249 すごく面白いのが出た
[女将校の軍服]
:謎の化学繊維で作られた服。様々な付与魔法が込められている。評価S
:斬撃耐性+ 衝撃耐性+ 魔法耐性+ 炎耐性+ 熱耐性+ 冷気耐性+
汚れ耐性+
:自動修復(大)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能
「おおおお!カッケエ!!」
「素晴らしい服じゃないか!凛々しいながらも女らしさが出ているな」
「・・・・・・・・・」
和泉は目をまん丸くしてジッと服を見つめている。
軍服の色はグレーだ。キリッとしたデザインながらも、スカートは短くラッパのように広がっていて可愛らしさをアピール。同じくグレーのブーツと、黒に近い濃いグレーのマント、そして黒いネクタイがセットになってる。
正直な感想を言うと、とにかく滅茶苦茶格好良い!!間違いなく大当たりだ。
「か・・・、格好良いっ!!しかも可愛い!!やったーーーーーーーーー!!!」
「良かったな!一回目でそれほどの服を当てるとはやるではないか!」
「俺から見ても、その服のセンスは控えめに言って神だな!」
「今すぐ着てみたい!けど、小烏丸に服を強化してもらうまで我慢!」
「うむ。その方が良いだろう」
「尾張に戻ったら真っ先に強化してやるよ。本当に良かったな!」
和泉の目が少し潤んでいる。
しかし、神様はこんなのどこで見つけて来るんだ?既存の品をコピーした感じだとは思うけど、こういうのを見つけるだけでも結構な手間だと思うんだよね。何にしても神様のセンスの良さにも感謝だな。
その後交代しながらガチャを回したが、当たりが無かったので結果だけ。
ミ=ミスフィート コ=小烏丸 イ=和泉
ミ ガチャコン 青 枕
コ ガチャコン 青 女性用サンダル(黒)
イ ガチャコン 青 バスタオル
ミ ガチャコン 青 傘
コ ガチャコン 青 女性用ベルト(黒)
イ ガチャコン 青 水色の大きなゴミ箱
「イズミの大当たり以降、青しか出とらんではないか!」
「流れが悪いですねえ・・・。俺なんか3回しかチャンス無いのに女物しか出ないし!」
「本当に女性用しか引けない体質なのね・・・」
このままじゃマズイぞ!?和泉はともかく俺とミスフィートさんは瀕死だ。
一つくらい良い物が出ないと、夜勤もあるのに力が出ねえ。
ガチャコン!キュピン!
「よしッ!銀のカプセルだ!!」
「おおお、やっと来たか!」
「スランプ脱出ね!」
カードに書かれている文字は【わたあめ機】
「な・・・、んだと!?あっ、ヤバイかも!!」
「なにッ!?」
ミスフィートさんが手を上げた瞬間、大きなわたあめ機に変化した。
「間一髪か!しかし、こんなのまで出るんかい!!」
「わたあめ機って、あのわたあめ機??」
「この大きな物は一体何なのだ?」
デパートに設置されていたり、お祭りとかの屋台で使われているような大きさの、あの本格的なわたあめ機だ。関西でいうと『わた菓子』だな。
わたあめを作る機械の周辺は、側面から後ろ側まで透明なプラスチックで覆われており、ザラメが飛び散らないようになっている。そしてどういう意味があるのかはわからんけど天井付きだ。
「ねえねえ、わたあめってザラメが無ければ作れないよね?」
「普通に考えたら1番重大な問題となる所だな。ところがどっこい!ザラメ持ってるんだよね俺」
「なんでそんな物まで持ってるの!?」
「いや~、実はたまにノーマルガチャから出るんだよ。普通の白い砂糖しか使わんから出番が無かっただけだ」
「そのザラメというのは、砂糖のような甘い物なのか?」
マジックバッグからザラメの袋を取り出して、ミスフィートさんの手の平に3粒乗せた。
「ふむふむ。甘い!」
「折角だから、わたあめを作ってみようぜ?」
割り箸が無いことに気付き、マジックバッグから木材を取り出して、6本ほどちゃっちゃと作った。
わたあめ機に魔石をセットし、機械の中央の穴にザラメを入れてスタートボタンを押すと、機械がギューンと回転し始める。
「おっ!モヤモヤが出て来たぞ!」
「懐かしいわね~」
「なんか全然意味がわからんが、不思議な魔道具だな」
割り箸を持つ手をクルクル回しながら、とりあえず一人分が完成。
ミスフィートさんにそれを渡す。
「食べてみて下さいな。美味しいですよ?」
「ムムム!?このフワフワって食べ物だったのか!」
「なかなか上手に出来たじゃない!」
ミスフィートさんが、わたあめを口に入れる。
「おおおおおっ!!なんか甘くて美味しいぞ!?」
「ハハッ!面白いでしょう?元々ただの砂糖なんですけどね」
「次は私も作ってみる!!」
和泉と交代した。
「あははははっ!子供の頃デパートで作って以来だよ!!」
「久々だと妙におもろいよな!」
そして、完成したわたあめに和泉がかぶりつく。
「おいし~~~~!」
「じゃあ俺も自分の作ろっと」
自分で作ったわたあめを食ってみると、ただ甘いだけなのだが確かに美味い。
「次は私も作ってみるぞ!」
「ミスフィートさんが出したわたあめ機ですからね。好きなだけ作って下さい」
ミスフィートさんは二つ作って、二刀流で食べ始めた。
「美味かったが、三つも食べると甘すぎて気持ち悪くなるな・・・」
「ハハハッ!そうなんですよね、ほどほどが一番です」
「私も二つ目に手を出したのは失敗だったかも。一つで十分ね!」
そんなこんなで、わたあめパーティーは無事終了した。




