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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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229 ミスフィートさんを解き放つ


「なんか無茶苦茶レベルが上がったんですけど!」



 部屋に戻って、少し落ち着いた和泉の復活の一言だ。



「言ったろ?このダンジョンは格が違うんだよ」

「しかし水をかけただけなのに、そんなんで良いのか?」

「俺もルシオも、最初は和泉と同じことをしましたよ?まあそれが通用するのは最初だけなので、初心者の救済措置みたいなモンです」


 正直俺も、そんなんで良いの?とは当時思ったんだけどさ。


「・・・ねえ小烏丸、ちょっと着替えたいのだけれど、別の部屋ってないの?」


「ん?着替え??さっきダンジョン来たばっかなのに?」


「・・・・(ボソッ)・・」


「ん?」


「・・・ちょっと漏らしちゃったのよ!!」


「あ~~悪い、そういうことか・・・。まあレベル1にあの殺気は強烈すぎるわな。しかしまだ一人でこの部屋から出るのは危険だ。ん~~、じゃあ俺とミスフィートさんは一旦部屋を出るんで、その間に着替えて休んでてくれ」



 マジックバッグから下着セットとタオルを取り出して和泉に渡した。



「何なら女神の泉で体を洗ってもいいんだぞ?ココには風呂が無いから、そこを風呂代わりに使ってるんだ」

「えええ!?聖水風呂とかワイルドすぎない!?」

「まあ気にすんな!んじゃミスフィートさん、ちょっくら狩りに出ましょうか」

「ようやく私の出番だな!」



 さっき戦闘をした通路まで歩いて来た。



「先に進むと、さっきの骨が3体出現します。ミスフィートさんなら大丈夫だとは思いますが、一応気を付けて下さいね」

「おおっ、3体同時とは面白い!よーし、行くぞーーー!」



 うん。全然緊張感も無くて余裕そうだな。

 あの殺気を肌で感じたハズなのに、流石というか何というか。


 少し進むと、ファントム3体とエンカウントした。



「じゃあ行って来る!」



 タタタタタタッ!



 ギンッ!ガキン!ゴシャッ!



 最初は少しだけ様子見した感じだったけど、すぐに骨3体を瞬殺した。



「どうです?面白いでしょう?このダンジョン」


「尾張のダンジョンとはまるで違うな!これで1番の雑魚敵なのだろう?」

「ですね。ルシオがオーガを倒した時に、ファントムの方が強いって言ってたのを覚えてますか?」

「ああ、言ってたな!私も尾張のダンジョンでオーガは倒しているが、確かにコイツらの方が動きが鋭くて力も上だ。威圧感からして違うものな」

「まあそれでも1階の魔物は、ゴブリン以外ならばミスフィートさんの実力からすると余裕だと思いますので、一人で好きに暴れて来て構いませんよ。俺は和泉のレベル上げの手伝いをしなきゃなので、今日はそっちに専念します」

「了解だ!」


 えーと、何か言っといた方がいいかな?


「あ、そうそう!地図は無いのですが、10分で今倒した魔物が復活しますので、倒した魔物の種類や数とかで何となく来た道がわかると思います。それと魔石を集めればガチャが回せるので、魔石は絶対に回収して下さい。それと、今倒した魔物なんかは剣も美味しいので、全て回収すべきでしょう」

「そういえばガチャがあるとか言っていたものな。では必要と思った物は全て回収することにしよう!」

「マジックバッグに余裕があるならば、狼も回収した方がいいですよ。その狼から最初に渡した毛皮が作れて、肉も美味しいですから」

「・・・ん?ああ、あの高級な毛皮か!わかった、狼だな?覚えておく!」



 そう言うと、ミスフィートさんはシュタタタタと駆け抜けて行った。

 うん。来たばかりとはいえ、期限は3日間しか無いからな。


 俺は和泉をサポートせにゃならんので、部屋に戻ることにした。




「ふ~んふふ~ん」



 部屋に戻ると和泉が泉に浸かっていた。

 うん、名前が名前だけに少し紛らわしい。



「ちょっと冷たいだろうけど、ダンジョンの気温的に入れないこともないだろ?」


「あれ?もう帰って来たの?」

「ミスフィートさんは1人でも楽勝そうだったんで、ダンジョンに放流した」

「あらまあ。尾張の大名だけあって強いもんねー。私はこのザマですけど!」

「まあ怪我したワケじゃないんだから・・・。今日はまだ続けるからな?」

「ぐぬぬぬぬ!アレ本当に怖いのに!」



 そんなこと言われても、その為に来たのだからしょうがあるまい。

 しかし裸なのに普通に会話をしてるとは、和泉も尾張っ娘に染まったなあ。



 和泉が服を着た後、すぐにレベル上げを再開した。

 3日間しか無いんだ。時間を無駄にすることは出来ない。



「ていっ!」



 ジュワアアアァァァァァ!! カラン



「おおお!!今の見た!?水がビュンて飛んでったよ!」


「一気にレベルが上がったからだな。今ので更にパワーアップだ」



 剣を拾い上げる。



「ちょっと部屋まで全力で走ってみ?」

「全力で?やってみる!」



 シュタタタタタッ



「えええええ!?何これ!?とんでもないことになってるんですが!」


「もう全然違うだろ?でも、こっちの世界ではそれが当たり前なんだぞ」



 和泉が壁を蹴り上げ、天井にタッチして着地した。



「今までずっとレベル1で暮らしてたのが、なんか馬鹿みたいなんですけど!」

「清光さんと虎徹さんに感謝しとけ。尾張のダンジョンじゃ、こんな簡単にレベル上げなんか出来なかったんだからな。でもレベル上げはまだまだ続けるぞ?3日間、やれるだけやるんだ」

「そうね、あの二人には感謝だわ!アイスクリーム持ってって良かった~」

「あれはマジで超ファインプレーだったぞ!」



 それからレベルが上がらなくなるまで、何度も聖水作戦を繰り返した。

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