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第3話

「……開いている? また、あいつらか?」

「フィルさん、どうかしたんですか?」

 フィルはティアナを引きずったまま自分の研究室のドアのカギを開けようとするがドアのカギはあけられており、フィルは中に入り込んでいる人間に心当たりがあるようでドアを開けるとそこには少年と少女がおり、少年は難しそうな表情でフィルの研究書を眺め、少女は部屋のソファーに腰掛けている。

「……お前らは何をしている?」

「やっと帰ってきた……誰?」

 フィルは勝手に研究室に入り込んでいる2人を見て眉間にしわを寄せると少女はフィルの腕にティアナがひっついているのを見てフィルをからかおうとしているのかニヤニヤと笑うが、

「ん? ティアナさん、フィル、今日からだったか?」

「あぁ」

「ジオさん、お久しぶりです。今日からよろしくお願いします」

 少年は研究所からフィルとティアナに視線を移してティアナを見ると彼女が今日から学園に通う事を知っていたようで苦笑いを浮かべ、ティアナは少年『ジオ=ブリッツ』に頭を下げる。

「ちょっと、ジオも知り合いなの? ……三角関係?」

「……おかしな事を言うな」

「フィア、お前には説明しただろ」

「あ、あの。フィルさん、ジオさん、この方は?」

 少女はフィルとジオの顔を交互に見た後、首を傾げると2人は肩を落としてため息を吐くがフィルは少女の事を紹介して欲しいとフィルの腕を引っ張り、

「……こいつはフィリア=ライン。まぁ、ジオと同じく幼なじみだ」

「フィアで良いわ。よろしくね。ティアナ」

「は、はい。よろしくお願いします」

 フィルはティアナに少女『フィリア=ライン』がジオと同じく自分の幼なじみだと言うと2人はお互いに挨拶を交わす。

「それで、お前ら2人は勝手に人の研究室に上がりこんで何をしているんだ?」

「いや、この間の研究が上手く行ったみたいだから一応な」

「……そうか。それなら、もう用は終わったな。邪魔だから、そいつを連れて出て行ってくれ。俺は忙しいからな」

 フィルは不機嫌そうな表情でジオとフィリアが研究室で何をしているかと聞くとジオはフィリアと一緒にフィルが新しく作った魔法の構築式の事を祝いに来たと言うがフィルは興味無さそうに1人にして欲しいと言いたげにジオに向かいティアナとフィリアを連れて出て行くように言うと、

「ちょっと、フィル。何よ。その態度、せっかく、かわいい幼なじみが祝ってあげようって言うのにその態度は何よ?」

「……かわいい? ずいぶんと笑いない冗談を言うな。このバカ力女」

「バカ力女? よわっちいモヤシ男に言われたくないわよ!!」

「あ、あの。2人とも止めてください。ジオさんも止めてください」

「気にするな。いつもの事だ」

 フィルの態度の悪さにフィリアが彼を怒鳴りつけて2人は睨みあいを始め出し、ティアナはジオに2人を止めて欲しいと言うがジオはこの状況になれているようでやらせておけと言うが、

「モヤシだと!! 脳みそまで筋肉のバカ力女!!」

「モヤシにモヤシって言って何が悪いのよ!! 女に1撃も与えられない運動神経皆無のくせに」

「何だと? バカ力女、てめえ、表出ろや。ぶっ飛ばしてやる」

「あ? 返討ちよ」

 状況はさらに悪くなって行き、フィルとフィリアは睨みあいを続けたまま研究室を出て行き、

「あ、あの。フィルさんって冷静な人じゃ」

「逆、冷静なふりをしてるだけ、あっちが素だ。それより、俺は追いかけるけど、どうする?」

「わ、私も行きます」

 ティアナはフィルが声を張り上げている姿が信じられないようで目を白黒させるがジオはあれがフィルの本性だと笑うと2人でフィルとフィリアの後を追いかけて行く。


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