第28話
「……寝ろと言ったはずだ」
「そうなんですけど、こう言うのは初めてですし、眠れなくて」
フィルが1人になって2時間ほど過ぎたころ、ティアナがテントから顔を出し、フィルは話し相手になるつもりなどないため、不機嫌そうな表情をするとティアナは苦笑いを浮かべるとテントから出て来てフィルのそばに置いてある魔光石を手に取り、
「このなかに精霊さんが捕まっているんですよね?」
「……捕まっていると言うよりは引き寄せられているに近いがな」
「引き寄せられているですか?」
見た目的には普通の石と変わらない魔光石のなかにいるであろう精霊達の事を心配するように言うとフィルは精霊達には何の問題もないと言った感じで答え、ティアナはフィルの言葉に首を傾げる。
「……簡単に言えば精霊を引き寄せる魔法式が石の中心部に埋め込まれていると言うか。これ自体も見た目を石に見えるように魔法式を埋め込まれている」
「どう言う事ですか?」
「石に見えるのは幻術の類だ。元々、精霊達を無理やり引き寄せて作ったものだからな。魔法を使う人間から見れば精霊力や魔力が高いと感じるがものと認識ができなければ手に取る事もできない。精霊達と言った物質干渉のできないものを手に触れられる魔光石として認識させるほどの強力な魔法式……こいつを一時的に外してやれば」
「え? フィ、フィルさん、魔光石が消えちゃいましたよ!? ど、どうするんですか!?」
フィルは魔光石の中には2つの特殊な魔法式で構築されていると言うがティアナにはフィルの説明が理解できないようで首を傾げるとフィルは説明をするより、見せた方が早いと考えたようでティアナの手から魔光石を抜き取ると魔法の詠唱を始め出し、魔法の詠唱が終わるとフィルの手にあった魔法石は消えてなくなってしまい、ティアナは驚きの声をあげるが、
「……目に見えなくなっただけだ。目で見るのではなく精霊達の存在を感じろ。お前は仮にも魔法学科にいるならそれくらいできるだろ」
「か、感じろと言われても」
「……まったく、ここにきた時に俺は呪歌を使って精霊達の力を活性化させた。方法は違うが同じような事がお前にもできるはずだ」
「え、えーと、呪歌? それなら、私にもできるのかな?」
フィルは魔光石がまだ手の上にあると言うとティアナに魔法使いなら簡単にできるはずだと言うがティアナはフィルの言うようにはできないと言い、フィルはため息を吐くと呪歌の詠唱を始め出し、フィルの手の上は先ほどまで見ていた魔光石と同じくらいの大きさの光が現れ、ティアナはフィルの呪歌に合わせるように歌い始めるとフィルの手の上だけではなくグラン大平原に埋まっている魔光石が輝きだし、
「す、凄い」
「……なるほどな。生命力、魔力だけではなく、精霊達にも影響があるわけか? それと他の呪歌の影響」
ティアナは自分とフィルの呪歌が合わさる事で輝きだす魔光石の様子に感動したようで声を漏らすと呪歌が途切れた事で魔光石の輝きは失われるがフィルは先ほど起きた状況に何か感じたようで小さくつぶやくと、
「フィルさん、フィルさん、凄いです。キレイです。も、もう1度、お願いします」
「……やるなら1人でやれ。それに今は夜なんだ。それ以外にも見上げれば面白いものも見れるだろ」
「見上げれば? ……あ、キレイ」
ティアナはもう1度、魔光石の輝きを見たいとフィルに呪歌をお願いするがフィルは忙しいと言いたげに空を指差すと空には一面の星空が広がっており、ティアナは星空に感動したようで声を漏らす。
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ありがとうございます。引き続き、楽しんでいただけるようにがんばりますのでよろしくお願いします。
後は今更ですが、キャラクター設定っているんですかね?
オリジナルだし、話の中で書いていけば良いのかな?
必要、不必要を教えていただけると幸いです。