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178/895

178 売店

 時間は17時過ぎ、城門前に停車したバスから80人の乗客が降りた。


 座席を見回って忘れ物のチェックをしてから俺もバスを降り、マジックバッグにバスを収納する。



「尾張に帰ったら動物乗り物を渡そうと思っていたんだけど、もう薄暗いので渡すのは明日にしましょう。今日はこのまま解散します!皆さんお疲れ様でした~!」


「「お疲れ様でした~!!」」



 疲れているというよりもウキウキした表情で、皆そそくさと部屋に帰って行った。

 きっと買った服の試着がしたくて堪らないんだろな。


 とりあえず俺は、ミスフィートさんに帰還の報告に行くとしようか。




 ・・・・・




 トントン



「入れ」



 ガチャッ



「只今お買い物ツアーから帰還しました」

「そうか!みんな乗り物は買えたのか?」

「バッチリです。乗り物を買った後は服屋と雑貨屋にも行って、店内にある物全部買い占めて来ましたよ」

「ハハハッ!なんとも豪快な買い物だな」

「今頃はみんな、自分の部屋で服の試着をしてるんじゃないですかね?」

「まだ恩賞を貰ってない人らにとっては、本当に素晴らしい旅行になったな!」


 たぶん動物乗り物よりも、服の方が遥かに嬉しかったんだと思う。

 明日渡すって言った時の反応が、心ここに有らずだったもの!


「そうですね~。この後、服の強化が大量に来ると思うと涙が出そうですよ」

「ハハハハッ!すぐに始めないと、皆が出発する日までに間に合わなくなるものな」

「ミケネコ城に住んでる人を後回しにすれば、何とかギリギリってとこですかね」

「そこは頑張ってくれとしか言えんな」



 まあしょうがあるまい。問題は皆を送り届けた後、ミルドナーガとシェルフィーユの館の改造をしなきゃならんのよね。


 洗濯機みたいな家電は何個かストックがあるけど、大量の照明や温水洗浄機能付きトイレなんかは一から作らなきゃならん。こっちで作るのは無理そうだから、皆をバスで送り届けてからチェリン達の館で作るしかないか・・・。



 とりあえず報告は完了したので、食堂で夕食をとってから風呂に入って速攻で寝たのだった。






 ************************************************************






 ・・・早速服の強化を頼まれた。それも泣くほど大量にだ!


 もちろん初めからそのつもりだったんで、優先順位を決めて引き受けることになった。まずは出張組の服からだ。

 この城に住んでいる人達の服はいつでも強化出来るけど、そうじゃない人は今しかチャンスが無いからな~。


 強化の前に、皆に動物乗り物を渡した。大人買いした人達には一台だけな。


 帰ってからでも良かったのだけれど、今すぐ自分の乗り物に乗って遊びたいだろうからね。とりあえず今は思う存分遊ばせて、バスで送り届ける時にまた回収すればいいんだ。


 つーことで、そろそろ服の強化を始めますか!




 ・・・・・




 強化の最中に思い出して、城の入り口近くの部屋を売店に改造した。

 もちろんルルに頼んで、それっぽく作り変えてもらったぞ。


 そして大人買いした雑貨品をどんどん並べて行く。

 フローラとミリーにも並べるのを手伝ってもらっている。



「三河の雑貨品は凄いわね~。尾張じゃこんなの売ってないわ」

「ええええ!?姿見まであるよ!これ高かったんじゃない?そういえば値札を作る必要があるね」


 値段とか見てねえ!!鏡ならガラス工場が完成したあと自作出来たのに!


「ああそっか、値段がわからなきゃ困るな。それに販売員も必要だよな~。無人じゃいくら何でもに防犯意識が無さすぎる。足軽大将に交代でやってもらうか」

「商品ってまだまだいっぱいあるの?」

「売店に入りきらんほど大量にあるから、当分は三河に買い出しに行かなくても大丈夫。と言うかルーサイアの雑貨屋の品揃えが良くなれば解決なんだけどさ」

「これほど完成された商品を作れるようになるには、全然まだまだね」



 まあなあ・・・、数年後に辿り着けるかどうかっていう未来の商品だ。

 民衆にサンプルを見せれば文明の発展も早くなるだろうけども・・・。


 一度尾張の商人を集めて、三河に連れて行くべきかもしれんな。



「よーし、こんなもんだろ。何か欲しい物があったら先に買っといた方が良いぞ?」


「欲しい物はいっぱいあるよ!」

「ありすぎて困るわね~」



 2人が買い物籠にどんどん商品を入れて行く。

 その間に、俺は三河で雑貨を買った時のレシートを見ながら値札を作って行く。


 クソが!ちっさい鏡が金貨20枚かよ!!


 しかも使われているのはガラスじゃなくて銅鏡に近い物だ。といっても異世界物質が使われているようで、手に取ってみると結構綺麗に顔が映っていた。

 まあこれならば、金貨20枚の価値があるのかもしれないな。



 そして、フローラとミリーは結構な量の雑貨品を購入した。



「毎度あり!」


「素晴らしい買い物だったわ!」

「小烏丸くんは服を強化するお仕事があるんだよね?今日は私が店番してあげようか?」

「ああ、それじゃミリーにお願いするよ。明日から売店は当番制にしよう」

「そうねー、でもずっと売店に座ってるのも退屈そうだし、2交代が良いかも?」


 たしかに1日中売店じゃ、逆に辛いか。


「それもそうだな。売店は1日中使えるようにしたいから、朝7時から13時までの6時間、次の人が13時から19時までの6時間って感じかな」

「良いかも。でも商品がすぐなくなるかもね~」

「うん。すぐ無くなりそう!」

「まだかなりあるけど、無くなったら閉店するしかないな。これは何度も仕入れに行く必要がありそうだ・・・」

「バンバン売れるのは最初だけだと思うよ?」

「一度買ってしまえば当分持つとは思うけど、どうかしらね?」



 まあ買ってくのは兵士だけなんだけども、外で訓練している一般兵って凄い数だからなあ。とりあえず城内の人に優先で売るけど、一般開放したら一瞬で売り切れ確実だろう。


 うん。トロンゾンだけじゃなく、三河の他の街でも買い占めするしかねーな。

 清光さんスマン!三河の物価がちょっと変なことになるかもしれん。

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