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第67話

「……」

 フィルの口からは発せられた言葉ワードには1つ1つに魔力が宿り、フィルの身体を覆っていた魔力は巨大な渦になり、

「す、凄い」

「……流石にここまで魔力が集められたら私でもわかるわ」

 その魔力の渦はティアナのような魔法に携わる者だけではなく、フィリアのように魔法が一切使えないような人間にも理解できる強力な魔力は無数の光の球に分かれ始め、

「……魔光石が反応し始めたな」

「はい」

 フィルの魔法に反応するようにまだ解放されていないはずの魔光石が宙に浮かびあがると同時にフィルの詠唱により、集められた魔力の球は魔光石を撃ち抜いて行き、魔光石は強力な光を放ちはじけ飛んで行く。

「……これで良いな」

「……何をしたんだ?」

 はじけ飛んだ魔光石は光の粒子となり、グラン平原に降り注ぎだすと枯れ果てていた大地は生命を取り戻し始め、

「……キレイです」

「解放された精霊達が枯れた大地に生命いのちを与える」

 ティアナは取り戻されて行く、生命の輝きに目を輝かせる姿にフィルは今、この場で起きている事を確認するように呟き、

「……これで一先ずは依頼は完了ってところか?」

「あぁ。だけど……まだ、先は長いな」

「たかだか、問題の起きている場所の一画でしかないのよね」

「……言うな。先が長すぎて嫌になるから」

 1人この光景に目を輝かせているティアナとは対照的にフィル、ジオ、フィリアの3人はこの先の事を現実的に考えており、

「まぁ、俺達以外にも動く人間がいるんだ。データをまとめて他の奴らでもどうにかできるようにしないとな」

「流石にこんな芸当、あんたくらいにしかできないでしょしね」

 フィルは大地が枯れている原因である魔法式の研究データをまとめて他の人間が使えるように新しい魔法式や対応を考えないといけないとため息を吐き、フィリアはこれからのフィルがどれだけ大変かは理解出来るようだが魔法の使えない自分には関係ないと言いたげに笑う。

「まぁ、とりあえず、片づけるか? ……フィル、今更だけど、そう言えば、ドラゴンってどうなったんだ?」

「本当に今更ね……まだ、光の球がドラゴンを包んだままね。あれって時間かかるの?」

「さあな。実際は魔獣から獣性を取り除く魔法だからな。ドラゴン相手だとどれくらいの時間がかかるかはわからない」

 ジオはグラン平原での依頼が終了した事とこれからのフィルの作業を考えると早めに学園に戻った方が良いと判断したようで後片付けに移ろうとするがフィルが魔法でドラゴンを捕えていた事を思い出し、フィリアは未だに何も変化のないドラゴンを包んだ光を見上げ、フィルは開発中の魔法でもあるためか、魔法の効果が出るまでにどれだけの時間がかかるかわからないと首を振った時、

「フィ、フィルさん、あ、あれって、な、何が起きるんですか!?」

「ん? 実験段階だからなどうなるかはわからん。まぁ、魔力が弾けて襲って来ても問題はないから慌てるな」

「そ、そんな無責任な事を言わないでください」

 ティアナはドラゴンを包んでいたはずの魔力の球が収縮して行く事に気づき、先ほどまで目を輝かせていた時とは表情を変えて慌て出すがフィルは落ち着いており、ティアナはフィルの落ち着きように声をあげるが、

「この光景ももうお約束よね」

「そうだな」

 フィルとティアナの様子にジオとフィリアは苦笑いを浮かべる。



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