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第56話

「えーと、言い過ぎじゃないでしょうか?」

「その時点で、該当者をフィアと決めつけてるティアナも充分にね」

「そ、そんな事はないですよ!?」

 ティアナはフィリアが何も考えずに魔獣に攻撃を仕掛ける姿が目に浮かんだようで苦笑いを浮かべるとジオはティアナをからかう。

「言い過ぎでもないだろ。ここに来てからも勝手に暴走してるしな」

「それはフィルさんとジオさんにも問題があるような……あ、あの。フィルさんとジオさんはお2人で良く依頼を受けているんですよね?」

「どうかしたか?」

 ジオにからかわれて慌てだし始めたティアナをフィルが落ち着かせようとするとティアナは何かが引っかかったようである。

「だって、あんなに大騒ぎしていたら、他の人たちと依頼を受けた時は大変な事になるんじゃないですか?」

「……ティアナ、君もかなり酷いよ」

「そ、そんな事はないですよ!?」

 ティアナはフィリアが他の人たちと依頼を受けた時は問題ないのかと聞くとジオはティアナの口から出た言葉にため息を吐く。

「メンバーしだいだ。あんな風に勢いで動く奴らばかりだと気にならないらしいが」

「むしろ、先陣をきって駆け出す姿は勇敢だって言う人間もいるくらいだよ。だけど、連携で戦う人間達のところにヘルプで入ると二度とくるなと言われてるみたいだけどな」

「……あ、あの。それを聞くと酷く不安になるんですけど」

 ティアナは2人から聞く、フィリアの依頼状況に顔を引きつらせる。

「まぁ、あいつと依頼を受ける時は気をつけろ。巻き添えにならないようにしろ」

「そ、そうじゃないです!? どうにかしてあげたいと思わないんですか!?」

「……ティアナ、俺達が今まで何もしてこなかったと思っているのか?」

「……すいません」

 ティアナはフィリアの性格を直してあげないのかと言うが幼なじみであるフィルとジオは既に手を尽くしているようで眉間にしわを寄せ、2人の姿にティアナは本気で謝罪をする。

「……まぁ、俺とジオが言ってももう意地になるだけだからな。気が付いたら、フォローしてくれ」

「俺とフィルの手から離れたな。ティアナが責任をとってくれるみたいだしな」

「ま、待ってください!? お、押しつけないでください!?」

「ティアナ、遊んでないでそろそろ戻れ。聞いた通り、明日は戦闘ありだからな」

 ティアナは完全にジオにからかわれており、あたふたとするとフィルはこれ以上は明日に支障をきたすと思ったようでティアナにテントに戻るように言い、

「は、はい。で、でも、フィルさんとジオさんは?」

「俺は起きてるよ。その分、昼間に寝させて貰ったしね。フィルは結界のほころびを確認をしてから寝るから先に戻って」

「そう言って、召喚の魔法式を起動させないですよね?」

「……信用ないな。わざわざ、時間を選べる中で視界の悪い時間を選ぶわけがないだろ。心配してないで寝ろ」

 フィルとジオはもう少しやる事があるため立ち上がり、フィルは闇の中を歩いて行く。



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