117 大浴場の完成
只今大浴場の下調べ中。
シャワーを作っていたんだけど、大浴場ってよく考えたらシャワー1個2個じゃ全然足りんよな?あと天井に設置する照明の数も、一体何個必要なのかがまったく想像つかなくてさ、実際に大浴場へ行って確認する必要性を感じたのだ。
・・・うん。観光地のホテルなんかにある大浴場クラスだ。
すげーデカい浴槽が四つもあった。そしてまさかの巨大プールまでも!
清光さん、あンた風呂に気合入れすぎだろ!まあこんだけの城だから、これくらいの風呂じゃなきゃ釣り合わないと言えなくもないけどさ・・・。
巨大な浴槽にはライオンの像が置いてあり、これを見た瞬間に口からお湯を出すのが確定した。石を削ったりして像を改造すれば可能だろう。
ただ水生成機も必要なので、隣に動物型の水生成機を設置しようと思う。
シャワーは座るタイプのが10個もあれば良いかな?こういう大浴場で、シャワーを立って使う人っているんかなあ?・・・まあ一応3個くらい作っとくか。
照明はかなりの数が必要になるだろう。しかも天井が高いので巨大な脚立も作らねばならない。一個一個取り付けてなんてやってられんから、横に長いヤツだな。
ハッキリ言おう。大仕事すぎて俺はすでに鬱であると!
でもやるしかないんだよなー。
作業部屋に工具を取りに戻ってから、風呂場で魔道具を作り始めた。
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「うおらああああああああああ!完成じゃああああああああああ!!」
規模がデカすぎて丸3日かかったぞ・・・。
まず天井に照明を設置しまくった。
照明の魔道具は天井にずらっと設置したんだけど、回路を脱衣場にまで伸ばして、脱衣所でスイッチを入れられるようにした。魔石も全て脱衣所に設置した大きな箱の中にあるので、量はむっちゃ多いけど交換は簡単に出来るハズだ。
試しにスイッチを入れてみると、大浴場が神々しい光に包まれむっちゃ感動した。
次にライオンの像を削って中に水生成機を入れ、口からお湯が出るようにした。
横にはゾウさんの像を設置し、頭のボタンを押すと長い鼻から水が出るのだ。
もちろんライオンの頭にもボタンをつけたぞ。これを浴槽四つ分作った。
そしてプールにも同じく、お湯生成機と水生成機を設置。水生成機だけだと冷たすぎて風邪をひくから、ぬるま湯にする必要があるのだ。
プールはすごい量の水が必要なので、水生成機も水量マシマシの特別製だ。
でもって、洗い場には等間隔でシャワーを設置した。もうわちゃわちゃ状態で丸洗いされるワケにゃいかんからな!ただ、さすがに椅子までは作る時間がなかった。
石や鉄の椅子だと尻が冷たいだろうから、小さな木の椅子を作らなきゃだな~。ドワーフ達は忙しいだろうから、エルフにでも注文しようかな?
あとは風呂桶も必要か。なんかまだ足りないものがありそうだな・・・。
ドワーフ達が取り付けていった窓を何ヶ所も全開にし、浴槽にお湯を張り始めた。それと同時にプールにも水を溜めていく。
「いや~、これは爽快だな!!」
「めちゃめちゃ凄いっス!!」
ん?
「ってルーシーじゃないか!いつの間に出現したんだよ!?」
「タハハハハハッ!今来た所っスよ。お風呂がめっちゃ光ってたから何だろ?って」
「魔道具を作ると必ず出現するその嗅覚、恐ろしき女よ・・・」
ルーシーは大浴場に興味津々のようだ。
「このシャワーとか、もう使えるっスか?」
「まだ試してないけど動くハズだぞ」
「じゃあウチが全部調べてあげるっスよ!」
「おお、そりゃ助かる。俺は浴槽の方をチェックしてるんで、シャワーの動作確認は任せた!」
浴槽もだけど、プールは水が溜まるまで、まだまだ時間がかかるなこりゃ。
ただボーッと待っていてもしょうがないので、浴槽を見張りつつ、他に必要な魔道具を作り始めた。
・・・・・
「あはははははははっ!」
「こらっ!泡を流してるのに、シャンプーを継ぎ足したわね!?」
「あははは!それ面白いっス!永久に頭を洗い続けるっス!」
ん?なんか後ろでえらい騒いでるな。
洗い場を見ると、ルーシー、ピピン、エレンの三馬鹿トリオが、裸で髪を洗っていた。いや、エレンは被害者っぽいから三馬鹿に入れるのは可哀相か・・・。
ってそうじゃねえ!
「うおーーーい!!俺が作業中なのに、なぜ普通にシャワーを浴びている!?」
「にはははは!ウチは見られても平気っスよ」
「あたしも平気ー!」
「私は・・・、うん、もう慣れたわね」
「いやいやいやいや!紳士の中でも最上位の究極紳士の俺だからいいが、他の男の前で裸になったら普通に襲われるからな!?」
「男が見てるのに裸になんてならないよ」
「小烏丸はいいけど、男がいたら裸になんてならないっスよ」
「そうね。小烏丸くんはなぜか平気なのよね~?」
なぜ俺は大丈夫なんだ!?
さっぱりわからん・・・。男扱いされてないってことだろうか?
「理由はわからんが、それならまあいいか・・・。あ!浴槽がそろそろ使えそうだぞ。水で湯加減の調整するから、少しだけ待っててくれ」
「「ハーーーイ!」」
ゾウさんの頭を叩き、水を足しながら棒でぐるぐるかき混ぜる。
んー、温くなってもイカンし、こんなもんだろか?
「おーい!!俺は裸じゃないんで、お湯の温度が良いのか悪いのか正直よくわからん。誰かお湯のチェックをしてくれないか?」
「なるほど、任せるっス!」
「小烏丸も服を脱いで、一緒に入ればいいじゃない」
「洗ってあげようか?」
・・・・・・いや、いかんでしょ!ちょっと悩んでしまったぞ!
「んーーー、ちょっと熱いかな?でも後から来る人のことを考えたら、こんなもんじゃないっスかね?」
「それなら良かった。ってかもう、みんな城に引っ越してきたのか?」
「引っ越しの最中よ?家具とかを色々運んだから、みんな汗だくなの」
「そうそう!お風呂が完成してて良かったー!」
三馬鹿とそんな会話をしていたら、後ろから声が聞こえて来た。
「おおおっ!お風呂だーーーー!!」
「すごいじゃない!もう入ってる人がいるから使えるわよ!」
「やったーーーーーー!!!」
って、またこのパターンかーい!ココの人達の羞恥心はどうなっている!?
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