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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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183 ミスフィートさんに色々報告

 シェルフィーユ・ミルドナーガ・トラネコから帰還する兵士達を乗せ、バスはルーサイアに向かった。


 リタ・リナ・カーラ・カトレアには伊勢国境であった出来事を伝え、細心の注意をするよう警告しておいた。また、使者が来た場合、壊滅させれるようなら己の判断で斬って構わないとも。

 俺の一存で決められる問題じゃないんだけどさ、すでに使者をぶった斬ってしまった以上、聖帝軍との友好関係は望めない。っていうかアイツらムカつくし。


 俺が斬らずに使者がメルティー様探しを始めていたケースを想定しても、尾張を探し回って京まで帰るのに数ヶ月はかかるだろうから、最低でもその期間は戦争にならんと思う。

 転移できるような魔道具があるなら話は変わるけど、移動手段が馬車や徒歩ならばそんな感じだ。まあ最短でもそれくらいの猶予はあるんで、俺達はその間に富国強兵を頑張るだけだ。



 ルーサイアに到着してすぐ、ミスフィートさんの部屋へと報告に向かった。



「只今戻りました!出張組を送り届けた後、美濃の国境と伊勢の国境に壁を作って来たので、予定よりも少し遅くなりました」

「おお、壁を作って来たのか!それはご苦労だった。壁って清光殿が作ったような壁なのか?」

「まさにあの壁ですよ。幅と高さはそのままに、アレを端まで伸ばして行きました。エルフ達が非常に頑張ってくれましたので、報酬は弾んでやって下さいね」

「そうか!わかった。これで尾張の守りは安泰だな!」


 いえ、残念ながら安泰じゃなくなったのです。


「それがですねえ、伊勢の壁を作ろうとしている時に聖帝軍の使者が来まして、『メルティーを引き渡せ』と高圧的な態度で恫喝して来たのですよ」

「なんだと!?聖帝軍の使者が?」

「当然そんな不穏分子を尾張に入れるわけにいきませんから、『メルティーなど知らん!』とお断りしたのですが、使者が憤慨して『尾張を攻め滅ぼすぞ!』と脅して来たので、使者10人全てを叩き斬ってしまいました」

「ブホッ!・・・ま、まあ、そのような輩ならば斬っても問題ないぞ。きっとそこにいたのが私でも斬っただろうから。しかし戦争の火種が出来てしまったな」


 流石のミスフィートさんも、いきなりの揉め事に困惑している。

 今回は独断で勝手なことをしてしまったわけだし謝っておこう。


「ミスフィートさんに相談もせず、勝手なことをしてすみませんでした!でも国境の何もない場所でしたので、人には見られていないハズです」

「確かに一言相談して欲しかった気持ちはあるが、そんな傲慢な使者を国内に入れれば絶対碌なことにならん。小烏丸の判断は間違っていない」

「ああ、その時チェリンやエルフ達が一緒にいたのですが、俺が戦闘を始めたのをきっかけに、奴等を始末するのを手伝ってくれました」

「そうか、突然の戦闘に驚いたであろうな」

「皆緊張していましたね。そのあと死体を処分し、壁を完成させてから皆で帰って来ました。報告はこれで全部かな?」



 ミスフィートさんが席を立ち、お茶を煎れてくれた。



「なるほど。ミルドナーガとシェルフィーユの館を改造すると言っていたが、それも終わらせたのか?」

「ああ、それを忘れていました!はい、館の改造も終わらせましたよ。というか館が結構痛んでいたので、一度壊してまた建て直しました」

「ハハッ!簡単に館を建てるとは、ルルも逞しくなったな」

「今回はルルとライムの2人がいましたので、まあ見事な手際でしたね」

「そうか。色々と疲れただろう?しばし休むといい」


 確かに疲れてはいる。でも皆に強化が終わった服を渡さないとだし、ガラス工場の設計図も作らなきゃならんのよね。


「とりあえず今日はゆっくりするつもりです。そしてみんなに強化した服を渡した後、ガラス工場の建築に入ろうと思っています」

「ガラス工場か!ガラスというのは、バスに付いている透明な壁のことだよな?」

「そう、それです!ガラス作りを尾張の一大産業にしようと考えていまして、ガラス工場はルーサイアだけじゃなくトラネコの街にも作る予定です。まあトラネコの方は健康ランドもまだですし、ルーサイアの工場が軌道に乗ってからの話ですけどね」

「それは素晴らしいな!職が欲しい民衆は大量にいるから、工場で働けるとなるときっと皆喜ぶぞ!」

「実は三河の清光さんやレベッカさんに、ガラスを売ってくれと頼まれているんですよ。これを三河に流すことで尾張にもお金が流通し、経済が潤うという算段がついています」

「・・・小烏丸は本当に凄いな。尾張を力だけじゃなく経済力からも強化しようと考えている。私にはそこまで先見の明は無い。キミがいてくれて本当に良かった」



 ・・・ミスフィートさんは、俺を凄い人のように思ってくれているのだろうけど、それは違う。



「ミスフィートさん、俺は元々他国にいた人間です。先見の明があるように見えるかもしれませんが、それはただ単にガラスの製造方法を知っていたからです。この国に存在しない物を作れば、売れるのは考えるまでもなく必然なのです。確かに俺の頭の中には皆が知らない知識が多く入っていますが、俺は特別凄い人間なんかじゃありません」


「小烏丸・・・」


「知識さえあれば皆が思い付くようなことなのですよ。俺が自分に自信を持っているのは、知識ではなく戦闘力と付与魔法の方ですね。なので俺から見れば、ミスフィートさんの武力の方が素晴らしいモノとして映っています。もっと自分に自信を持って下さい!貴女は俺の憧れなのですから」



 ミスフィートさんにそっと抱きしめられた。



「こんな武力しか取り柄のない私でも、憧れと言われると嬉しいモノだな・・・」


「尾張を平和に導いたのは、貴女の力と皆を惹きつける魅力によるモノです。次は聖帝軍を跳ね返す為に、尾張を今よりも強い国にしていきましょうね」



 夜は更けていく・・・。いや、まだ昼だが。

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