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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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235/899

235 4階で和泉無双

 ご馳走を見つけた和泉が喜び勇んで駆けて行く。



 スタタタタタッ



「ウニ捕まえたよ!!」



 あ、そういやまだあのことを言ってなかったな・・・。



「えーとだな、和泉に残念なお知らせがある」

「ん?」

「ウニには毒があって食えんのだ」


「な、なんですってー!?」


「俺もウニは食ってみたかったんだよ。でも虎徹さんと清光さんが、昔ウニ食って食中毒になったって話しでな。毒消しポーションを飲んで助かったらしいけど、毒耐性が2も上がってたらしい。ぶっちゃけ食中毒じゃなくて、もうそれは毒物だ」

「そんなぁ~~~!」

「ウニって美味いのか?」

「毒が無ければ極上の味わいですよ。嫌いな人もいますけど」

「毒があるんじゃ食べられないわね。残念だけどこれは放棄しましょ」



 和泉は悲しそうな顔をしながらウニを捨てた。



「さあ、どんどん行くわよ!」


「おーい、そのウニから魔石取ってねえぞー」

「あっ!忘れてた」

「まあでも毒があるんで俺が取り出すよ。基本手袋の俺に毒は効かん」



 魔石を取り出して狩りを再開した。



 4階は完全に和泉無双だ。


 初めて見る魔物でも、海産物だからまったく怖くないそうだ。

 そしてレベルもちゃんと上がってるらしい。

 骨の後に4階ってのは、効率重視では最高のルートだったようだ。




「あれ?この先って部屋になってる??」



 やっとドラゴン部屋に到着か。



「待った!そこはドラゴン部屋だ。和泉が入ったら死んでしまうぞ」


「ひゃーーーーーっ!」

「お!?私の出番だな!?」

「正直ゴブリンより全然弱いですが、かなり大きいので楽しいですよ」

「なるほど」



 半分が水に埋まってる部屋に入った。



「部屋が水浸しじゃないか!」



『ギュアアアアアアアアアアアアア!!!!』



「おおおおおおおっっ!!これがドラゴンなのか!!!」

「うわああああ!でっか!!さすがドラゴン!!!すごい迫力ね~!」

「ドラゴンはブレスを吐くから、口をガバっと開けたら逃げて下さい!」

「わかった!」



 こっちにブレスが来たら、和泉を抱えて逃げんとな・・・。



 様子見してたらブレスが来るかもしれないので、ミスフィートさんはすぐ刀を抜いて特攻した。



 ザンッ!



「なるほど。図体はデカいが、ゴブリンに比べたら全然だな」



 ドラゴンの攻撃を余裕で躱しながら、斬撃でダメージを与えて行く。


 そうこうしてるうちに、とうとうドラゴンがブレスを吐いた。



「危なっ!思った以上に範囲が広くて驚いたぞ!」



 うん。普通に回避出来たみたいだ。


 そして蓄積されたダメージで、とうとうドラゴンが力尽きた。




 パチパチパチパチ



「ミスフィートさん、お疲れ~!」

「あんな大きなドラゴン倒しちゃったよ!」


「確かに大きかったが、さっきの赤ゴブリンの方が遥かに強かったぞ」

「え?そうなの?」

「強烈なドラゴンも存在するらしいですけど、この水竜はドラゴンの中でも下っ端の方みたいですね」



 ミスフィートさんがドラゴンの死体に近寄り、マジックバッグに収納した。



「このドラゴンはどうしたらいい?」

「後で解体して女神の泉に漬けておきます。肉はともかく、内臓は聖水で浄化するのがこのダンジョンでは基本なんですよ。経験上、そうすれば食材が長持ちします」

「聖水で浄化とか、とってもファンタジーね!」

「わかった。じゃあ部屋に戻ったらドラゴンの解体だな!」



 4階で残すは、短剣ゴブリンを倒すことくらいか?

 ミスフィートさんにサクッと倒してもらって、そろそろメシにしたいな。


 そしてまた和泉無双しながら進んで行くと、歌声が聞こえて来た。



「あれ?なんか声が聞こえない?」


「ん?・・・あーーーっ!二人に大事なこと伝えるの忘れてた!!」

「大事なことだと?」

「えーとですね、この歌声って人魚が出してるんです。それで実はその人魚ってのが非常に危険な魔物でして、人魚の傍でこの歌声を聞くと眠らされてしまうんですよ。眠ってしまえば人魚に殺されて、そこでお終いです」

「無茶苦茶危険じゃないの!!」

「ならばどうすればいいのだ?」

「近寄りすぎると眠らされるので、ギリギリの距離で眠気を我慢して耐性を上げるのです。耐性が上がり切れば、もう眠らされることは無くなるのですが・・・」



 こんな大事なことを伝え忘れていたとは、俺は何を浮かれていたんだ!?


 もし誰かに好きに行動させて人魚に殺されでもしていたら・・・、あークソッ!!自分の間抜けさに腹が立つ!!!


 でも三人いる時に気付けて良かった・・・。



「えーと、本当なら今すぐにでも耐性上げをしたい所なんですが、眠らされなくなるレベルまで半日程かかるんですよね。なのでそれは明日やりましょう。今日は普通に人魚を倒して、その後ゴブリンも倒してから部屋に帰ってメシにしましょう」

「そうねえ。さすがに今日はもう十分やりきったわ」

「私も腹が減ってきたから、今日はもう次のゴブリンだけで十分だ」

「じゃあ、人魚は俺がサクッと倒してきます」



 三人で歌声が聞こえる方へ近付いて行き、そのまま人魚を葬った。



「ハッ!?今本当に眠りかけてたかも!?」

「・・・私もだ!!」


「人魚ヤバいでしょう?俺は昔一人で耐性上げしたんですけど、眠ったら終了だから本当に危険な戦いでしたよ。眠らないってのは簡単そうで案外難しいんです」



 折角強くなったのに、眠っただけで全て台無しだからな。

 4階は簡単な階層なのもあって、逆にこれは完全に罠だよ。


 そしてとうとう本日最後の敵、短剣ゴブリンのいる場所まで到達した。

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