。
ちなみに渡したのは『4代目にっこり今江』ではない。
不本意ながら、あの名前だとあまり喜ばれないような気がしたから。
[大雷]
:織田小烏丸作の脇差し。様々な付与魔法が込められている。評価S
:総ミスリル製。
:斬撃強化(強)斬撃速度強化(強)刺突強化(強)
:自動修復(中)衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++
「おお、かみなり?」
「読み名は『オオイカヅチ』だ。偉い神様から生まれた8柱の雷神から名を頂いた。とりあえずミスリルの脇差は8つまで雷神シリーズで行くぞ」
「へーーー!!」
「・・・でだ。服の強化なんだけど、早くても半月以上かかるんで、その服を預かっていいか?代わりの服を貸し出すんで」
「ほうほうほうほう!!代わりの服ってのがすごく気になるわね!」
「今渡してもここで着替えるわけにはイカンし、城に戻ってから服を渡すよ」
「了解!」
実はまだどの服を貸し出すか考えてないんよね。
城に到着する前に決めとかなきゃな~。




