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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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142/899

142 予想以上に成長していた


 ギンッ!


「グギャアアアアアアアアア!」



 ルシオが刀を鞘に納める。

 戦いが終わったわけじゃないぞ?これは抜刀術の構えだ。


 満身創痍の赤ゴブリンが、ルシオの脳天目掛けてハルバードを振り下ろす。


 それを見切ったルシオが、槍を躱しながら刀を一閃。



「グギャ・・・」


 チンッ


 とうとう赤ゴブリンが地に伏した。ルシオの勝利だ!



 パチパチパチパチ!



「やるじゃないか!赤ゴブリンを倒せるほど強くなっていたとはな!」


「は~~~~っ、本当に強敵でした!2階のゴブリンとは強さの桁がまるで違いますね!正直、何度も冷や汗を流しましたよ」

「俺なんかコイツに一度負けているんだぞ?まあそのお陰で、技を鍛え直して現在皆に教えてる戦い方に繋がるんだけどな。俺の師匠はリザードマンだ」

「ああ!リザードマンも強いですよね!しかも剣筋がとても綺麗です!」

「俺もあの剣技に感動してな。いや、剣技だけじゃなく姿勢から何から全て見習った。最も、俺の武器は刀だから半分以上我流なんだが」


 このダンジョンに、戦い方を参考に出来る魔物がいたのには本当に助けられた。


 あの場所にあの魔物を配置したのは、そういう理由があったんだと思う。剣の技術ナシではあの赤いゴブリンは倒せないと。その先に進んだら死ぬぞと。


「なるほど、そうだったのですか。本当にこのダンジョンにいると、いくらでも強くなれそうです」

「おっと!まったり話してる場合じゃないぞ。魔石と武器を回収だ」

「そうでした!」



 ルシオが慌てて魔石と槍を回収した。



「この槍は赤ゴブリンを倒したルシオのもんだ。とりあえず俺が預かっとくけど、尾張に帰ったら渡すよ」

「それは嬉しいですね!刀があるので武器として使うことはなさそうですけど、初めて強敵を撃破した記念に部屋に飾っておきたいです!」

「そうだな。宝物として飾っとくのも良いし、槍が得意な部下ができたら恩賞として渡すのもアリだぞ」

「僕に部下ですか!?」

「強くなれば出世もするさ。そして有能な人材は上司が見つけてやるんだ。例え素質があっても上の者が目をかけてやらないと、一人で這い上がるのは困難だからな」

「なるほど・・・、人の上に立つ責任にも色々あるのですね」


 ルシオよ、お前がその有能な人材なんだぞ?


「そうだな。よし、赤ゴブリンが倒せるならば4階どころか5階を攻めても大丈夫だ。というか4階は海産物ゾーンだから雑魚ばっかなんだ。しかし4階には、前に警告した危険な人魚がいるから要注意な」

「ああ!眠らせてくる魔物でしたよね?」

「最初は俺がついて行ってやる。眠ったら確実に死ぬからマジで危ねえんだアイツ。そこで眠気に完全に抵抗出来るようになるまで、ひたすら耐性上げをするぞ」

「わ、わかりました!頑張ります!」


 そこで耐性を上げきってしまえば、一生モノの財産になるからな。

 半日ほど費やせば耐性もLv7までなら上がる。人魚の強さの問題もあるようで、MAXまで上げるには、人魚の目の前に住み込むくらいの覚悟が必要だろう。



 そのまま2人で人魚ゾーンまで移動し、ルシオの耐性をガッツリ上げまくった。






 ************************************************************






 ガチャコン!



「よし赤だ!服確定!」



 当然女性服だったが、最初から完全に諦めているので悲しみすらない。

 もう男性服を求めて一喜一憂する段階は乗り越えたのだ。


 出ると思っているからショックがデカいのです。

 出ないのが当たり前と考え、間違って男性服が出た時に驚けば良いのさ。


 ってか毎日ガチャってるから、変に期待なんかすると俺の精神が持たないのだ!



 ガチャコン!キュピン!



「銀キターーー!」


 カードに書かれている文字は【魔道具】


「なんだと!?どわッ!!」



[時計(特大)]

 :魔力で時刻を自動調整してくれる大きな時計。評価A

 :素材は不明。魔石をセットすれば動き始めます。

 :衝撃耐性+ 魔法耐性+ 炎耐性 冷気耐性 防水機能



「・・・・・・・・・死ぬかと思った」


 マジでびっくらこいたわ!!いきなり手の上に2メートル級の時計だぞ!?

 地面に落とさなかった俺を非常に褒めてやりたい!


 しかしこいつはスゲー!城の正面にドーンと嵌め込んだら最高じゃん!

 時刻を自動調整してくれるって、無茶苦茶高性能だなあ。


 時計は作ろうにも知識が無かったので完全に諦めていたのだ。

 昔懐中時計を解体した時に、中に細かい部品がギッシリ詰まってるのを見ているんで、まず作ろうという気が起こらなかった。


 まさかこんなデカいのが手に入るとはな!マジで心の底から感動している。


 動かす前に、耐性を上げまくって自動修復も付けよう。

 雷が落ちても平気なように、雷耐性とかも付与するべきだな。


 今回は本当にすげーわ。カメラも当てたし、かなりガチャ運に恵まれてるぞ!

 帰るまでに、もう一つくらい面白い魔道具をゲットしたいな~。



 絶対に壊すわけにはいかないので、速攻で時計を強化しまくった。




 ・・・・・




「ルシオ!ルシオ!」


「あ、小烏丸さん。どうしました?」

「大物をゲットしたぞ!!!」

「おお!?ガチャで当たりを引いたのですか?」

「ウム!まあ見てくれ!」



 マジックバッグから巨大時計を取り出した。



「な!?なんです?その大きいのは!!!」


「時計だよ!現在の時刻がわかる魔道具だ!」

「とけい?」


 時計に魔石(中)を入れると、自動で針がグルグル回って現在の時刻に合わさった。いや、時刻が正しいのか判断する術もないんだけどさ。


「すげーなこれ・・・、魔石を入れただけで時刻が自動調整されたぞ」

「まったく意味が分かりません!!」

「針の位置と数字を照らし合わせるんだ。朝か夜かわからんけど今は6時だ!」


 体感的に、たぶん朝じゃなくて夕方の6時な気がする。

 ダンジョンってずっと明るいから、ずっと暮らしてると、朝なのか夜なのか全くわからなくなるんだよな・・・。


「へーーーー!これで正確な時間が分かるのですね?すごく便利そうです」

「帰ったらこれを城の正面に嵌め込むからな!きっとみんな驚くぞ」


 尾張国民の誰もが、今までずっと時間にアバウトな生活をしてたのだから、これからは逆に時間に囚われてしまうことに窮屈さを感じるかもしれんけどね。


 というか時間が分かるようになって一番嬉しいのは、間違いなくこの俺だ!

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