218 ランスロット
「よし、これで終了だ。みんなお疲れさん!」
「終わったーーーーーーーー!!」
「いや~、しかしすごい量ですね!!」
なんとか夕方までに作業を終わらせることが出来たぞ。
船酔いでぐったりしてたエルフも、ようやく回復したみたいだ。
「獲った魚は全て持ってって良いからな!」
「ヒャッホーーーーーー!!」
「これを全部・・・・・・」
「私達だけじゃとても食べきれないわ。みんなに配ろうよ」
「カツオ?でしたっけ?あの大きな魚一匹ですら食べ切れないよね」
確かにとんでもない量だからな~。街のエルフ全員に配ったとしても、1人につき何日分にもなるだろう。12月という時期だったのが幸いか。
みんなで全ての大箱を機関車に乗せ、街まで走らせる。
「なあランスロット」
「ん?俺ですか?」
「船長になってみる気はあるか?」
「センチョウ?・・・え!?船の船長ですか!?」
「その船長だ。と言っても船に乗るだけじゃなくて、港全ての業務に関わる感じになると思うけど」
「うおおおおお!やるっ!やらせて下さい!毎日船に乗れるなんて最高すぎる!」
思った通り、すんごい食いつきだなオイ!!
「ならば船の操縦や海の知識を身に付けてもらうぞ。今日乗った船だけど、アレじゃ少し小さ過ぎる感じだったんで、近いうちにもう少し大きめの船を作る予定だ。それが完成したら特訓を開始するからな」
「おおおおおお!アレよりも大きな船ですか!!それを俺が操縦するんですよね!?いや~、楽しみだな~~~!!!」
なるほど、不安とかそういうのは一切無いようだ。これは鍛え甲斐がありそうだ。
レールは城の近くにまで行けるように敷いてあるんだけど、途中下車よりもそっちの方がいいと言うので終点まで移動。
大量の魚が入った箱を持って家まで配りに行くなんてのはもちろん無理なので、城にエルフ達を呼び寄せて配ることになった。
半数は人を集めに行き、残りは仕分け作業だ。
俺はバイクがあるので人集めの方に参加。後ろに乗せたエルフの指示通りにバイクを走らせ、『大きな入れ物を持って城に集合!』と声をかけまくった。
そして結構時間はかかったけど、エルフ達に全ての魚を配り終えた。
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「ふぃ~~~、魚を獲るよりも配る方が大変だったな」
「ホントですね。でもお陰でみんな御馳走にありつけますよ!」
「あー、そうそう!獲れたての海の魚は、真水でしっかり洗えば生でも食えるんだぞ。魚には、焼くとイマイチになる奴もいてな、例えばカツオやマグロなんかは、焼いたり煮たりして食ったって全然美味くねえんだ。生で醤油を付けて食ってこそ本領を発揮する!」
「え??生で食うんですか!?」
「実は魚ってのは生で食う方が贅沢なんだ。海で獲れた新鮮な魚じゃなきゃ、普通は生で食ったら腹を壊すからな」
「ですよね!?なるほど、海で獲れたばかりの魚は生で食えるのか・・・」
実際に一度食わせてみるのが手っ取り早い。
「そういやランスロットはマグロのブロックを持ってたよな?ちょっと出してくれ」
「え?ああ、はい」
ランスロットが自分の入れ物からマグロを取り出した。
念の為、水生成機を使って綺麗に洗ってから切り身にして行く。
「最初に食うのが中トロとは、運の良い奴よ!」
「は?はあ・・・」
「よし、切り身をこの小皿の醤油に付けて食ってみ!」
ランスロットが恐る恐る言われた通りにして、それを口に入れる。
他のエルフ達は心配そうにそれを見つめる。
「・・・・・・・・・」
「これがマグロの刺身だ」
「・・・美味い!!なんだこりゃあ!?」
「え!?そんなに美味しいの?コレ」
「美味いなんてもんじゃないぞ!こんなの初めてだ!!」
本当に美味かったみたいで、二口三口とパクパク食べて行く。
「最初に生で食う時は抵抗があるもんなんだけど、いきなり刺身の美味さがわかるとは大した奴だな!!」
「私も一切れもらってもいいかしら?」
「おう!食ってみ食ってみ!!」
ランスロットがあまりにも美味そうに食うもんだから、周りの皆も食べてみたくなったようだ。それにしても増々もって漁師適性◎だな。マジで拾いモンだぞ。
「へーーーー!確かに美味しいかも。でも駄目な人は駄目かもしれないわね」
「なるほど・・・、生で食べるとこのような食感なのか。俺は好きだぞコレ」
「うん、私も大丈夫。魚ってこういう食べ方もあったのね」
「勘違いはするなよ?真水で綺麗に洗った新鮮な海の魚だから大丈夫なんだ。川魚を生で食ったりしたら余裕で食中毒になるからな」
「フムフム。今日貰った他のお魚でも大丈夫ってことよね?」
「大丈夫だ。でも皮と内臓は駄目だぞ?刺身にしていいのは身の部分だけと覚えといてくれ。魚って海を泳いでるわけだから、皮の部分なんかはさすがに汚れている」
「あーそっか!なるほど・・・、わかったわ!」
エルフ達って、生臭いのとかダメかと思ったけど案外イケるのな。
試しに食わせてみて正解だったわ。
折角みんなが刺身に興味を持ってくれたので、それぞれに醤油を1本ずつプレゼントして解散した。
・・・・・
今日は色々ありすぎて、夕食の時間に遅れてしまった。
けどむっちゃ腹が減ったので食堂に向かう。
「「おいしーーーーーーーーーーー!!」」
ん?
食堂に入ると、夕食後のおやつの時間だった。
みんなのテーブルを確認すると、どうやらケーキを食ってるようだ。
「なるほど!今日はケーキを作ったのか!それじゃあみんなが騒ぐハズだ」
「あれ?小烏丸ってば遅かったじゃない!」
「悪い、エルフ達に魚を配ってたら遅くなってしまった」
「もうしょうがないわねえ。貴方の分は残ってるから、奥の部屋で食べて来なさいな」
「おお、サンキュー和泉!俺の分のケーキもあるよな?」
「もちろんあるわよ!」
「よっしゃー!んじゃ行って来るわ~」
危うくケーキを食い逃す所だったぜ!帰る時間には気をつけないとな・・・。




