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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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263 クロネコ城

 数日後、ミルドナーガにも城が完成したとの報告が来た。


 通信をくれたリナからすぐ来て欲しいと催促されたので、早速バイクでミルドナーガへと向かった。




「ほほお・・・、エルフ達の仕事っぷりは見事だな!」



 まあ外観はシロネコ城とまったく一緒なんだけどさ。

 とにかくこれで美濃への備えも出来たってわけだ。


 中に入ると、リタ、リナが引っ越しをしている最中だった。



「よう、久しぶりだな!これから城内に魔道具を設置してくからな」


「おおーーー、小烏丸が来た!」

「すごく待ってた!」

「城の名前はクロネコ城だ。シェルフィーユの方はシロネコ城」


「やっぱりネコ」


「これで4種のネコが揃った。きっと何か凄いことが起きる」

「いや、起きねえよ!まあとにかく照明やらお風呂セットやら、設置が大変なんでとっとと始めるわ。二人はそのまま引っ越し作業を続けてくれ」

「頑張って!」

「終わったらおもてなしする」



 この二人のおもてなしか。何か豪華な料理でも出て来たり?

 ・・・まあそれは後のお楽しみだ。さあ始めっか!






 ************************************************************






 夕方になってようやく作業が完了した。



 それから2時間程くつろいでから夕食をとった。

 だけどなんか普通で、おもてなしみたいのは何も無かったぞ?



「小烏丸」

「ついて来て」


「ん?」



 よく分からんが、二人に呼ばれたのでついて行く。




「お?この部屋は私物がいっぱいだな。どちらかの部屋か?」


「んむ。わたしの部屋」



 リタが毛皮の上に正座した。そして太ももをポンポンと叩く。



「ここに寝て」


「なにィ!!膝枕だと!?」

「耳掃除してあげる」

「おおっ!おもてなしとは耳掃除のことだったのか!!」



 毛皮に寝転がってリタの太ももに頭を乗せた。


 想像以上に柔らかくてとても気持ちが良い。女の子の膝枕だから当然か。

 いや、男の膝枕でも普通に柔らかいのかもしれんが、それは断固拒否する!



「じゃあそのまま右を向いて」



 言われた通りに体を右に倒す。


 リナがリタに耳かきを渡して耳掃除が始まった。



 こちょこちょこちょ



「おふっ!」

「こら、動いちゃ駄目」

「他人に耳掃除なんてしてもらうのは、子供の時以来だ」



 こちょこちょこちょ



 くおおお・・・、すごく気持ちいいが、こそばゆいぞ。

 だがこれは間違いなく天国!

 動いたら危ないから、こそばゆいのに耐えなければ。



 こちょこちょこちょ



「ふおおおおお~、気持ち良くて眠くなって来たぞ」

「そのまま眠っても構わない」

「いや~、せっかくだから眠るのは我慢する。風呂もまだだしな」



 こちょこちょこちょ



 予想以上に時間をかけての耳掃除だなぁ。



 くりっくりっくりっ



 そして最後は、耳かきの後ろに付いている綿毛で〆だ。



「はい、左耳はしゅうりょ~」


「反対側はわたしがやる」

「なにっ!?片耳ずつ交代なのか!」



 リタとリナがチェンジして、今度はリナの太ももになった。

 左向きに体を倒す。



 こちょこちょこちょ



「ふおっ!」

「動いちゃダメ」



 また怒られてしまったぞ。

 力具合とか耳かき捌きの柔らかさが、双子でも微妙に違うのだ。



 こちょこちょこちょ



 あ~、気持ちいい。一瞬でも気を抜いたらマジで寝てしまいそうだ。



 こちょこちょこちょ



 あーそっか!時間をかけてやってくれてるのは、これがおもてなしだからだな。

 ・・・普段からこんな感じなのかもしれんけど。



 こちょこちょこちょ



「なんか二人とも耳かき上手くないか?普段から二人で互いの耳かきしてたり?」

「いつもリタの耳かきしてる」

「やっぱりか。そういう相棒がいるのは良いな~!」



 くりっくりっくりっ



 そして〆の綿毛で耳かきは終了した。



「ふい~~~~!すごく気持ち良かったぞ!おもてなし感謝!」


「ん。でもまだ終わってない」

「お風呂と、その後のマッサージがある」

「マジか!!」



 クロネコ城に急いで来て大正解じゃねえか!

 チェリンも色々と良くしてくれたけど、やっぱり城が建ったことが嬉しかったんだろうな。



 それから大浴場で背中を流してもらい、マッサージもしてもらった。



 リタとリナの二人は興味あること以外無関心なとこがあるんで、こう優しくしてもらうと見方が変わってしまうな。






 ************************************************************






 もう1日くらい泊っても問題は無さそうだけど、結局次の日に帰ることにした。

 やはり万が一に備えなきゃならないんで。



「至れり尽くせりでとても楽しかった!じゃあ俺はそろそろ行くけど、美濃への警戒は怠るなよ?伊勢の方で小競り合いにでもなったら、その隙を狙って来る可能性は十分あるからな」


「大丈夫。壁が出来てから、詰め所に100人ほど常時配置してある」

「そっちも気をつけて」

「シェルフィーユの方は任せておけ。援軍が欲しい場合は連絡するから、そのつもりで備えていてくれ」



 そしてバイクに跨り、シェルフィーユへ向けて走り出した。

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