第42話
「……なるほど、やはりトラップはかけてあったか。となると3つの複合系の魔法か。2つを解除すると3つ目が起動するわけか? 精霊を解放する前に幻術を潰さなければ解放はできないし、それを行うと3つ目の魔法が起動する厄介だな。トラップの魔法に関しては全てが同じとは限らないわけだしな」
フィルは魔光石に閉じ込められていた精霊達を解放したがその瞬間に強烈な光とともに魔光石は爆発を起こしたようでフィルは爆発に巻き込まれて血まみれになった右手を眺めながら厄介だとつぶやくと、
「ちょ、ちょっと、フィル、あんた、右手をどうしたのよ!?」
「ん? 気にするな。魔光石の精霊を解放してみたんだが、トラップの魔法式が組み込まれていたみたいでな。爆発しただけだ。反応が少し遅れたから、防御魔法が右手まで間に合わなかっただけだ。この威力だと……」
先にフィルの方に向かって駆け出したフィリアは血まみれになったフィルの右手を見て驚きの声を上げてフィルに駆け寄るが当の本人のフィルは冷静に右手の損傷具合を確認しており、爆発に対処するための防御魔法について考え始め出し、
「あんたは何をしてるのよ!? 先にやるべきは治療でしょ!! ティアナ、急いで!!」
「フィアさん、どうかしたんで……フィ、フィルさん、手、手が」
「……うるさい」
フィリアは治癒魔法を使えないため、後ろからジオとともに歩いてきているティアナに急ぐように言うとフィリアの様子にティアナとジオは駆け足で2人に駆け寄ってくるとティアナはフィルの腕のケガを見て顔を青くするがフィルは気にする様子はなく、
「フィル、お前はもう少し気にしろ。ティアナ、一先ずは治癒を頼むよ」
「は、はい……」
ジオはフィルの様子になれているのようで、落ち着いた様子でティアナに呪歌で治療して欲しいと言い、ティアナは呪歌を歌い出そうとするがフィルの腕の状況に落ち着いて呪歌を歌えないようであり、治癒の効果は表れる気配すら見えない上に彼女の顔色は青白くなって行く。
「フィル、とりあえず、治癒魔法で腕を回復させろ。このままだとティアナが倒れる」
「ん? どうせ、傷は癒すんだ。せっかくだから、後、2、3個、試してみたい事があるんだが」
「良いわけがないでしょ!!」
「……まったくだ」
ジオはこのままではティアナの方が参ってしまうと思ったようでフィルに治療を先に済ませるように言うがフィルは他にも魔光石にかかっているトラップの魔法について分析をしたいと言い、血まみれの右手を他の魔光石へと伸ばそうとするがフィリアはフィルの右腕をつかみ、ジオはフィルの行動に呆れたようなため息を吐くと、
「……まったく、どうせ、治療はするんだ。非効率だ」
「お前はそうかも知れないが、周りはそう思えないんだ。爆発が起きた事は理解したが、この状況で対処できるとは思えないぞ。せめて、何があってこうなったかくらいは説明しろ」
「……面倒だな」
「面倒でもよ」
フィルはどうせ、またケガをするならこのままでも問題ないと言うがジオとフィリアがそれを許すわけもなくフィルは本当に面倒だとしか思っていないようであり、眉間にしわを寄せる。