第34話
「で、フィル、何かわかったわけ?」
「……何時間で終わるなら、誰も苦労はしない」
「……あんたの言い方、1つ1つムカつくのよね」
ティアナとジオが作った朝食を食べているとフィリアが魔光石に付いてわかった事はないかとフィルに聞くがバカじゃないかと言いたげに言うとフィリアのこめかみにはピクピクと青筋が浮かんでおり、
「えーと、フィルさん、もう少し、優しくしてあげても良いんじゃないでしょうか?」
「必要がない。だいたい、人に説明をしろと言いながら、聞いていない。理解していない。理解する気もない。そんな奴に時間を割くほど暇ではない」
「確かに、フィルの説明嫌いの半分はフィアのせいな気がするな」
ティアナは2人の様子に苦笑いを浮かべるがフィルはフィリアの理解力に問題があると言うとジオは苦笑いを浮かべながらフィルの言葉に同意をすると、
「ちょっと、ジオまで言うの!? 天才魔術師とか言われているくせに説明1つ、まともにできないこいつが悪いんでしょ!!」
「……フィア、お前、話が難しくなってくると寝るだろ」
「まったくだ……何で、他の魔法学科の教員からお前に寝るなと話をしておけと言われないといけない」
「えーと」
フィリアは2人の自分の評価に声をあげるがフィルとジオは更なる追い討ちをかけると聞かされたフィリアの授業態度にティアナは顔を引きつらせ、フィリアはそこで初めて自分が悪いと思ったようでフィルとジオから目を逸らす。
「まぁ、フィアへの説明は置いといて、何かわかった事はあるのか?」
「……魔光石には関係ない事がわかった」
「……あんた、何を調べてるのよ?」
ジオはフィリアの様子に苦笑いを浮かべるとフィルに何かわかった事はあるのかと聞くとフィルは魔光石に2つの魔法式が組み込まれている事は2人に話しても仕方ないと思っているようであり、魔光石以外に昨日の夜にわかった事があると言うとフィリアは先ほどの仕返しなのか、フィルに時間を無駄にするなと言いたげな表情をすると、
「あ、あの。フィルさん、2つの魔法式の話はしなくて良いんですか?」
「無駄だ。必要ない」
ティアナは昨日の夜にフィルが話してくれた魔法式の話はしなくて良いのかと聞くがフィルは無駄だと斬り捨て、
「わかったのは、ティアナの呪歌に付いていくつかわかった事があるくらいだ」
「……へ? ど、どうしてですか?」
「そりゃ、また、突拍子もないところに飛んだな」
フィルはティアナの呪歌に付いてわかった事があると言うとティアナは間の抜けた表情をし、ジオは苦笑いを浮かべると、
「ど、どうしてですか? な、何があって、あ、あれ?」
「ティアナ、少し落ち着く」
ティアナは自分が呪歌を使った時にはフィルは特におかしな事をしていなかったため、意味がわからないようで慌てており、フィリアは彼女の様子に苦笑いを浮かべ、
「わかったのは2つ。まずは治癒の呪歌では生命力だけではなく魔力にも効果がある事は言ったが、それ以外にも精霊達にも影響する。後は他の人間の呪歌と合わせる事で何倍もの効果を発揮する。まぁ、呪歌を使う人間があまりいないからあまりわかっても仕方ない事だけどな」
「……それは別に言わなくても良いだろ」
フィルは昨日の夜にわかったティアナの呪歌の事を話すがあまり使いようがないと言うとジオはもう少し言葉を選べとため息を吐く。