第４７話
「フィルさん、何をしたんですか？」
「トラップを誘爆させただけだ」
「……あんた、どうして、何も言わずに簡単に終わらせるのよ」
魔光石を飲み込んだ球体がはじけ飛んで行く様子にティアナは首を傾げるとフィルは表情を変える事なく球体で飲み込んだ魔光石の精霊達だけでも解放していると言い、フィリアは説明もしないで次の過程に進んで行くフィルの様子にため息を吐くが、
「使える魔力分は使わないと時間の無駄だろ」
「……そうよね。あんたはそう言う奴よね」
「……フィル、確かにそれもあるけど、あれだな。この状況で寝れるのか？」
フィルは効率の問題だと言うとフィリアは眉間にしわを寄せてると球体がはじけ飛んでいる音もそれなりに響いているためジオは苦笑いを浮かべると、
「しばらくすれば落ち着くだろ。それより、飯は食わなくて良いのか？」
「……いろいろ有ってすっかり忘れてたわ」
「ホ、ホントですね」
「準備の途中だったな」
フィルは呆れたようにいつまでも爆発しているわけがないだろと言うと夕飯にしないのかと聞き、フィル以外の３人は爆発から始まってフィルの右腕の大けが、精霊達の解放と一気に駆け抜けたためすっかり忘れていたようであり、
「一先ずは、飯を作るか？」
「そうだな。フィア、ティアナ、戻るよ」
「はい。フィアさん、急いで準備をしましょう」
「……わかってるわよ」
フィルは３人の様子に小さくため息を吐くとジオは苦笑いを浮かべて頷き、ティアナとフィリアに声をかけるとティアナはフィリアに料理を教えている途中だったため、フィリアに続きをしようと言うがフィリアはすでに料理が面倒になっているようでティアナから視線を逸らす。
「……フィア、食えるものを作れよ」
「文句が言いたいなら、自分で作りなさい……やっぱり、良いわ。あんたが作るとプライドを引き裂かれそうな気がするわ」
「引き裂かれるほどのプライドを持てるものは作れないだろ」
「……その通りだけど、言われるとムカつくわ」
フィルはティアナに料理を教えて貰っていながらも進歩がなさそうなフィリアの様子にため息を吐くとフィリアはフィルを威嚇しようとするがフィルの料理の腕は自分よりはるかに上だと理解しているため悔しそうな表情をするとフィルは表情を変える事なく、そのレベルにも達していないだろと事実のみを言い、フィリアの額にはぴくぴくと青筋が浮かべるが、
「フィル、待て。聞いてくれ。ティアナは凄いぞ。フィアが包丁を使って切ったもので形があるんだからな」
「……ティアナ、フィリアの事は任せるぞ」
「え、えーと？ それは言い過ぎじゃないかと」
「フィル、ジオ、あんた達ね！！」
ジオはフィリアを小バカにするがフィルはジオの言葉に本当に関したようにティアナを誉めるとティアナは苦笑いを浮かべるとフィリアは限界がきたようで２人を怒鳴りつけると、
「フィル、逃げるぞ」
「いや、逃げるなら勝手に行け。俺は別にそこまでは言ってない」
「……ジオ、覚悟は良い？」
「いや、逃げる」
ジオはフィリアから逃げようとするがフィルは自分はそこまで言ってないと言い、フィリアは会話の流れから確かにフィルはティアナに自分の事を頼んだだけであり、フィリアはジオをターゲットに決め、ジオはフィリアから逃げ出して行き、
「……一先ずは飯を作るか？」
「そ、そうですね」
フィリアは逃げたジオを追いかけて行ってしまい、フィルは小さくため息を吐くとティアナに夕飯の続きを作ると言い、ティアナはフィルの言葉に頷く。
