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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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219 中型漁船が完成

 それから何日か経ち、前作よりも一回り大きな漁船を完成させた。

 1人じゃ大変なのがわかっていたので、今回はドワーフの協力を得て作った。


 なので船に乗りたいと言い出すと思っていたのに、ドワーフってのはどうも海が嫌いらしい。体形の問題なのかわからんけど、みんな泳げないから海を嫌がるのだ。


 まあそういう理由もあってドワーフを漁師に誘うのはヤメた。当初の予定通り、漁師は人族メインで募集しようと思う。・・・船長はエルフだが。



「・・・とまあ、とりあえずはこんな所かな?覚えることはまだまだいっぱいあるけど、一気にごちゃごちゃ言ってもわからんだろうから、いきなり実戦で行くぞ!」


「おおおおお!いきなり船の操縦をしても良いんですか!?」

「しばらくは俺が横についてるから大丈夫だ。ランスロットが操縦に慣れて1人でも大丈夫になったら、ルーサイアから漁師を募集する予定だ。その後は雇った漁師達と一緒に動いてもらうことになる」

「えーと、漁って一隻だけでやるんスか?」


 当然の疑問か。こんなデカい港なのに船が一隻だけとか、なんかショボすぎるってのは俺だって良く分かってる。


「最初はこの『牛若丸』だけで漁をするつもりだ。誠に遺憾ながら現在のルーサイア程度ならば一隻で十分なんだよ。だがドワーフ達が尾張全体にレールを敷き終われば、とうとう機関車が動き出す。そうなると尾張中の魚屋が仕入れにやって来るハズなんで、今度は逆に魚が足りなくなるから、船もどんどん増やして行く予定だ」

「おおおおおお!壮大な計画だったんですね!ならばそれまでに、俺以外にも船長候補を育てなきゃですよ!」

「だな。それらを育成する為にも、まずはランスロットに一人前の船乗りになってもらうぞ。よし、牛若丸発進だ!」



 船が走り出す。


 なぜ牛若丸という名前なのかというと、特に意味は無い。

 船らしく最期に丸が付く名前を考えて、最初に出て来たのがそれだったってだけ。



「うっひょーーーーー!すげーーーーー!船最高すぎる!!」

「今日は天気がいいから飛ばしても構わんけど、雨が降ってたり風が強い日には注意しろよ?波が高かったら漁に出ないという決断も重要だ」

「あーそっか!波が高いと船が言うこと聞かなそうですね」

「念の為に予備のスクリューや脱出用のボートを用意してあるけど、船を大破させてしまったら借金を背負うことになるからな?船を見ればわかると思うけど、牛若丸を作るのに結構金かかってるんだよ」

「ぐはっ!船を壊したら船長の責任かぁ・・・。まあそりゃそうか」

「とにかく一番重要なのは、絶対に無理をしないことだ」

「了解です!」



 その日は網漁をせず、ずっと船の特訓だけをやった。


 俺も別に船の達人ってわけじゃないので、たぶんもうすぐ、ランスロットの方が操縦上手くなるんでねーかな?


 そして船を港に寄せたんだけど、船の操縦で一番神経を使う所がココだ。

 絶対に港にぶつけてはならないので、とにかく慎重にやらせた。



「よーーーし、今日の特訓は終了!」


「え?もう終わり?全然まだまだ行けるんスけど」

「残念ながら俺に用事があるんだよ。まあ明日からも毎日特訓するから、暇なら教えたことを復習しとけ。今日は漁をしなかったからすんなり帰れるけど、操縦以外にも船の手入れや網の補修など、漁を始めたらやることいっぱいだからな」

「おおう・・・、なるほど大変だ。でも頑張ります!!」



 そういや網もいっぱい作っておく必要があるな・・・。

 漁師も募集せんといかんし、俺は俺で大変だぞこりゃ。






 ************************************************************






 色々と用事を終わらせ城に帰ると、ダンジョン組がちょうど戻った所だった。



「お?みんな戻って来たんですね」

「小烏丸発見!今日も面白いお土産があるぞ!」

「ほほお?」



 23階層のボスだと言うので、城の外で出してもらった。



「グリフォンって名前の魔物なんだが、結構強かったぞ!」

「おおおおお!グリフォンもいるのか!ああ、名前だけは知ってるんですよ」

「卵は無かったんだが、これも鳥だから唐揚げに出来るだろう?」

「ですね~、コカトリスとはまた違った美味しさの唐揚げが食えるのは、本当に素晴らしいですよ!」


 味の方は食ってみないとわからんけどね。

 あ、グリフォンでも羽毛布団作れるんかな?まあ、布団に向いてなかったとしても何かしら使い道はあるだろう。


「でな、そろそろ一般兵にダンジョンを開放しようと思ってるのだ」

「ほうほう。安全ゾーンを見極めた感じですか?」

「そうだな、とりあえず10階層までは大丈夫だろう。その先は兵達の様子を見て決めようと思ってる」

「実戦に勝るモノはないですから、兵達も強くなりますよきっと」

「できるだけ死人が出ないようにはしたいが、こればっかりは実際に開放してみんとわからんからなあ」

「ヘマをする人ってのは必ずいますからね。強制はせずに自主参加形式にすれば、文句は出ないんじゃないですか?それなのに死んでしまうならば、残念ながらその程度の実力だったってことです。恐らく戦争に出ても長生きは出来ないでしょう」


 蝶よ花よと愛でながら育てたところで意味は無い。

 兵士になったのだから、相応の覚悟でいてもらわんとな。


「それもそうだな。よし!明日にでも全兵士に通達しよう」

「自分のことじゃないのに、なぜか不思議とワクワクしますね!」



 戦争未経験の兵達も、魔物相手とはいえ、本番前に実戦を経験できるってのは非常に大きいぞ。

 他国との戦争が勃発しても、今よりも冷静に対処出来るようになるだろう。

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