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宿花に願いを乗せて  作者: 薔薇茶
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第1話 僕の人生が終わるまで

 世間はゴールデンウイーク初日。雲一つない爽やかな青空から暖かい日差しが降り注いでいる。柔らかな風が近くの花壇に咲く赤い花を揺らした。


 大型連休の初日から朝早く活動するのは、公園で遊ぶ元気な子供たちか旅行へ向かう人々くらいで、普通の学生なら呑気に惰眠を貪っている事だろう。

だが僕は通学路を歩いている。通学途中である。


「折角の連休なのになんで追試があるんだ……、しかもわざわざ一限の時間に……」


 ブツブツ文句を言いながら、晴れの休日に相応しくないどんよりした面持ちで歩いてく。公園で遊ぶ子供たちの歓声が頭に響いて、羨ましさに参りそうになる。


 そこまで文句を言うなら休めばいいのにと言われそうだが、あいにく休んだところでやることもない。大学に入学して一ヶ月が経つが、入りたいサークルは見つからず、講義を一緒に受けている学生とまともに話も出来ていない、いわゆるぼっちだからだ。


 一応幼馴染が一人いるのだが、別の大学に通っており、あいつは学生ライフをエンジョイしているらしい。


 趣味に打ち込もうにも、つい最近RPGを一本クリアしたばかりなのだ。……それに時間をかけすぎたせいでテスト勉強が間に合わず、再試になってしまったのだが。

 完全に自業自得なので、嫌々ながらこうして大学へ向かっているのであった。


「彼女が出来ていればデートとかして、楽しい連休になったんだろうなあ……。分かってる、ぼっちには無縁の話だ」


 公園の横を通り抜け、大通りへ出ようとしたところで、何かが横から追い抜いていくのを感じて立ち止まった。

 サッカーボールがぽんと跳ね、僕を追い越して道路へ転がっていったのだ。直後それを追いかけて女の子が道路へ飛び出した。

 ボールに追いついて拾い上げている間に、車が近づいてくる……ブレーキをかける気配がない!


「マジかよ、危ない!」


 叫ぶと同時に僕は走り出し、満足げに立ち上がった女の子を向こう側の歩道まで突き飛ばした。

 僕に出来たのはそこまでだった。代わりに車に撥ねられ、宙を舞う。一瞬だけ猛烈な痛みを感じたが、あっという間に意識を失った。

初めまして、薔薇茶と申します。閲覧有難うございます。

タイトルの始めは、宿花と書いて「よみはな」と読みます。返り咲きの花という意味です。

この物語は、友人が「事故死した少年と願いを叶える少女の物語を書く」と言い出した時に、自分だったらどういう話にするかと考えてるうちにどんどん想像が膨らみ、思わず筆をとり誕生しました。そしてどうせなら誰かに見てもらいたいと、こうして投稿するに至りました。

友人の作品はpixivに「最期くらいとびっきりの笑顔を君に」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9685076)というタイトルで投稿されているので、お時間あればそちらも読んで頂ければと思います。

作品の経緯上、特に導入部分が酷似しています。書く人によって違いがあるんだなという風に見てもらえれば幸いです。

拙い文章ではありますが、楽しんでもらえればとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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