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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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169 いよいよ健康ランドを作る


 パチパチパチパチパチパチパチパチ!



「なんて素晴らしい曲なの!?」

「ワタクシ感動致しましたわっ!!」

「涙が止まらない・・・」


「小烏丸さん!今の曲を譜面に起こしてはもらえませんか?」

「私も弾いてみたい!!」



 なんか大喝采すぎて逆に驚いた。

 でも今の曲ならば、練習すれば弾けるようになる者はいるだろう。



「そうだな。近いうちにやっとこうか。やっぱりみんな美しい系の曲が好きなんだな」


「それだけじゃなかったですわ!美しくも壮大で素晴らしい曲でしたわ!」

「難しい曲も面白いのですが、もし人に聞かせるならば断然今のような曲ですね」

「美しい曲とか、先生ならもっといっぱい知ってそうだね」



 知っているってだけなら無茶苦茶知っているな。弾いたことのない曲は練習せんと無理だけど。

 土木作業員をやりだしてからはピアノを弾く余裕なんか全然なかったんで、ここ数年間で出現した曲なんかは正直厳しい。



 まあそんなこんなで、今日の授業は全部終えた。






 ************************************************************






 朝食を食べ終わったのを見計らい、ルルに声を掛ける。



「ルル、そろそろ作ろうか!」


「へ?何をです?」

「健康ランドだ!前に話したろ」

「あ~、街のお風呂屋さんですね?」

「ノンノンノン。そんなお風呂屋さんなんて小さな規模じゃないぞ。まずは巨大な建物の中に城の大浴場レベルの施設を作る。そして建物内に食堂や売店などを用意して、風呂やプールで遊んだ後も楽しめるようにするんだ」


 ルルがニッコリ微笑んだ。


「ハイ!ボク一人じゃ無理です!!」

「安心しろ。道路部隊の何人かをこっちに参加させるつもりだ」

「えーと、それならば村の人達に手伝ってもらって良いです?前に店を改築したことがあるので、ボクと一緒に建物を作った経験があるのですよ」

「なるほど・・・、確かにその方が良さそうだな。じゃあルルの方で人を集めてもらっていいか?一緒に仕事をしやすい仲間でやった方が建設も捗るだろう」

「わかりましたです!」



 ルルは仕事仲間を探しに行った。



 さて、まずはどこに建設するかだけど、前に俺がキープした土地にしようと考えている。みんなが建物をキープった時に俺は土地を狙ったんだよね。なんせ元からあった建物は俺の求めるモノじゃなかったから。


 そして勝手に人が住みつかないように、広大な土地にロープを張って私有地の立て札までしてあるぞ。土地さえあれば何でも作れるだろうという先見の明が生きた形だ。


 何に使うかまでは深く考えていなかったけど、店を出したいならば健康ランドの中に作ればいい。大浴場で荒稼ぎするつもりは無いので、それ以外の部分で収益を上げる感じだな。


 ちなみに俺の領地はまだ更地なので対象外だ。

 今そんな場所に健康ランドを作っても、まずそこまで歩いて行くのが大変だし、中央に置くことで街の活性化に繋がると思うわけですよ。


 建物の設計図はすでに完成している。


 あと必要なのは従業員の募集と育成なのだけれど、金が絡んで来ると適当な奴をトップに据えるわけにもイカン。なので信頼できる人に任せるべきなんだけど、俺の知り合いってほとんど軍人なんだよね。

 軍人にレジャー施設を経営させるのはさすがにどうかと思うんで、やはり軍人以外で誰か探す必要がある。



 そして思い出した。ヴォルフの娘、セレンの存在を!






 ************************************************************






「なあヴォルフ、娘のセレンって今は何をしてるんだ?」


「セレンですか?この時間なら宿で仕事中だと思いますが」



 ほう?宿で働いているってのは好都合かもしれん。仕事内容にいくつか共通する部分がある。問題は引き抜けるかどうかだな・・・。



「実はな、街の中央に健康ランドを建設する予定なんだよ。健康ランドというのは、大浴場をメインに、食堂・売店・休憩室・遊び場・マッサージなどの娯楽施設を完備した憩いの場だ!」

「それは凄いですね!でも、それとセレンがどう繋がるのです?」

「実はセレンに、健康ランドの経営をやってもらおうかなーと思ってたりする」

「えええええええええ!?」

「とは言っても、俺ってセレンと会話したのが、二人と出会った最初の日だけなんだよね。正直彼女のことを何も知らん状態だ。だがヴォルフの娘って所が重要でな」


 まあ単純に、俺は親父の上司なわけだ。

 俺を敵に回すと親父に迷惑がかかるから、それだけで裏切る可能性が低くなる。


「俺ってさ、信頼できる知り合いが軍にしかいないのよ。しかし軍人にずっと商売をさせ続けるわけにゃイカンだろう?」

「あー、なるほど・・・。俺の娘ってだけで意味があるのか」

「まあ、そういうことだな。そしてこれは彼女にとっても千載一遇のチャンスだと思うぞ?健康ランドは間違い無くルーサイアの娯楽の中心となるだろう。この街最大規模のレジャー施設になる予定なんで、まあ当然給料も好待遇だ」


 それを聞いて、ヴォルフは逆に心配そうな顔になる。


「はぁ・・・、セレンにそのような大任が務まるのでしょうか?」

「絶対とは言わんけど大丈夫じゃねえかな?基本的に細かい指示は全部俺が出すつもりだ。セレンの仕事で一番重要なのは、金の管理なんだよ。間違いなく目まぐるしく金が動く職場なんで、絶対に着服や持ち逃げが無いようにして欲しいんだ」

「なるほど!確かにそこが一番心配な部分ですね。わかりました。とりあえず今晩にでも娘に話してみます」

「人生最大の好機だということを、もの凄くアピールしといてくれ!」

「ハハハッ、了解です!」



 快く引き受けてくれることを願おう。

 しかし従業員の募集とか、事前にやらなきゃならんことがまだ色々あるな・・・。

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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポが良くてとても楽しい物語です。 楽しくてついつい夜遅くまで読む耽ってしまいます。 [一言] 何でもモノづくりって、めっちゃ楽しいですね(((o(♡´▽`♡)o))) ついでにレビュ…
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