第41話
「……これは食えるのか?」
「ジオ、うっさいわよ!!」
「フィ、フィアさん!? ダ、ダメです!? 包丁は人に向けちゃダメです!?」
日が落ち始め、辺りが暗くなってきた頃、フィリアはフィルとジオにバカにされたのが面白くなかったようでティアナに頼んで夕飯の準備を行っているとジオはフィリアが切った食材を見て眉間にしわを寄せるとティアナは包丁の先をジオの鼻先に向けて吠え、ティアナはフィリアの行動を慌てて止める。
「ジオさんも、邪魔をしないでください。それに味付けは問題ないです。美味しくできている……はずです」
「ティアナ、大丈夫なら、どうして目を逸らすのよ!?」
「まぁ、あまり使うのが難しい調味料は持ってきてないから、おかしな味付けにはならないと思うけどな。それより、料理って言うのは目でも楽しむ部分もあってな」
ティアナはジオがいるとフィリアがキレてジオに包丁で斬りかかりそうなため、ジオに離れていて欲しいと言うが彼女自身もフィリアの料理が酷く不安なようで言葉の途中でフィリアから視線を逸らし、フィリアは彼女の行動に声をあげるがジオは当然の結果だと言いたげに大きく頷いた時、
「えっ!? な、何? 何ですか!?」
「……フィルが何かしたみたいだな。何かわかったみたいだな」
暗くなりかけていたはずの辺りが一瞬だけ、昼間のように明るくなり、ティアナは何があったかわからないようで驚きの声をあげるとジオは冷静に明るくなった方向にはフィルがいたため、フィルが魔光石について解決の手がかりが見つかったのではないかと言い、
「行ってみる?」
「そうですね。わかったなら、協力できる事もあるでしょうし。ジオさん、行きましょう」
「ティアナはね。基本的に魔法的なものだと俺もフィアも役立たずだからね」
フィリアは料理でジオにからかわれるよりはフィルの方が面白いかと思ったようであり、直ぐに飛び出して行き出しそうであり、ティアナはそんな彼女の様子に苦笑いを浮かべるが彼女自身も魔光石が引き起こしている事件には考える事があるため、火にかけていた鍋を下ろして、ジオにフィルのところに行こうと言うとジオは2人の考えている事が理解できているため苦笑いを浮かべると、
「行こうか」
「賛成なら、直ぐに答えなさいよ。めんどくさいわね」
「……別にフィアはフィルの邪魔になる可能性の方が圧倒的に高いからここで料理をしていても良いんだぞ。さっきも言った通り、魔法関係は俺もお前も役立たずなんだからな」
「ジオ、ティアナ、何、ゆっくりしているのよ。私は先に行くわよ」
ジオは2人にフィルのところまで行こうと確認するとフィリアはジオを面倒くさいと言い、その言葉にジオは彼女にここに残れと言うとフィリアは1人、全力で駆け出して行き、
「フィアさん、そんなにお料理が嫌なんですかね?」
「そうなんだろ。それより、行こうか」
「あれ? 剣ですか?」
「まぁ、何かわかった時って油断する事があるからね。警戒くらいはしておかないとフィルは油断なんかしないだろうけど」
「……そうですね」
ティアナはフィリアの様子に苦笑いを浮かべる隣りでジオはすぐそばに置いておいた自分の剣とフィアが置いて行った彼女の大剣を持つとティアナは意外そうな表情をするがジオは注意する事は必要だと苦笑いを浮かべ、ティアナは昨晩の事もあるため大きく頷く。




