第43話
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「で、何があったんだ?」
「ん? 魔光石には複数の魔法式が組み込まれていたんだが、1つ、幻術の類で形のない魔光石を認識させる魔法式、2つ、精霊達を呼び寄せてその場に固定する魔法式、3つ、それを解除した時に解除した人間への攻撃を行う攻撃系の魔法式」
フィルは治癒魔法を使用し、右腕の治療を行うとジオはフィルの腕が血まみれになっていた理由を聞くとフィルは右腕の状況を確認しているのか軽く右腕を動かしながら、簡単に魔光石の中にあった3種類の魔法式の話をすると、
「……ねぇ。それを全部解除して行かないといけないわけ? 全部、解除したらこの辺、ただの荒野よ」
「確かにな。爆発が起きた場所はこれだしな。フィル、お前、よく無事だったな」
「無事? 何を言っている。右腕が使い物にならなくなっていただろ」
「……使い物にならないって割にはずいぶんと冷静だったわよね?」
フィリアは爆発の規模を考えると被害は尋常ではないと言い、ジオも右腕のケガだけで他は無事そうなフィルを見て苦笑いを浮かべるとフィルは無事ではなかったと言うがフィリアは先ほどまでのフィルの様子に大きく肩を落とし、
「慌てても仕方ないだろ。右腕が爆発に巻き込まれたのは事実なんだからな。それより、ティアナ、お前はいつまで、呆けているつもりだ? 最初から何でもないと言っているだろう。そこで真っ青になっているなら、テントに戻っていろ」
「で、ですけど、あんなに血がたくさん出て……」
「何を言っている? 骨まで……」
フィルはジオとフィリアからティアナをどうにかしないと研究を先に進ませないと言われたようでティアナに顔をあげろと言うがティアナは血まみれになっていたフィルの右腕の様子が頭から離れないようであり、顔を真っ青にしたまま何かを言おうとするがフィルは冷静な口調で筋肉がえぐられ骨も出ていた事を言おうとするがフィリアはフィルの口を塞ぐ。
「……なんだ?」
「何だ? じゃないわよ。さらに追い打ちをかけてどうするのよ?」
「……あのな。これは起きない事ではない。依頼を受ければ魔物や山賊等との戦闘になる事だってある。その時にケガ1つ、負わずに勝てると思うのか? 戦う力がないにしてもやらなければいけない事もある。依頼だけではないだろ。誰かが何かで大けがをした時に対処できる人間がティアナだけの時に顔を真っ青にしていればその後は決まっているんだ。せっかく、運命に抗える能力があるのに何もしないでいるつもりか?」
「だとしても、言い方ってもんがあるでしょ?」
フィルはフィリアの行動に首を傾げるとフィリアはフィルへティアナに優しい言葉の1つでもかけてやるように言うが、フィルは表情を変える事なく、ティアナはやるべき事を放棄したと言い、フィリアはフィルの言葉に彼の胸倉をつかむが、
「……口先だけの言葉を吐いている内に命は失われるぞ。フィア、お前も見た事があるはずだ。ティアナも村で見ているはずだ。命が奪われて行く瞬間を、助けを求める声から、耳を塞いでいるだけでは結果は何も変わらない。学園で学ぶ強さは所詮は付け焼刃の紛い物だ。それも身につけるには1つ1つ、現実を受け入れて行かないといけない時もある。すぐに覚えれるとは思わないが覚えておけ」
「……は、はい」
フィルはフィリアの腕を外すと現実のみを見続けて生きている彼の経験からくる話をするとティアナはフィルとジオと会った時の村の状況を思い出したようで顔青くしながらも目をそらしてはいけないと思ったようでフィルの顔を見据えて頷き、彼女の様子にフィルは小さく表情を緩ませる。