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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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104 三河の城

 三河で動物乗り物を買い、城を目指して移動中。



「あはははははははっ!!」



 初めての体験でミスフィートさんが無茶苦茶楽しそうに笑っているのを、俺は微笑ましく眺めていた。

 しかしそんな楽しそうな姿を横目で見ながら、ふと我に返った。そして恥ずかしさでいっぱいになる。なぜ俺はこんな大事なことに気が付かなかったのだろう?


 想像してみろ。デパートの屋上で、動物の乗り物で遊んでいる赤い流星を!!


 周りからどう見えているかってのを完全に失念していた。

 こんな姿、絶対にファンに見られるわけにはいかねえぞ・・・。



 ハァ・・・、まあ気にするのはやめよう。これで城まで行かなきゃならんのだし。


 ちなみにミスフィートさんは、白いウサギを選択した。

 だが真っ白ではなく、思った以上にリアルなウサギだ。これを塗った製作者のセンスはかなりのレベルと言っていい。

 ひょっとして、レベッカさんが自ら手掛けたんだろうかね?


 んでもって俺の愛機はパンダちゃんだ。

 やっぱ乗るならパンダだよな!?最初見た時からコイツに心を奪われてしまった。


 ・・・ん?この頭にある出っ張りはなんだ?


 押してみる。


 うにょうにょうにょうにょ



「うおおおおおおおおおおおお!!」


「なっ!?なんだその速さは!するいぞ!!」



 まさかの加速装置か!?



 もう一度押すと元に戻った。


 パンダちゃん号を停止して、ミスフィートさんが追いつくのを待つ。


「小烏丸っ!今のはなんだ!?」

「頭に出っ張りがありますよね?それを押したら加速しました」

「んー、頭の出っ張り?ああ、これか!」


 うにょうにょうにょうにょ


「おおおおおおーーーーっ!!」


 ミスフィートさんが加速したので慌てて追いかける。


「待てーい、ルパーーーン!」

「あーーっはっはっはっはっは!!」


 そんなこんなで、思った以上の速度で城へ近づいて行った。






 ************************************************************






「あれか!?大きそうな街が見えるぞ」


「おおーーー、やっと着いた!」



 最初の街を出てから3日、ようやく三河の首都に到着した。

 ずっと加速状態で来たのに、到着するまでにこれだけかかってしまったのだ。

 歩きだったら大変だったなこりゃ。


 門番に事情を説明し、通してもらう。



「いやはや、素晴らしい街ですね~」

「尾張とは全然違うな!」


 首都トラネコもそれなりに栄えてはいたが、こっちの世界の範疇だった。

 だが三河は、文明が1ランクどころか3ランクほど違う。


 こんなのを見てしまうと、今すぐ尾張を作り変えたくてしょうがない気分になる。

 たぶんミスフィートさんも、俺と同じことを考えているに違いない。



 うにょうにょと街の中を進んで行くと、デカい城が見えて来た。



「アレが三河の城なのか!」

「凄まじいな・・・。キミの知り合いは何者なのだ?」

「んーー、一般人とはまず常識が違いますね。とにかく頭の中が別世界なので、想像を超えた発展をしているのも全然不思議ではないです」

「尾張もこのような美しい国に出来るだろうか?」

「出来ます。俺の頭の中にも別世界が見えていますから。それにミスフィートさんも現在、別世界を見ているのです。後は帰ってからそれを再現するだけ」


 先は長いけどな。時間さえあればやれる自信はあるぞ!



 時間も遅かったので、宿で一泊してからまた城へ向かった。






 ************************************************************






 城門前にいた兵士に説明をし、しばらく待っていると、見知った人がやって来た。



「おお、赤い流星にゃ!」

「お久しぶりです、ニーニャさん」

「久しぶりにゃ!えーとこちらがミスフィート殿にゃ?」

「尾張大名ミスフィートだ。宜しく頼む」

「宜しくにゃ!んじゃ城のにゃかへ案内するから、ついて来るにゃ!」


 ニーニャさんに連れられて城の中へ入って行った。



「これは凄いな・・・・・・」

「悲しいかな、こんなのを見てしまうと、トラネコ城がちゃっちく感じますね」


 なんかもう、大きさも違うし美しさも桁違いだ。


「ココにゃ」



 ニーニャさんが大きな扉を開けると、そこは大広間だった。

 奥には玉座があり、清光さんが座っているのが見えた。

 横には中二病チックな虎徹さんも立っている。



「来たか!久しぶりだな、小烏丸!」



 清光さんが立ち上がって、こっちに向かって歩いて来た。

 いやいやいや、そこで話をするんじゃないんかーい!



「お久しぶりです!」


「いや~、懐かしいな!その姿」

「虎徹さんも元気そうですね」


「で、そちらの美しい女性がミスフィート殿だな?」


「尾張大名ミスフィートだ。招待して頂き感謝する!」

「三河大名の清光だ。遠くまでわざわざ来てもらって、こちらこそ感謝する」

「虎徹だ。小烏丸から聞いていたんで、会うのを楽しみにしてた。よろしく!」


 いやー、ホントに懐かしい。とはいえ、あれから1年も経ってないけどさ。

 色々ありすぎて、10年くらい会ってなかった気分だよ。


「尾張からの旅は結構大変だったろう。とりあえず大事な話をするのにココじゃ落ち着かんから、場所を変えよう」

「最初に玉座の間に案内されるのは、外交の基本って感じですか?」

「俺も少しくらい見栄を張りたい時があるんだよ!凄いだろ?この玉座」

「確かに美しくも荘厳ですね。いかにも、王様!って感じがします」

「ハハハッ!まあ滅多に座らないんだけどな!じゃあついて来てくれ」



 そして来客用の部屋へと移動し、同盟の話し合いが始まった。

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