158 ララとメルティー
「にょあ~~~~!!」
ザッパーーン!
浮き輪に乗ってウォータースライダーを滑って来たメルティー様が、そのままプールにプカプカ浮いている。
「あははははははっ!」
「こ、怖かったのじゃ~~~!」
「上手い上手い!でも楽しかったでしょう?」
「これはすごく楽しいのじゃ!」
「メルティーちゃん!もういっかいいこ?」
「行くのじゃ!」
やっぱり子供同士で遊ぶと盛り上がるなー。
ただ、ちびっこだとプールの底に足がつかないので、常に見張ってないと危険だ。
子供用の深さのプールも作らなきゃダメだな。プールの横に並べる感じでいくか。
「なあルル。このプールだと、深くて子供が遊ぶにはちょっと危険だから、並べるような感じで子供用のプールを作ってくれないか?」
「あー、それは名案なのです!ウォータースライダーも新しく作るのです?」
「そうだな。まったく同じじゃつまらんので、可愛いのを作ってみるか」
「おおーーー!それはボクも楽しみなのです!」
大浴場は本当に広いので、子供プールを作っても狭くなるって程ではない。それに子供が遊んでると大人がとても遊び辛くなるので、早速明日にでも作ろう。
「メルティー様が、あんなに楽しそうに遊んでる姿を見るのは初めてです!」
マリアナが、遊ぶ子供達を見て微笑んでいる。
ちなみにもう色々と吹っ切れたようで、体を隠すのは止めたようだ。
「マリアナは泳げるか?」
「いえ、泳ぎを教わった事すら在りません」
「ならば泳ぎ方を教えてやろう。たぶんメルティー様はこれから毎日のようにプールで遊ぶと思うんで、そうなるといつ危険な目に遭うかわからないだろう?万が一の時の為にも、マリアナが泳げるようになっていれば安心だ」
「なるほど、確かにその通りですね。でも今は見張ってないと・・・」
マリアナは、メルティー様のことだけを考えて生きてきたような人だ。なので、ほんの少しでも目を離すのは嫌だと思うけど、ララの姉であるルルにならば任せられるんじゃないかな?
「ルル、子供達の監視を頼んでいいか?俺はマリアナに泳ぎを教える」
「ボクもララが心配だからしばらく見張ってるので、泳ぎを教えに行って大丈夫なのですよ」
「じゃあ子供達のことは任せた!よしマリアナ、泳ぎの練習を始めるぞ!」
「畏まりました。ルル様、メルティー様の事を宜しくお願いします」
「任せるです!」
それから子供達が遊び疲れるまで、マリアナは泳ぎの特訓をした。
でも、さすがに一日じゃ合格は出せなかったので、何回かやる必要があるな。
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「ちょっと待つのじゃ~~!」
「ん~?メルティーちゃん、ふくがおもそうね?」
「うむー、この服は美しいのじゃが少し重いのじゃ」
お風呂から上がって部屋への帰り道、こんな会話が聞こえて来た。
あー、確かに子供同士で遊ぶのにあの服は非常にマイナスだな。
何か違う服を着せてやった方が良いかもしれん。
そして思い出した。
あるじゃん!すんげー面白い服が!!
「メルティー様、ララと遊ぶのにその服じゃ辛そうなので、もっと軽くて可愛い服に着替えませんか?」
「おお!?着替えるのじゃ!」
「えーと、じゃあ・・・、ああ、この部屋で着替えましょう」
通りがかりに丁度良い空き部屋があったので、そこで着替えることにした。
[魔法少女セット]
:謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価S
:ワンピース、帽子、ブーツ、マント、変身ステッキの5点セット。
:フル装備で全パラメータ5%アップ
:魔法の言葉は『ランパ・ルルンパ・クルリンパ』
:斬撃耐性++ 刺突耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性++ 炎耐性++
熱耐性++ 冷気耐性++ 汚れ耐性++ 精神耐性++
:自動修復(中)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能
いきなりコイツの出番が来てしまったぜ・・・。
なんとなくララに着せようとか考えたりしてたんだけど、将軍様を魔法少女にするのもすごく面白いよな!?
最大ではないけど、しっかり強化もしてあるので、このまま着せても大丈夫だ。
苦労しながら十二単を脱がせ、着る時に分からなくならないように、完成形に戻してから綺麗に畳んだ。
そしてメルティー様に、魔法少女の衣装を着せて行く。
まず白とピンクのワンピースなのだが、これだけでもうすでに可愛い。
メルティー様も大喜びだ。
靴下を履かせてから白いブーツも履かせ、帽子とマントを着用し、変身ステッキを持てば魔法少女の完成!
「メルティーちゃん、かわいい!!」
「ありがとうなのじゃ!!童もすごく気に入ったのじゃ!」
「メルティー様、本当に可愛らしいですよ!」
「重さは大丈夫ですか?」
「この服は軽いのじゃ!」
よし!これならばララと思う存分遊べるだろう。
しかしこの服は、ただ着るだけじゃ終わらないハズだ!
「メルティー様、なんとこの服は可愛いだけじゃ終わらない、すごい秘密が隠された服なのです!」
「すごい秘密??」
「ほええ、なんだろね~?」
「そのステッキを持って魔法の言葉を唱えると、たぶん変身が出来ます!」
「へんしん??」
「まあ、やってみればわかると思いますよ。俺も試したことがないので、どういう風に変身出来るのかはわかりませんが、折角なのでやってみましょう!」
「小烏丸様!それって危険はないのですか!?」
「神様が作った服みたいなモノだから問題無しです!・・・たぶん」
「多分って、本当に大丈夫なのっ!?」
ガチャの景品に限って不具合など考えられんな。
俺は全面的に女神シャルロットを信頼しているのだ。
「魔法の言葉は『ランパ・ルルンパ・クルリンパ』です。もう一度言いますよ?『ランパ・ルルンパ・クルリンパ』」
メルティー様は一つ頷いた後、ステッキを掲げて魔法の言葉を叫んだ。
「ランパ・ルルンパ・クルリンパ!」




