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第64話

 フィルがジオとフィリアの援護に入ると後は一方的な戦闘であった。フィルがドラゴンの攻撃を魔法で全て塞ぎ、バランスを崩したところをジオとフィリアが攻撃をするの繰り返し、ドラゴンの攻撃は1発は重く強力で有ったが的の小さい人間相手では的確に狙う事もできない上に、全て魔法で防がれて行くため、攻撃は乱雑になり、乱雑な攻撃はドラゴンの体力を少しずつ削って行く上に威力は小さくても確実にジオとフィリアはドラゴンにダメージを積み重ねて行く。

「す、凄い。本当にドラゴン相手に……フィルさん?」

「そうだな。せっかくの機会だ。もう1つだけ、試したい魔法があったんだ。ジオ、フィア、殺さない程度に相手をしていてくれ」

「フィル、あんた、ずいぶんと簡単に言うわね」

 ティアナは3人の連携に驚きを隠せないようだが、フィルが何かをしようとしている事に気づいたようであり、フィルの名前を呼ぶと彼はジオとフィリアに時間を稼ぐように言うと2人の返事を聞く事なく、新たな魔法の詠唱に移り始め、

「まぁ、あいつが勝手な事を言うのはいつもの事だろ。だけど、その後に必ず結果を出すんだ。あいつを信じるしかないだろ」

「そうなんだけどさ……ねえ、ティアナ」

「は、はい!?」

「何か魔法って試さないの? それなりに魔法の勉強してきたんでしょ」

 ジオは苦笑いを浮かべると剣を構え直し、ドラゴンに向かって行くがフィリアはティアナに魔法を使ってみないかと聞く。

「む、無理ですよ。攻撃魔法はセンスがないってフィルさんにも他の先生達にも言われましたし、支援魔法や補助魔法は基礎の基礎しかできないのでフィルさんの魔法に敵いません」

「残念……なら、呪歌は?」

「私の呪歌は対象を決められないからドラゴン相手にも効果がある可能性が」

「そう? それなら、そこが次の課題ね。なら、フィルに守って貰ってなさい。私も行ってくるから」

 ティアナは使える魔法や呪歌では今の戦闘では役に立たないと慌てるとフィリアはニヤニヤと笑った後にドラゴンに向かって駆け出して行き、

「……課題? 私、本当にやっていけるのかな?」

 ティアナは改めて自分が今までとは違う世界に入り込んだのだと思ったようで大きく肩を落とした時、

「ジオ、フィア、放れろ」

「ずいぶんと早く終わったな。もっと時間がかかると思ったんだけどな」

「そうね」

 フィルの魔法の準備ができたようであり、フィルは矢を放つように構えると光輝く魔法の弓と矢が彼の手の中に現れ、フィルの声にジオとフィリアはドラゴンの攻撃をかわし、大きくドラゴンから放れ、

「……血に眠る獣性を封じよ」

 フィルは魔法を決定づける最後の言葉ワードを発すると光の矢はドラゴンを撃ち抜き、ドラゴンは大きな悲鳴とともに巨大なドラゴンの身体は光の球に包まれて行く。

「フィルさん、何をしたんですか?」

「まぁ、見ていろ。まだ、実験段階の魔法なんだが成功すれば有効に使えるコマが増えるからな」

 ティアナは目の前で何が起きているのかがわからないようでフィルの服の裾をつかんで聞くがフィルの反応は薄く、結果が出るまで待っているように言う。



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