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第4話

 練習場に移動するとフィルは練習用に作られた刃が潰された1対の双剣を持ち、フィリアは同じように刃が潰れた彼女と身長と大差ない大剣を構えており、

「あの。フィルさん、フィアさん、本当にやるんですか?」

「当然だ。この脳みそまで筋肉なバカ女を倒さないと俺の腹の虫が治まらない」

「は? あんたみたいな貧弱モヤシ男、直ぐに返討ちよ。だいたい、学園に入学してからあたしに一太刀も当てた事がない奴が偉そうに言うんじゃないわよ」

 フィルもフィリアもティアナの仲裁などで治まる様子もなく、

「ジ、ジオさん」

「大丈夫。大丈夫。すぐにフィルがぶっ飛ばされて決着が付くから」

「ジオ、てめえ、見てろよ。このバカ力女をぶっ飛ばしたら次はお前だ!!」

 ティアナは傍観に入っているジオに2人を止めるように言うがジオはこの状況にすでになれているようでフィルが負けて決着が付くと言い、フィルはジオを怒鳴りつけるが、

「私を前によそ見をするなんてずいぶんと余裕ね」

「ごふっ!?」

「フィ、フィルさん!?」

「な。決まっただろ」

「結構、飛んだね」

「な、何で、2人ともそんなに冷静なんですか!?」

 フィルの視線がジオに向かった瞬間にフィリアは駆け出し、躊躇することなく大剣でフィアを薙ぎ払うとフィルは勢いよく吹っ飛ばされて行き、フィルを吹っ飛ばしたフィリアとジオは冷静に吹っ飛んで行った先を眺めており、2人とは対照的にティアナは驚きの声を上げてフィルに駆け寄って行く。

「フィ、フィルさん、死んじゃダメです!?」

「いや、ティアナ、首が絞まっているからね」

「へ? フィ、フィルさん!?」

「慌てると……こうなると」

 地面に横たわっているフィルの上半身をつかむと身体を大きく揺すり、フィルを起こそうとするがティアナのその行為は彼女の考えとは真逆にフィルの首を絞めており、フィルの顔色は酸素が回って行っていないのか赤黒くなって行き、フィリアはティアナに落ち着くように言うとその言葉にティアナはフィルの顔色を見て慌てて手を放し、フィルの頭は勢いよく地面に打ち付けられて白目を向き、ジオはコントのような流れに苦笑いを浮かべると、

「とりあえずは研究室に運ぶか?」

「そうしよっか。しかし、相変わらず、こっちは才能ないわね」

「言うな。フィルが1番、気にしてるんだから」

 ジオはフィルを背中に担ぐと研究所に戻ろうと言い、フィリアはジオの背中の上で目を回しているフィルの顔を覗き込みながらフィルには才能がないと言い切り、ジオはその言葉にため息を吐き、

「えっ? えっ? ま、待ってください。ど、どうして、そんな反応なんですか? この間のフィルさんはもっと強くて、私を守ってくれて、あれ?」

「フィルが強い? ティアナ、それはない。勘違い。あり得ない。あいつは貧弱、虚弱、惰弱」

「……フィア、お前は言い過ぎだけどな。ティアナさん、あれにはいろいろとわけがあるんだ。それは本人から聞いた方が速いと思うし……と言うか、俺じゃ、説明しきれないから」

 ティアナは目の前で運ばれて行くフィルの様子に意味がわからないようで目を白黒させているとフィリアはフィルが強いのはあり得ないと言うとジオは苦笑いを浮かべながらティアナとフィルの出会いの時には難しい条件がそろっていたと言い、

「そうなんですか?」

「あぁ。あいつの研究の結果と言うか、何と言うか。まぁ、ここに居てもなんだし、戻ろう」

「は、はい」

 ティアナは首を傾げるとジオはとりあえず、フィルを背負って歩き出し、その後をティアナとフィリアが付いて歩いて行く。


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