Side零人 は?
「まあ、今日は零人もきたことだし、許してあげる」
「「ありがとうございます!!!」」
「じゃあ、教室行こっか」
「「はい!」」
いや〜よかった〜。なんとか落ち着いたか。死ななくてよかった!
さて、一難去ってまた一難とはこのことだな。……どうしよう、計画が失敗したら。ダメだ!もっと自信を持たないと!
さあ、計画を始めようじゃないか!
「零人ありがとう!いや、ありがとうございます零人様!」
「べつに気にしなくていいよ?司くん?ああ、でも一つお願いを聞いてもらってもいいかな?」
「おれに出来ることならなんでも言ってくれ!」
言ったな?
「じゃあ、これ付けて」
「なんだ、そんなことでいいのか。てっきり一回地獄を見てこいとか言うと思ったわ」
「……俺を何だと思ってる。そんなこと言うわけないだろ」
「ねえ、どうでもいいから早くして」
「「へいへい」」
さて、今日の何が嫌か、いい加減話そう。そう、今日は体力テストだ。何が嫌かわからないだろう。俺は、手加減が苦手なんだ。そのせいで、測定器壊したり床割ったり全校中の女子が集まってキャーキャー言ったり。それだけじゃない。終わったあとに先生から色々と文句言われるし。これが嫌で去年休んだら家爆破。そこで俺は決めた。今年は司を嵌めようと。
さっき渡した腕輪は、ステータスを上げるエンチャントが付いている。効果は3倍。これだけ上げればさすがに制御が効かなくなるだろう。テストが楽しみだ。
……おかしい。
司に変化が見られない。何故だ?俺が使ったときは上手くいったのに。
そんなことを考えていると、司が話しかけてくる。
「よう零人、そろそろお前の番だろ?今年は壊すなよ」
「あ、ああそうだな。あ、その……お前今日体に異常があったりしないか?」
「ん?ああ、確かに今日は異常なくらい力が溢れてくるな。ってかお前の腕輪のせいだろ?」
なっ、何故バレている!!!
「……どうしてわかった。完璧な隠蔽をしたのに」
「いや、どう考えても怪しいだろ。つけてからおかしいし、外れねえし。逆になんでバレないと思ったんだよ?」
「くっ、完璧な計画だと思ったのに」
「お前って結構バカだよな」
「うるせぇ、俺はどうせ脳筋だ。っていうかなんでこの大学には体力テストなんてのがあんだよ!」
「まあ、元気出せ。特訓に付き合ってやるから」
「本当か!」
「あ、ヤベ俺死ぬかもしんねえ」
司とそんなやりとりをしていると、校舎の方から先生が走ってきた。
「おい!零人はいるか!」
「はい、いますよ」
「大変だ!お前の弟が消えたぞ!!」
は?