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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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222/897

222 線路は続くよどこまでも


「本日は、当機関車をご利用して下さり有難う御座います!長い旅の間、1日に数回程ワゴンにて車内販売を致しますので、こちらは有料ですが、どうぞご利用下さいませ!」



 お!?車内販売が来たぞ。


 今日は試運転なので運賃や食堂車などは無料だけど、車内販売のワゴンだけは有料にした。機関車の中で買い物をする感じを、皆に体験してもらいたかったのだ。


 売ってる物は基本的に食べ物ばかりだが、今日のワゴンには料理班監修のお菓子やフライドポテトなどが乗っているので豪華な内容だぞ。

 この日の為に、女性ドワーフを何人も城に呼んで料理の特訓をしたんだ。

 なので車内販売だけじゃなく、食堂車の料理も質の高いモノとなっている。


 普段城内で食事をしている人達には物足りないかもしれんけど、一般人からすれば桃源郷に来たかのような衝撃を受けること間違いナシだ!



「おおおっ!ポテチが売ってるよ!」

「お姉さ~ん、ポテチ4つ下さいな!」

「あれ?コレってプリンじゃない!?これ買おうよ!!」



 ・・・これはヤバイかもしれん。一瞬にして売り切れるような気がしてきた。

 今回の旅の間は、食堂車で自由にメシを食えるんだから程々にな!?



「ちょっと!ワゴンの商品が一瞬で空っぽになりそうよ!?」

「そんなに安い物じゃないんだけど、兵達ってみんな金持ってるから買い物に躊躇ってモノがねえ・・・。今回は想定外だけど、一般人への開放の時ならここまでの惨事にはならない、と思いたい」

「でも、ルーサイアでしか食材の補給が出来ないのは拙いんじゃないか?全部の駅で補給出来ないと悲しい旅になってしまうぞ」

「車両を一つ増やせばいいんじゃない?補給車両みたいな」

「それだ!次回から冷蔵車両をくっつけよう」



 やはり試運転ってのは大事だな。実際に現場を体験せんとわからないことが絶対あるから。今回の旅でそういうのを色々と発見出来れば、今後の運営に役立つだろう。




 ・・・・・




 夜になり半数は寝台車へ向かった。

 しかし正直に言うと、実は寝台車ってあまり快適では無いのだ。


 乗客の数が非常に多いので、三段ベッドで、すし詰め状態になってしまうわけですよ。まあ試すまでもなく快適じゃないのは最初からわかっていたので、半数は座席で寝るように事前に通告しておいた。


 寝台車は、一応男性用と女性用の車両に分かれてはいるのだけれど、男女比が偏っただけでも溢れる現象が起きてしまうのだ。なので座席で寝た方が楽だったりする。

 俺は現場主義なので、寝台を体験してみることにしたけどな。


 機関車には運転手が二人いるので、夜中も走り続ける。


 すなわちバスの時みたいに、運転手が寝ている間は足止状態っていう風にはならない。8時間から9時間、時間を短縮出来るわけですよ。


 運転手が寝ていても勝手に走ってる仕様だけど、何かアクシデントが発生しないとも限らないから、やはり運転手は二人体制でなければならない。デカい熊を跳ねたとか、運転手が急死したとか、まあ色々考えられるからな。


 異世界特有のアクシデントとして考えられるのは、魔物を跳ねてしまう可能性だ。


 なので機関車の前面はかなり頑丈に作った。衝撃耐性はもちろんのこと、汚れ耐性も付与してあるので、色々と物騒な機関車だったりもする。






 ************************************************************






「おはようございます」


「おはよう小烏丸。寝台車の寝心地はどうだった?」

「思ったより悪くなかったですよ。洗面所がむっちゃ混んでたけど」

「そうか、なら私も次回は寝台車を使ってみよう」


 和泉も現場主義な所があるので、俺と和泉が寝台車、ミスフィートさんとナターシャは座席という風に分かれて就寝した。


「おはよ~」

「オッス和泉、よく眠れたか?」

「人がいっぱいだったから、熟睡とまではいかなかったかも。でも思ったより悪くなかったよ?洗面所がすごく混んでたけど」

「わははは!小烏丸と同じことを言ってるな!」


「もうすぐトラネコに到着よね?確かトラネコの大浴場を使っていいとか」

「ああ、そうそう!トラネコ城で2時間の休憩時間を予定してるぞ。風呂に行っても良し、観光しても良しの自由時間だ」

「時計が無いじゃないの!」

「まあそこは各自何となくで判断してもらうしかないかな?一応俺特製のハイパー砂時計を作動させとくんで、みんながどれくらいの体内時計を持ってるかがわかるな」

「仕方無いとはいえ、なんか適当よね~」



 無いモノはしょうがないのだ。時計を作るのがこれからの課題だな。

 機関車と時間ってのは、本来は切っても切れない関係なんだけど、時計よりも先に機関車文明を開化してしまったからなあ・・・。



 ようやく機関車がトラネコに到着した。




「やっと着いたーーー!みんな城の大浴場使ってくわよね?」

「もちろんよ!昨日はお風呂に入れなかったもん」

「カーラはこのままトラネコ城にずっと滞在するの?」

「ん?いや、ルーサイアに戻るわよ。ダンジョン攻略の途中だし」

「でもこれからは自由に行き来できるから、もう色々と楽になるわね!」

「機関車の旅も楽しくて好きなのだけれど、次回から機関車を使う時って一般人と一緒なのよね~。まあそれはそれで楽しみだけどさ」



 カーラ達の会話が聞こえて来たんだけど、確かに機関車で移動を考えたら一般人と一緒になるんだよな。

 軍用機関車はまだ作ってないし、作ったとしても緊急用として扱うだろうから。


 俺も一般人に紛れての一人機関車は体験してみるつもりだけど、初めて機関車に乗った人達の反応を見るのもすごく面白そうだな!

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