第26話
「フィル、何をするつもり?」
「……何度も同じ事を言わせるな。こいつの魔法式の解析、分析をする……」
「……何度もって、さっき、1回言っただけでしょ」
フィリアは魔石を片手に何か始めようとするフィルに声をかけると彼は不機嫌そうに返事をすると、フィルは魔法の詠唱を始め出し、フィリアはフィルの言葉にイラっとしながらも邪魔はできない事を理解しているため額に青筋を浮かべ、
「まぁ、フィアも落ち着け。フィルの邪魔をするのは得策じゃないだろ」
「そうだけど、こいつの言い方はいちいち、とげがあってムカつくのよ」
「フィルの言葉使いが悪いのは今更だろ。こいつの場合は特に」
「わかってるわよ。だからこそ、ムカつくんでしょ……1人で全部、抱えた気になってるんじゃないわよ。そんなに私やジオは頼りにならないって言うの?」
ジオはフィリアの様子に苦笑いを浮かべて彼女をいさめようとするとフィリアはジオの言いたい事もわかっていると言うがやはり納得はいかないようであり、小さな声で本音を漏らすが誰からも返事は戻ってくる事はなく、フィリアは自分が漏らした本音に自分らしくないと頭をかいた時、ティアナが曲を歌いきったようで静寂が訪れ、
「あ、あの。ジオさん、私はいつまで歌っていれば良いんでしょうか?」
「さあ。もう良いんじゃないかな? フィルも自分の作業を始めたみたいだし……とりあえず、休憩しようか? 紅茶でも入れるよ」
「は、はい。ありがとうございます」
ティアナはフィルが作業を始めた事に気づいたようで邪魔をしてはいけないと思ったようでジオに呪歌をまだ続けるべきかと聞くとジオはティアナに休むように言う。
「はい……しかし、魔力まで癒す呪歌か?」
「あ、ありがとうございます……えーと? どうかしましたか?」
「いや、フィルはなんだかんだ言ってもティアナの事をしっかり見ていると思ってね」
「フィルさんが、私を見ている……あ、あの、それってどう言う事ですか?」
ジオはティアナに紅茶を渡すと彼女の呪歌の特異さに感心したように言うがティアナは自分の呪歌の特異さに気づいていないようできょとんとした表情で聞き返し、ジオはティアナの表情に苦笑いを浮かべ、無愛想で言葉使いが最悪な幼なじみに視線を向けるとティアナはジオの言葉に頬を赤く染めながらジオに聞くと、
「……ごめん。そっちの意味じゃない。と言うか、あいつは恋愛関係に興味があるかは俺はわからない」
「な、何を言ってるんですか!? わ、私は別にフィルさんの事をす、好きとかそういうわけじゃ」
「……いや、ティアナ、それは肯定と変わらないわよ」
「まぁ、命の恩人に好意を持つのは当たり前だし、そこまで全力で否定しなくても良いよ」
ジオはティアナの期待している事ではないと言うとティアナは顔を真っ赤にしたまま全力で否定するがフィリアはそんな彼女の反応に苦笑いを浮かべ、ジオはフィルとティアナの出会いを考えれば不思議ではないと頷き、
「そ、そんな事はないです。た、確かに村が魔物の襲撃に遭って最悪な状況を考えた時に魔法で魔物達を一掃してくれたフィルさんはカッコ良かったですし、学園に来てからも無愛想で文句を言いながらでもしっかりと私にアドバイスしてくれる姿とか本当は優しいんだなとか、べ、別にそれだけで」
「……ティアナ」
「……完全に惚れてるじゃない」
ティアナは2人の言葉を否定しようとするがその言葉は誰が聞いてもフィルに好意を寄せているものであり、ジオとフィリアはティアナを生温かい目で見て頷く。