127 トラネコ城の改築工事
「ひゃああああああーーーーー!!」
只今バイクで疾走中。
「ゆっくり走ると、到着まで時間がかかりすぎるから我慢してくれ!」
「うわ~~~~~~~ん!本当に怖いですこれ!!」
いきなりのバイクだからなあ・・・。せめて道が舗装されていればマシなのだが、エルフ達を鍛えてアスファルトの道路が完成するまでは我慢するしかないのだ。
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やっとこさトラネコ城に到着し、憔悴しきって涙目のルルをおんぶしたままトラネコ城に入った。
「小烏丸!やっと来てくれたのね!!」
カーラが、尻尾をぶんぶん振るような勢いで抱きついてきた。
「うおっ!!ルルをおんぶしてるんだから、今はアカンて!」
「そういえば背中にぐったりしたルルがいるわね?」
「バイクをかっ飛ばして来たんでなー。初心者にはキツかったようだ」
「いいわよねー、アタシも乗り物が欲しいわ!」
俺が土魔法使いだったらな~。
「作ってあげたいのは山々だけど、土魔法を極めていてバイクの構造を知り尽くしている清光さんにしか作れないんだよなあ・・・」
「三河の大名に直に頼めるわけないし、尾張の土魔法使いにコレと近い物が作れないか聞いてみようかな?」
「頑張ればゴーレムが作れるみたいだから可能性はあると思うぞ。それはともかく、どこか部屋に案内してくれないか?ルルを休ませたい」
「そうね。ルルがこんなんじゃお風呂を作るなんて無理そうだし」
カーラに案内されて、客間の一つに入った。
「俺もお風呂セット作る必要があるから、風呂場まで案内してくれないか?」
「了解よ!ただジャバルグってさ、あまりお風呂に拘る人じゃなかったみたいで、ルーサイアの領主の館のお風呂を少し大きくした程度なのよ・・・」
「こんな城なのに風呂はその程度なのか!・・・だったらいっそのこと、大浴場を一から作ったほうが良いのかもしれないな」
トラネコ城の風呂場に案内された。
「・・・うん。風呂場の拡張はやめだ。別の場所に大浴場を作ろう」
「ミケネコ城みたいな大浴場になるの!?」
「ルルの魔力次第だから、それはまだ何とも言えない。でも俺が作った指輪を嵌めてるんで、時間を掛ければ出来るかな?ってとこ」
「ルルに期待するしかないわね」
あ、そうだ!
「大浴場が完成したらそこを女性専用にしてさ、この風呂場を男性用にして明け渡せば良いんじゃないか?」
「それだ!!今までは時間を決めて一般兵にも開放してたんだけど、お風呂が別々に分かれていれば、もうそんな心配が無くなるのね!」
「最近ミケネコ城の1階に男風呂を作って男性陣も入れるようにしたんだけど、かなりの大盛況だぞ。女にモテたいなら清潔感が重要だと力説したら、そりゃあもうみんな必死に洗ってたな!」
「アハハハハハッ!でもその通りね!不潔な男は嫌いだわっ」
カーラと改築する場所を話し合いながら、ルルの復活を待った。
・・・・・
「もう大丈夫なのです!」
「おっ!?ルルが復活したぞ!!これでようやく大浴場が作れそうだな」
「ルル!すっごく期待してるからね!」
「はわわわわ・・・、が、頑張りますです!!」
ルルを改築場所に案内し、紙に書いた完成図を見せながら話し合う。
「たぶん出来るとは思うけど、3日4日かかるですよ?」
「俺もトラネコ城に必要な魔道具作りに時間がかかるから大丈夫だ。お風呂セット以外にも色々作らなきゃいかんから」
「2人に全部お任せするわ!アタシに出来ることがあったら何でも手伝うから、その時は呼んでね!」
それぞれ持ち場が違うので、別々に仕事を開始した。
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「よーーーし、大浴場セットはこれでおしまい!」
場所の関係で、プールの大きさは一緒だけど、浴槽は三つとなった。
大量の照明、お湯生成機4台、水生成機4台、シャワー13台。だがこれは大浴場だけの分で、男湯にも必要なのでそれも全部作った。
次はこの城を強化しなければならないので、必要な物を考える。
まずは照明いっぱい。
厨房やらで必要な水生成機をいくつか。
冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機。
ドライヤーも8個ほど必要か。
そして冬が近いのでストーブもいっぱい。
正直かなり大変だけど、これを作らんとトラネコ組が可哀相だからな~。
大浴場の完成までまだ時間がかかるので、作業を続行した。
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トントン
「どうぞー」
部屋の中に入って来たのはルルだった。
「大浴場が完成したです!まだ試してないけど、排水溝も大丈夫だと思うです!」
「お疲れ様!こっちも大体終わったぞ。じゃあ早速魔道具の設置に向かうか~」
「はいっ!」
ルルと手分けして魔道具を設置して行く。
大変なのはやはり照明の設置だ。天井が高いと難易度も高くなるんだよね。
風呂職人の俺にかかれば最速のタイムで設置することも可能だけど、何度やろうが面倒くさいの極致なんスわ・・・。
腕が吊りそうになりながらも、ようやくトラネコ城に大浴場が誕生した。




