第44話
「さてと、一先ずは爆発系のトラップが組み込まれている魔光石くらいは解除するか」
「……フィル、最初に聞いておくけど、全部、爆発させるとか言わないわよね? それ以前に、その口ぶりとさっきの後、2、3個、確認したいって事はトラップは複数の種類があるって事?」
「……バカのくせに気づいたか」
「フィル、今、私をバカって言ったわね!!」
フィルは立ち上がり、魔光石の精霊達を解放すると言うがフィリアはフィルが爆発を起こして精霊達を解放するのかと疑いながらも先ほどのフィルの言葉が気になっていたようでトラップの魔法式は複数あるのかと聞き、フィルはフィリアの言葉に少しだけ感心したように頷くが明らかにフィリアの事をバカにしており、彼女はフィルにつかみかかろうとするが、
「フィアも落ち着け。それで、フィル、トラップは何種類あるんだ?」
「……2つの魔法式に隠れていてな。判別はしづらいが、たぶん、2つ。1つは爆発系だったがもう1つは確認してみないとわからん。まぁ、予想はできている」
ジオはフィリアの首をつかむとフィルにトラップの魔法式は何種類あるかと聞くとフィルは現状では推測でしかないと言いながらも2つあると言い、
「あ、あの。それじゃあ、爆発系は解除するとは言ってましたけど、どうするんですか? 全部、爆発させたら、大変な事になるんじゃないですか?」
「……当たり前だ。そんな事をするほど俺はヒマじゃない。さっき、トラップにかかったのはトラップの威力と種類、魔法式の確認だ。魔法式の確認ができれば、その魔法式を無力化できる魔法式が作れるだろ」
「そうなんですか? それなら、安心ですね」
「……普通、魔法式って簡単にはできないから」
ティアナはフィルがまた、ケガをしながら魔光石から精霊達を解放して行くと思ったようで不安そうな表情で聞くとフィルは爆発を誘発させる以外に考えが浮かばないティアナの様子に眉間にしわを寄せながら答えるとティアナは安心したようで表情をほころばせるがフィリアはフィルが改めて魔法に関しては天才的な才能を持っていると思い知ったようで苦笑いを浮かべる。
「フィル、とりあえずは爆発系を解除するのに、俺達は手伝える事はあるのか?」
「ジオとフィアはない。ティアナ、手伝ってくれ」
「わ、私ですか!? 私は特に手伝えるような事はないですよ!?」
ジオは解決の糸口が見えてきた調査依頼に何か手伝える事はないかと聞くとフィルはティアナに手伝って欲しい事があると言うとティアナは自分は役に立てる事はないと思っているようで声を裏返し、
「……できる事があるから、協力を仰いでいるんだろ」
「そ、そうですね?」
「そう言うなら、何をするか説明しなさいよ。あんたは言葉が足りないって言ってるでしょ」
「それをこれから説明するんだろ。俺は説明する前に無理と言われたんだ。言葉が足りてない以前の問題だ」
フィルはティアナの返事にため息を吐くとティアナは確かにそうだと思ったようできょとんとした表情をし、フィリアはフィルの説明の仕方が悪いと言うとフィルはこれから行う魔光石から精霊達を解放する手順の説明をすると言う。