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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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156 城内にのみ秘密を明かす

 着替えも終わったし、とりあえずミスフィートさんの所に連れて行こうか。



「あ、そうそう!御二人が着ているどちらの服にも、汚れ耐性・防水機能・消臭脱臭機能が付いていますので洗濯の必要がありません。と言うか、防水機能効果が優秀すぎて、まったく水を通さないので洗濯が出来ません。更に自動修復機能が付いているので、服が皴になることすらありません」


 それを聞いて、二人が自分の着用している服を見る。


「そして下着にも、汚れ耐性・自動修復機能・サイズ自動調節機能が付いていますけど、枠の問題で防水機能や脱臭消臭機能が付いてませんので、下着の方は洗濯の必要があります。そこだけ注意して下さいね」


「よくわからないがすごいのじゃ!」

「本当に凄いですよ!えーと、お洗濯はどこですれば良いのでしょうか?」

「ああ、この城には洗濯機があるので、あとで使い方の説明をしますね」

「洗濯機??」

「誰でも簡単に洗濯が出来るように、俺が開発した魔道具です」


 王室ゾーンの窓際にも洗濯機が1台置いてあるのだ。

 この城は広いので、あちこちに置かないと大変だからな~。



 トントントン



「入れ」



 ガチャッ



 ミスフィートさんはいつもの様に、書類とにらめっこしていた模様。



「御二人に着替えてもらいました」


「おおおおおっ!とても雅な服だな!!」


「ミスフィート様、昨日は豪華な食事や素晴らしき寝所を用意して頂き、本当に有難う御座いました!そしてこの様な見目麗しき服まで用意して頂き、心より感謝します」

「久しぶりにご馳走を食べたのじゃ!すごく美味しかったのじゃ!」


「ハハッ!それは良かった。ただそれらは全て小烏丸が用意した物。私は小烏丸に丸投げしたに過ぎないのでな、感謝なら小烏丸にしてくれ」


「小烏丸様、本当に有難う御座います!」

「ありがとうなのじゃ!」


「喜んでもらえたなら良かったです。ただ今日から食事やお風呂などは、皆と御一緒してもらおうと思っています。この城でずっと一緒に暮らすならば、皆と苦楽を共にした方が早く尾張での生活に馴染めるでしょうから」

「なるほど。確かにその通りだな!将軍といえども、私達はその権威が欲しくて匿ったわけではないのだ。なので客人扱いはせずに、仲間として皆と一緒に生活してもらおうじゃないか」



 それを聞いて、マリアナがどういう反応をするか気になっていたのだが、表情が『ぱあっ』と明るくなった。



「メルティー様にとってもその方が有難いです。京では堅苦しい生活で、友達を作る事すら叶いませんでした。その後はご存じの通り逃亡生活ですので、メルティー様には普通の幸せという物を体験させたいと思っております」

(わらわ)も友達が欲しいのじゃ!普通の生活がいいのじゃ!」



 戦や長い逃亡生活を経験して、権力というモノにはもう懲り懲りなのだろう。


 普通の幸せを求めているってのは本当に良かった。権力に執着されると尾張にとって邪魔な存在になるだろうから。



「小烏丸、玉座の間に城内の者達を集めてくれ。皆に隠したままだと、知らぬ所で無礼な扱いをされる可能性がある。ここは思い切って、将軍だということを打ち明けようと思うのだ」

「そうですね。城の皆にならば変に隠す必要は無いでしょう。ただ他国との揉め事の原因になる可能性が高いので、噂が広まらないよう口止めをする必要があります」

「そうだな。どっちにしろ他国が攻めて来るようならば叩き潰すまでだ!」



 将軍家の生き残りを匿った時点で、もうすでに火種を抱えてしまったのだ。

 これ以上考えててもしょうがないので、玉座の間に皆を集めに行った。




 ・・・・・




「いきなり皆に集まってもらった理由は、重大な報告があるからだ!隠しておくのも良くないと思ったのでな」



 みんな何事だろうと訝しんでいる。



「私の横にいるとても雅な服を着た御子は、第15代将軍のメルティー様だ!そしてこちらは侍女のマリアナだ」



 それを聞いた皆がざわざわし始めた。まあそりゃそうだわな。



「将軍家が聖帝軍に敗れ、メルティー様はマリアナと共に京の都を脱出。その後、1年もの間逃亡生活を続けていたらしい。そして昨日の出来事なのだが、ミケネコ城に助けを求めて来たので尾張で匿う事となったのだ。だが私はメルティー様に将軍として働いてもらおうなどとは思っていない。ただ普通に、皆と一緒に楽しく生活してもらうつもりだ」


「メルティーなのじゃ!みんなよろしゅうなのじゃ!」



「将軍ですって?」

「あら、普通に可愛らしいですね」

「えーと、すなわち普通に接すれば良いのかしら?」

「よくわからんが、あまり気にするなってことか」



 みんな反応は様々だ。無礼なことさえしなきゃ、別に普通で良いんだぞ。



「皆の者、よろしく頼んだぞ!でだ、この事は絶対に城の外に口外してはならん!理由は一つ、尾張が将軍を匿ったという噂が広まると、他国との戦にまで発展する可能性があるからだ!皆が平和を望むならばこれは絶対に厳守してくれ!」


 それを聞いた皆が、さすがに慌て始めた。


「それは拙いわね。負ける気はしないけれど戦なんて嫌よ!」

「ワタシは今が一番幸せなの!みんな絶対に口外無用よ!?」

「火種を抱えてしまったわけか。まあでも三河もついてるし、どこにも負けはせんだろ!」

「難しく考えることはないわ。ベラベラと話さなきゃいいだけよ」



 確かに火種を抱えてしまったのも事実だ。

 だがメルティー様に罪は無い。

 あそこで彼女を見放していたら、俺はきっと一生後悔していただろう。

 万が一これが戦に繋がったとしても、子供の命を狙うような国は必ず潰してやる!


 しかしこんだけ人を集めて、すぐ解散ってのもな・・・。

 折角だからアレのお披露目でもすっか?

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