表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

247/898

247 ミスフィートvs最強ゴブリン

 1階の部屋に戻ると、和泉が木彫りのクマと見つめ合っていた。



「ただいまー!朝から鑑定の修行とは感心だな」

「あ~、それって鑑定をしていたのか」


「二人ともおかえり~!まだ鑑定しても[木彫りのクマ]って出るだけなのよね。この後ちゃんと説明も出るようになるんでしょ?」

「説明まで出るぞ。なぜか知らんけど評価Aとかも出る」

「誰が評価してるのよ?」

「知らん!たぶん神様じゃねえか?」



 というかそれしかねえよな。基準はわからんけど。



「そうそうイズミ!一晩中死神と睨み合って来たが、アレは非常に危険だぞ!小烏丸が言っていたように、レベルの低い者がアイツを見たらたぶん死ぬ」

「ひえ~~~~~!!死神って、私が知ってるあの死神なのかな?」

「和泉が想像してる通り、まさにその死神だ。黒いローブを着ていて大鎌を持った骸骨。アレと見つめ合ってるだけで、即死耐性・恐怖耐性・混乱耐性・呪い耐性が上がるんで、そういう呪いを常時掛けて来るフロアボスなのだろう」

「即死ですって!?危険なんて生易しい存在じゃ無いじゃないの!」

「そうだな。危険どころか、絶対に出会ってはいけない悪霊のようなモノだ」



 10階まで自力で到達出来る者にしかアレは耐えられまいて。



「今日はどうする?1階から魔物を倒していくか、また4階で無双するか」

「4階にする!レベル40になって、私も自分でガチャを回したい!!」

「おおっ!そういえばレベル制限があるから、小烏丸に代理してもらっていたのだったな!」

「なるほど、確かに1階からやるより4階無双の方がレベル上げには良さそうだ。ただ弱いのばっか倒してても強くはなれんけど、それはいいのか?」

「レベルが上がったら、お城の訓練場でみんなに鍛えてもらうの。今までは弱すぎたから誰も相手してくれなくてさ~!基礎的な数値が上がれば訓練に耐えられそうでしょ?」

「その通りだなっ!魔物相手の戦闘なら尾張のダンジョンでも可能だ」



 なるほどね・・・、おそらく和泉の考えが正解だ。

 たぶん強くなるよりも、尾張でレベルを上げる方が難しい。



「じゃあ昨日みたいに、俺はミスフィートさんと一緒にゴブリンの所へ行くんで、その間はひたすらレベル上げを頑張っていてくれ。もったいない精神は捨てた方がいいぞ。食材集めは俺達が戻ってからでも遅くはないだろうさ」

「オッケー!今日は本当に魔石だけを集めるだけにする」

「あっ!そういえば女神の泉で清めた狼を回収せねば!」

「じゃあ朝食をとったらまず狼を回収して、そのあと出発ですね」



 その前に、女神の泉で聖水をたっぷり飲んでドーピングし、魚介類で腹を満たしてから狼を回収。意気揚々と4階に向かった。




 ・・・・・




「聖水で体力は回復したが、精神力までは回復しないのが少し辛いな。小烏丸は昨日も寝てないのだろう?大丈夫か?」


「なかなかキツいですけど、もう1日くらいならなんとか・・・」

「3日間って期限付きだったのは逆に良かったのかな?お城も心配だし」

「それを考えると丁度良い日数と言えなくもない。私としては、恐怖耐性を限界まで上げたかった気持ちもあるが」

「耐性のレベル7までは行けるでしょうけど、9から10にするのに一ヶ月以上かかると思いますよ?人魚も7まではサクッと上がるのですが、その先は時間ばかりを浪費しますから。俺の場合、人魚の近くで刀に付与して時間潰しをしてました」

「そんなにかかるのか!有効な時間潰しの手段が無いと地獄だな」



 1日くらいなら我慢できるけど、一ヶ月もその場でじっとしてるのってマジで辛すぎるんだよね。しかし清光さんと虎徹さんは、たぶんそれを成し遂げた。じゃないと死神なんて倒せないからな。

 アレを倒さないと外に出られない境遇だからこそ、それが可能だったのだろう。たぶん彼らにあった感情は執念だけだ。


 本当に心の底から尊敬するよ・・・。



「じゃあ俺らはゴブリン行って来るんで頑張れよ~」

「そっちこそ気を付けてね!」

「どれほど強烈なゴブリンがいるのかワクワクするぞ!」



 ここで俺達は二手に分かれた。

 残るは大鎌ゴブリンと最強無手ゴブリンの2体のみだ!






 ************************************************************






「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ、ギ、がふっ!」


「お見事でした。どうでしたか?最強ゴブリンは」



 コップに聖水を注いで、ミスフィートさんに渡した。


 受け取ったミスフィートさんが、それを一気に飲み干す。



「ふーーーーっ!聖水ありがとうな。いや~、凄まじい体術の使い手だった!!肋骨を2本ほど折られたな・・・。小烏丸が前回死にかけたと言っていたが、本当に紙一重の闘いだったぞ!!」

「ハハッ!無手でこれほどの手練れって、そうそうお目にかかれない貴重な相手だと思いますよ。地上で体術の達人が存在しても、今ならば冷静に対処することが出来るでしょうね」

「誠に貴重な体験だな!9階の大鎌ゴブリンにしても、あんな武器の使い手と戦える機会はそうそう無いと思う。いや、それを言ったら全てのゴブリンとの戦いが貴重な体験か!」

「このダンジョンを制覇するということは、どんな相手にも負けない力を手にするようなモノかもしれませんね。十中八九、そういう風に作られています」



 とはいえ、俺もミスフィートさんもフロアボスを全て撃破したわけではないので、制覇したとはとても言えない。だがそれがもうすぐ可能な所までは来てると思う。



「よーし!こっちの用事は終わった!!イズミの所へ行こうか」

「ですね~。和泉もそろそろ目標のレベルに到達してるかな?」



 精神は草臥(くたび)れているが、体力的にはまだ大丈夫だ。狩りの手伝い頑張ろう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ