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プロローグ

はじめまして、お目汚し失礼します。


元は中学時代に書いたものなので、至らないところが多いですが、

日の目を見れないのは可哀想なので初投稿してみました。

BL風の近未来SFです。

萩尾望都氏の漫画の影響が出ていると思います。

 その遊園地は、とある星の小さな海辺の町にあった。彼の生まれた、取り立てるほどのものなどない町でただ一つ有名な、いや有名「だった」ものだ。

 彼はその町が嫌いだった。もしかしたら世界自体が彼にとっては取り立てるようなものではなかったのかも知れないが、どちらにしてもそれは子供だったからだろう。本当は、今も大して変わってはいない。

 第三セクターの名の下、狭い埋め立て地に十二年前に建設された、不似合いな程馬鹿でかい観覧車のあるその遊園地は、完成当時の人気も次第に失せ、ついに一年前に消えた。殆ど無人同然の公園になっている今となっては、観光名所どころか、都市再生の夢の跡ですらない。

 だが、彼は五年前のあの日、その誰もいない真昼の遊園地に、懐かしいような既視感(デジャヴュ)を覚えたのだ。

 遥か昔のことだが、彼等がどのような経路を辿って大人になったのかを語るには、あの日無くしてはできないだろうと僕は思う。


 人生を最初からやり直す事は不可能だ。誰もがそれを知りながら、あの日に戻りたいと願う。

 人間は変わる。その変化を止める事はできない。

 だが、いつまでも変わらないものもある。

 思い出は滲む。そして消えていく。

 だが、どうやっても消えないものもある。

 それが強いものなら強いものである程。

 哀しいものなら哀しいものである程。

 それらを引きずって生きていくには彼等は若すぎる。

 過ぎた日の美しさ、きらめきは忘れるには鮮明すぎる。


 あの日から僕は考えている。三年前、彼等がまだ子供だった頃の事を、ずっと。


 どこにも行きたくないけど、どこかに行ってしまいたい。

 そう思って、あの日、彼等はこの世の果てを探す旅に出たのだ。



 そして今日、彼はこの星に帰って来る。

イメージテーマは、古くてマイナーな曲ですが

染谷俊の『太陽の季節』です。

あと、マイラバの『Hello,again〜昔からある場所〜』や

松任谷由実の『Hello my friend』も。


なんせ90年代ですからね・・・。

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