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第40話

「うーん。美味しいわ」

「……甘い」

 ティアナの説得で一先ず、フィリアは落ち着き、ティアナが集めた材料で作ったデザートをフィリアは食べて機嫌が良くなっているようだがフィルはあまり甘い物が得意ではないのか眉間にしわを寄せている。

「フィルさん、美味しくないですか?」

「……いや、そう言うわけではないんだが、あまり甘いものはな」

「そうなんですか」

 ティアナはフィルの様子に不安そうな表情で聞くとフィルはデザートを作ってくれたティアナに申し訳ないとは思っているようではあり、少しだけ見えたフィルの優しさにティアナは表情を緩ませると、

「そうか。フィアは気にしないでも良いがティアナの事を考えるとこう言うのも必要だな」

「ジオ、私は気にしなくても良いって言うのはどう言う事よ?」

「そのままだ。だいたい、料理の1つできない人間に文句を言う資格はない」

 ジオはあまり女性と依頼はしないようで料理のバランスなどは気にしていなかったと言うとフィリアはジオの言葉に眉間にしわを寄せるがジオは悔しかったら料理の1つでもしてみろと言い、フィリアの眉間のしわはより深くくっきりと現れ、

「あ、あの。ケンカは止めましょうよ」

「……ほっておけ。ジオの言う事が正しい。依頼でキャンプを張る事もあるんだ。今回のように料理のできる人間を入れる事は長期の依頼を受ける上で必要な事だ。フィアはできない事を疎かにしすぎだ」

 今にもジオにつかみかかりそうなフィリアの様子にティアナは2人の間に割って入ろうとするがフィルはティアナを止めてジオが正しいと言う。

「フィル、あんたもなんなのよ。あんた達、私に対して口が悪すぎよ!!」

「……何度も言わせるな。依頼を受ける上で必要な事だと言っているだろ。長期の依頼になって料理のできるメンバーがいない依頼は最悪だ」

「確かにな。フィル以外と初めて組んだ時が誰もできなかったから酷かったよな。保存食のみ。味気も何もない。そこから、覚えたわけだしな」

 ティアナはフィルの言葉に怒りの矛先はフィルに向かうがフィルは長期の依頼で料理ができないメンバーばかりの事を思い出したようで大きなため息を吐くとジオも経験済みのようで大きく頷き、

「あ、あの。今の会話の流れだとフィルさんはお料理ができるんですか?」

「あぁ。1人暮らしも長いからな。何の問題もなくできるが俺は基本的に調査依頼がメインになる事が多いからな。調査に時間を割くため、依頼中は最悪の事態でしかしない」

 ティアナは会話からフィルは料理ができるとわかったようだがあまり料理をするように見えないため、驚きの表情を隠せないようだがフィルは依頼中には料理をする事はないと言うとティアナが作ったデザートの最後の1口を口の中に放り込み、

「俺は作業に戻るから、片づけは任せるぞ。フィア、やる事がないならティアナに料理でもならっていろ。ここには時間を潰すものがないからな。逃げられないだろ」

「……」

 立ち上がるとフィリアにティアナに料理を習うように言うと彼女は悔しそうにフィルを睨みつけるがフィルは気にする事はない。


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